70年代のカンサスは、ポップさを維持しながらプログレ路線を突き詰め、ヴァイオリンを一貫してバンドサウンドの重要な要素として取り込んだアメリカにおけるプログレッシブ・バンドとして第一線で活動を続けた。中世ロマン溢れるジャケットのアート性の高さも一貫しており、特に秀逸な70年代の名盤7タイトルをデジタル・リマスター音源にてリリース決定。ライブ・アルバム『偉大なる聴衆へ』はボーナス・トラックを10曲も収録し、最新デジタル・リマスターが施された大型エキスパンデッド・エディションとなっている。

カンサス・ファースト・アルバム KANSAS

カンサス・ファースト・アルバム KANSAS

1. キャン・アイ・テル・ユー
2. ブリンギング・イット・バック
3. 寂しき風
4. ベレクセス
5. 栄光への旅路

6. 巡礼者
7. アパージュ
8. 母体崩壊

<ボーナス・トラック>
9. ブリンギング・イット・バック(LIVE)

1974年作品。ドン・カーシュナーのレーベルと契約-デビューをしたカンサスはこのファースト・アルバムにより偉大なる足がかりをつかむこととなる。すでにこの時点でスティーヴ・ウォルシュ(vo,key)、ケリー・リヴグレン(Gt,Key)、ロビー・スタイハート(violin)、デイヴ・ホープ(b)、リチャード・ウィリアムス(g)、フィル・イハート(ds)という黄金メンバーがそろっており、アメリカン・プログレ・ハードの雄となる萌芽を十二分に感じられる作品となっている。

●2004年デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様

ソング・フォー・アメリカ SONG FOR AMERICA

ソング・フォー・アメリカ SONG FOR AMERICA

1. ダウン・ザ・ロード
2. ソング・フォー・アメリカ
3. ランプライト・シンフォニー
4. ロンリー・ストリート
5. 邪悪なゲーム

6. 宇宙への祈り

<ボーナス・トラック>
7. ソング・フォー・アメリカ(シングル・エディット)
8. ダウン・ザ・ロード(ライヴ)

1975年発表。カンサスのセカンド・アルバム。このアルバムからプロデューサーのジェフ・グリックスマンと初めて手を組み、プログレのなかにアメリカン・ポップの要素を持ち込みグループの基本的なサウンドを確立させた。プレイや曲作りの技量はこの時点で円熟に達しており、大作を満載したこのアルバムは彼等の原点ともいえる。

●2004年デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様


仮面劇 MASQUE

仮面劇 MASQUE

1. ウーマンズ・ラヴ
2. トゥー・センツ・ワース
3. 銀翼のイカルス
4. オール・ザ・ワールド
5. チャイルド・オブ・イノセンス
6. イッツ・ユー

7. 神秘と混乱
8. 尖塔 (9:34)

<ボーナス・トラック>
9. チャイルド・オブ・イノセンス(リハーサル・レコーディング)
10. イッツ・ユー(デモ)

1975年発表のサード・アルバム。日本では当作品がデビュー・アルバムとなった。ハード・ロック的なものとプログレ的なものの二つの方法をとりいれ、従来のプログレ系にはない新しい試みをし、独自の音楽世界を打ち出した、カンサスの転換期にあたる作品。本アルバムからカンサスは驚異的な成長を遂げていくことになり、この路線は次の大ヒット・アルバム「永遠の序曲」につながった。全米ゴールド・ディスク獲得アルバム。

●2001年デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様

永遠の序曲 LEFTOVERTURE

永遠の序曲 LEFTOVERTURE

1. 伝承
2. 壁
3. 深層心理
4. 奇跡
5. 挿入曲
6. 少年時代の謎

7. 黙示録
8. 超大作

<ボーナス・トラック>
9. 伝承(ライヴ)
10. 黙示録(ライヴ)

1976年発表の第4作。ジェフ・グリックスマンが本格的にプロデュースし、カンサスにとっても記念碑的大ヒットとなったプログレの名盤。アメリカ出身のカンサスがヨーロッパ系プログレの要素を吸収しつくしたのみならず、そこに新しいアイデンティティを確立させ、アメリカン・ハード・プログレの一つの到達地点ともなったアルバム。大作主義を標榜していながらシングルもヒットさせるという絶妙なバランスも見事な傑作アルバム。全米チャート5位。トリプル・プラチナ・ディスク。

●2001年デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様

暗黒への曳航 POINT OF KNOW RETURN

暗黒への曳航 POINT OF KNOW RETURN

1. 帰らざる航海
2. 逆説の真理
3. スパイダー
4. 神秘の肖像
5. 孤独な物語
6. 稲妻の戦士
7. すべては風の中に

8. 閃光の嵐
9. 遅れてきた探訪者
10. 望みなき未来

<ボーナス・トラック>
11. 閃光の嵐(ライヴ)
12. 神秘の肖像(リミックス・バージョン)

1977年発表の5作目。名実共にカンサスの最高傑作。真骨頂である劇的な要素をぎっしりと詰め込んだ上で計算しつくされた楽曲群は、しつこくならない洗練さをも兼ね備えており、前作『永遠の序曲』で辿り着いたと思われた最高地点のさらに上がある事を証明した。ヴァイオリンやキーボードをフィーチャーして作り上げたオーケストレイションの美しさは宝石の如き輝きに満ちており、これこそがカンサスサウンドの頂点と言える。全米チャート4位。トリプル・プラチナ・ディスク。シングル「帰らざる航海」28位、「すべては風の中に」6位。

●2002年デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様


偉大なる聴衆へ TWO FOR THE SHOW

偉大なる聴衆へ TWO FOR THE SHOW

<DISC1>
1. ソング・フォー・アメリカ
2. 帰らざる航海
3. 逆説の真理
4. 銀翼のイカルス
5. 神秘の肖像
6. 伝承
7. 栄光への旅路
8. すべては風の中に
9. 寂しき風
10. 神秘と混乱
11. ランプライト・シンフォニー
12. 壁
13. 超大作

<DISC2>
1. 望みなき未来*
2. チャイルド・オブ・イノセンス*
3. ベレクセス*
4. 黙示録*
5. ロンリー・ストリート*
6. 奇跡*
7. スパイダー*
8. 孤独な物語
9. ダウン・ザ・ロード*
10. 閃光の嵐*
11. ブリンギング・イット・バック*
*2008年最新ボーナス・トラック

1978年発表の最初のライヴ・アルバム。カンサスの真骨頂は恐るべき精度で演奏されるそのライヴ・パフォーマンスにある。もともとツアー活動の中でライヴを想定して作られていたその楽曲群はスタジオ・アルバムでも十二分に優れたものであり、それまでにトリプル・プラチナ・ディスクを2作品もたたき出していた事がそれを証明している。しかし、ひとたびライヴで〜本来の場で〜その秀逸な楽曲が展開されると、まさに「圧倒的」という言葉こそが相応しいものとなる。
さらにこのアルバムはそれまでの人気曲を集めたセット・リストも魅力であり、その再現性の高さを考慮すれば、実質的に最初のベスト盤とも言える。
今回の紙ジャケット化発売にあたり、過去にCD化された際には収録時間の関係でカットされた「孤独な物語」が復活したばかりでなく、なんと10曲もの未発表音源を追加し、2008年デジタル・リマスタリングが施されている。

●2008年最新デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様
●2008年最新ボーナス・トラック10曲

モノリスの謎 MONOLITH

モノリスの謎 MONOLITH

1. オン・ジ・アザー・サイド〜謎の沈黙〜
2. まぼろしの風
3. 堕ちてきた天使
4. はるかなる情念

5. 故郷への追想
6. アウェイ・フロム・ユー
7. ステイ・アウト・オブ・トラブル
8. リーズン・トゥ・ビー

1979年発表の6thアルバム。パンク/ニューウェイヴが台頭していた当時の音楽シーンでは特異な存在として、時代に挑戦をしていたかのような評価がなされたアルバムであったが、その実、最高傑作と言われる前作『暗黒への曳航』の延長上にある洗練がなされ、ポップな要素が強まった傑作。今でこそカンサスがいかに時代に流されずに力強く進化をしていたかという事が良くわかる最高傑作の一つである。2008年最新デジタルリマスタリング。

●2008年最新デジタル・リマスター音源
●紙ジャケット仕様