1949年9月23日、ニュージャージー州フリーホールドで生誕。1973年にアルバム『Greetings From Asbury Park,N.J.』でデビュー。『Born To Run』(1975年)、『Born In The U.S.A.』(1984年)などのロックの歴史に燦然と輝く名盤を数多くリリースし、時代を彩ってきたブルース・スプリングスティーン。既発アルバムの全米トータル・セールス5800万枚は歴代14位。1999年Eストリート・バンドと再結成。リユニオン・ツアーを行い、そして2002年、18年ぶりに盟友Eストリート・バンドと録音したアルバム『The Rising』でシーンの頂点に完全復活。。。残念ながら未だ来日公演は実現していなかったがEストリート・バンドとともに回ったThe Risingツアーは全世界120箇所で300万人動員し、2003年は興行収益で世界一を記録した。昨年米大統領選で立ち上がり話題となった”VOTE FOR CHANGE”ツアーは記憶に新しいところ。今年2005年は名盤『明日なき暴走』から30年、そして、感動の初来日公演から20年となる日本にとっても節目の年であり、更に急遽5月11日に通算20作目となるニューアルバムもリリース!と絶好のタイミングの中、オリジナルアルバム17タイトルを紙ジャケでリリースいたします。6年越しの想いが遂に実現!!
ブルースの紙ジャケが6年越しで実現!そして、日本の紙ジャケ世界進出!!

 1999年に一度リリースを試みたが、アーティスト、マネージメントよりリリースを中止せよとの指示があり残念ながら発売中止、店頭の商品まで回収という騒ぎになった、スプリングスティーンの紙ジャケが6年越しでようやく許諾されました。交渉に交渉を重ね、日本のことを何とか理解してもらおうと努力して説明した結果、今回はアーティスト、マネージメント側も「応援する」との涙でるような、お言葉もいただき、そして、SONY BMGの全世界のカタログ企画としてワールドワイドでの受注ということになり、遂に日本の紙ジャケも正式世界進出ということになります

 今回はデビューから『ザ・ライジング』まで欧米でLPとしてリリースされていたものは全て発売(今回の17タイトルを除くアルバムはCDのみのリリースだった、ボックスセット『トラックス』とベスト盤『エッセンシャル』)。前回から紙ジャケの世界も一転していますので、今回は全てUS初版オリジナルジャケット&日本初版帯の徹底的な復刻にこだわっています。様々なルートを使って原盤を探し出したのですが、USの初版は今と異なっていることも多く、『明日なき暴走』ではモノクロっぽいジャケットですが、実は初版だけ特色使っていたりとか、マネージャーのジョン・ランドウのスペルがJOHNと間違えていたり(本当はJON)。『闇に吠える街』は1stと2ndの文字の大きさが違っていたり、他のアルバムも色味が違っていたりと、かなり初版へ質感を近づけることを目指しております。また日本盤もいろいろ発見があり、一番最初に日本で出たLPは1stではなく『青春の叫び』で、当時相当売れなかったらしくその帯が本当に見つからなかったり(ようやく見つけましたが)、そしてその後出された1stは当時『アズベリー・パークからの挨拶状』と“状”が入っていて、曲の邦題も今とまったく異なっていたりとか・・・etc。『The “Live”』はLPと同じ5枚組豪華ボックスセットでリリースします!!

  ライナーノーツ・英詩・対訳も今回見直します。詞の世界をわかってもらうために見やすく、英詞・対訳並列表記。英詞はスプリングスティーン本人による公認詩集『SONGS』に合わせます。それに合わせて対訳も三浦久氏に見直していただいております。更にその、ずっとブルースの対訳を行なって、ブルース本人からもお墨付きをもらっている三浦久氏に各アルバムにおけるブルースの詞の世界を解読してもらった新規ライナーを収録することも一つの魅力となるでしょう(音源に関してはこれはアーティスト側の要望として全ての音はいじりたくないということで、オリジナルマスター音源を収録しております)。非常に丁寧に作り上げていますので、ファンのご要望にきっと応えられるものに仕上がると思います!

“俺は22の時に書いた歌を歌い、それから40歳の結婚している男として書いた歌も歌う。
すべてがぴたりと収まる。俺の作品はいわば続いているひとつの小説だからね”
”僕がやろうとしているのは、自分にとって意味があり、コミットメント、情熱のある音楽を歌うことなんだ。歌がリアルで本当の感情がこもっていれば、その歌を聴きたいと思う者は必ずいるはずだ……。”
by Bruce Springsteen

 三浦さんもライナーに書いているのですが、20世紀が産んだ類い希なるROCKERであり優れた作家である、ブルース・スプリングスティーンの今までの全アルバムは「ひとつの連続小説」であるとも考えられると思います。また彼の一連の作品を1本の映画であると考えるならば、彼は「カメラマン」として、まわりの景色と内面の世界に対してカメラを回し続けてきたのではないかなと…。第1章『アズベリー・パークからの挨拶』から、『ザ・ライジング』まで、彼はまわりの景色と自らの内面の世界を、淡々と観察し、描き続け、そして5月11日に発売となる通算20作目の、現時点での最終章である『デビルズ&ダスト』まで続いていくストーリー。その物語はまだ完結せず、今後も続いていく。。。

 今回の17タイトルの紙ジャケとともに、もう一度彼の辿ってきた道を「連続小説」として、再度じっくり聞いていただけると幸いです。そして、またブルースを知らない世代の全ての日本のロックファンの皆さんにも聞いていただければと。。。ブルースの名盤たちが2005年、今一度再評価されることを心から願っています。