マイケルは何度でも、世界を驚かせる。KING OF POPの未発表新曲を収録した、9年振り、全世界待望の最新オリジナル・アルバム。
マイケル・ジャクソン、全世界待望の最新作が遂に登場!!ベストアルバム等を除くオリジナル作品としては2001年発表の『インヴィンシブル』以来、実に9年振りとなる本作には、マイケルが近年までレコーディング/制作していたヴォーカル・トラックが最終的な制作過程を経て、このたび新たに完成した未発表新曲(Newly Completed Recordings)全10曲を収録。優しさと力強さに満ちた、新たなポップ・アンセムたり得る珠玉の名曲が詰まった、奇跡のニュー・アルバム。世界中の誰もが歌えて、聴いた人が勇気づけられる、そんな歌を唄っていたい。マイケル・ジャクソン
「MICHAEL」ジャケット
2010年12月15日発売「MICHAEL」
EICP1500 税込定価¥2,520SonyMusicShop
MICHAEL’S SONGS
1. Hold My Hand (Duet with Akon)
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Written by Aliaune Thiam, Giorgio Tuinfort, Claude Kelly Produced by Akon, Giorgio Tuinfort & Michael Jackson
2. Hollywood Tonight
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Written by Michael Jackson, Brad Buxer/Spoken Bridge Written by Teddy Riley Produced by Teddy Riley, Michael Jackson/Co-Produced by Theron “Neff-U” Feemster
3. Keep Your Head Up
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Written by Michael Jackson, Eddie Cascio, James Porte Produced by C “Tricky” Stewart, Angelikson, Michael Jackson
4. (I Like) The Way You Love Me
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Written by Michael Jackson Produced by Theron “Neff-U” Feemster, Michael Jackson
5. Monster (Featuring 50 Cent)
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Written by Michael Jackson, Eddie Cascio, James Porte/Rap Lyrics Written by Curtis Jackson Produced by Teddy Riley, Angelikson, Michael Jackson
6.Best Of Joy
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Written by Michael Jackson  Produced by Theron “Neff-U” Feemster, Michael Jackson  Co-Produced by Brad Buxer
7. Breaking News
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Written by Michael Jackson, Eddie Cascio, James Porte Produced by Teddy Riley, Angelikson, Michael Jackson
8. (I Can’t Make It) Another Day (Featuring Lenny Kravitz)
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Written by Lenny Kravitz Produced by Lenny Kravitz Co-Produced by Michael Jackson
9. Behind The Mask
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Written by Michael Jackson, Chris Mosdell, Ryuichi Sakamoto Produced by Michael Jackson, John McClain
10. Much Too Soon
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Written by Michael Jackson Produced by Michael Jackson, John McClain

王冠

イントロダクション

   マイケル・ジャクソンが天に召されたのは、彼が次作のアルバムに込めるべきヴィジョンを形にしつつあった、まさにその時だった。この音楽をファンのみんなとシェアする日が楽しみだと言いながら、ひとつひとつの楽曲にコツコツと取り組んでいた。これらの楽曲を、伝説的アーティストの未発表作品、というくくりでお蔵入りさせてしまうことはたやすかった。しかし、マイケル・ジャクソン・エステート、そしてソニー・ミュージック(US)の両者が、この素晴らしい音楽作品が金庫のなかで埃をかぶる事態を避けることこそが、マイケルのファンに対してはもちろん、マイケル自身に対して自分たちが負った責任である、と気づくまでにはそう長くはかからなかった。制作途中にあったこのアルバムは、きちんとした方法で完成、リリースされるべきである。そしてその手法は、品格ある、考え抜かれた方法で、マイケルのレガシーにふさわしい形で行わなければならないと、決定がなされた。

これらのトラックをマイケル自身が完成させていたとしたら、それはもちろん、唯一無二のものになったことは言うまでもない。しかし、それをするマイケルはもういなかった。だが、彼は、彼のクリエイティブなヴィジョンを指し示す、ユニークなロードマップを残してくれていた。それは、彼の直筆のメモという形であったり、制作に携わっていたスタッフや、これから一緒に仕事をしようという仲間たちに彼が語って聞かせた、詳細な内容説明という形で残されていた。 このおかげで、『MICHAEL』に関わったすべての人々が、彼の声を頼りに、彼に導かれながら、このアルバムを完成させることができたのである。そのクリエイティブな才能を、惜しみなく『MICHAEL』に提供したすべての人々にとって、これはたくさんのインスピレーションを与えてくれた、特別なひとりの人間に敬意を表するための、愛にあふれた仕事だった。

『MICHAEL』が完成するまで

   マイケル・ジャクソンの作品は、完成するまでに長い時間をかけて進化の過程を辿る。『MICHAEL』もその例外ではなかった。

2004年、当時の弁護士だったジョン・ブランカの手を借りて、マイケルはソニー・ミュージックと、同社の当時のCEOトミー・モトーラとの関係に終止符を打った。その後の数年間をかけて、マイケルは次のリリースとなるべき作品の青写真を練り、ニューアルバムの基礎となるトラックを次々とレコーディングしていた。それと平行して、ソニー・ミュージックの経営体制にも変化が起こり、2008年の『スリラー25周年記念盤』の発売を機に、現在の経営陣とマイケルは良好な関係を築き始めていた。2009年の2月には、ロサンゼルスにてソニー・ミュージックが開催した『スリラー』25周年記念のレセプションに、満面の笑みで特製の小型マルチ・プラチナ・ディスクを受け取るマイケルの姿があった。

さて、新しいアルバムの仕事に戻ったマイケルは、ゆっくりと楽曲を絞り込み、彼のヴィジョンが形となって現れてくるに従って、どんどんそれらを磨き上げて行った。ほぼすべてのレコーディングは、公の目を避けて、秘密裏に行われた。セキュリティー上の問題から、楽曲 “Hold My Hand” がネットにリークされてしまった後のことについて、エイコンはインタビューで、彼もマイケルも、それ以降は作品を守ることにいっそう神経を使うようになり、仕事をする場所に関しては特に注意深くなったと話している。

だが、そんな事件が起きても、マイケルは、自分のアートをファンと共有するために、作品を書き、レコーディングしようという新たな情熱に満ちあふれていた。本作に参加しているネフ-U、エディー・カシオ、そしてマイケルが亡くなったときのマネージャーのフランク・ディレオを含めた数名の人々だけが知っていたことだが、マイケルはO2ツアー(このツアーのリハーサル風景が大ヒット映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』にフィーチャーされた)のためにイギリス入りした後も、レコーディングを続けるつもりでいた。

エステートでは、マイケルが制作の途中だった楽曲についての記録をとった後、次のように決定した。彼のアートを正しい方法で完成させるために、マイケルが存命中に信頼を寄せていたプロデューサーやアーティストたちをレコーディングスタジオに集結させ、マイケルのヴィジョンを現実のものとして出現させるために力を貸してもらおうと。彼らは、マイケルの残してくれたメモ、彼の声、そして話し合っていたさまざまなクリエイティブなアイディアの記憶を道しるべとして、それぞれの段階で未完成だったそれぞれの楽曲に改めて着手し、アルバムを完成させたのである。

トラック・リストのうちの3曲は、比較的平凡な風景の中から生まれた。マイケルは、カシオ家という郊外に住む家族と長いあいだの友だちだった。マイケルがニューヨークで定宿にしていたヘルムスリー・パレス・ホテルで、家長のドミニクが支配人の一人として働いていたときにマイケルと知り合い、ドミニクと妻のコニーとの家に、たびたび夕食に招かれていたのだ。彼らの家に招かれたときのマイケルは、スーパースター・アーティストとしての忙しい毎日からしばし解き放たれ、音楽家を志していた一家の二人の息子、エディーとフランクにとっては兄貴的な存在となっていた。

2007年、マイケルは自分の家族と共に、バーゲン・カウンティーのカシオ邸に4ヶ月間滞在した。カシオ邸には、簡単なホームタイプのスタジオがあり、そこで “Breaking News”、“Monster”、“Keep Your Head Up” のためのトラックは録音された。マイケルの元マネージャーのフランク・ディレオは、そこで仕事中のマイケルと数回電話で話したと証言しており、マイケルは「興奮して嬉しそうだったし、生まれつつある音楽に関しても大変満足していた」と語っている。

このときに録音された歌は、いわゆる「ガイド・ヴォーカル」、またはデモだったのかもしれない。しかしその事実は、この歌の品質あるいは信憑性に、少しの暗い影も落とすものではない。実際に、”Monster” が今回のアルバム『MICHAEL』に収録される予定だと発表されると、50セント(カーティス・ジャクソン)が、この曲に関しては、マイケルから直接連絡を受け、コラボを依頼されていたと名乗り出たほどだ。アルバムのトラック・リストが公に発表になったその日、50セントはツイッターを通じてファンに向けてこうつぶやいている。「この曲をやらないかという誘いは、マイケルから生前にもらっていた。これは最大のヒットになるに違いない。このアイディアはすべて彼のものだ」と。

テディー・ライリーの場合も同様だった。1991年以降、マイケルと一緒にDangerous、 HIStory、The Addams Family Values、Invincibleなどの制作に深く関わってきたライリーは、マイケルの仕事の手法を知り尽くしていた。彼は『MICHAEL』を完成させるプロジェクトに関わり、カシオ邸での3作中の2作 ”Monster” と “Breaking News” のプロデュースを手がけることを決心する前に、もとの音楽を聞いている。そしてその時に、確かにこれは自分がよく知る友人の声であると確信し、いつもマイケルのプロジェクトで自分がやっている仕事をやったのだった。マイケルは、親しみを込めてライリーのことをこんなふうに呼んでいた、「ザ・フィニッシャー」と。

本アルバムでは、そのなかの作品の多くが、新しいインスピレーションや、マイケルが一緒に仕事をしたいと望んだ何人かの現代のアーティストたちとの共同作業に由来しているが、同時に“正しい「居場所」を見つけるまで、時を越えて待っていた楽曲”もある。『MICHAEL』に収められた楽曲のうちの2曲、“Much Too Soon” と “Behind the Mask” は、そんな曲だ。マイケルは、これらの曲のために、ふさわしい安住の地を長いあいだ探していた。そして今回、この楽曲を仕上げる作業に手を貸すと名乗りを挙げたのは、昨年、非常に高い評価を得たドキュメンタリー映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の公開と同時に発表されたシングル “This Is It” のプロデューサーで、エステートの共同執行人の一人でもあるジョン・マクレーンだった。“Much Too Soon” は 『スリラー』の時代に書かれたものだが、マイケルはこの曲を収めるにふさわしいアルバムを今まで見つけられないでいた。“Behind the Mask” に関しても、そのもともとの歴史は同じく80年代の『スリラー』制作期にまでさかのぼる。マイケルが、イエロー・マジック・オーケストラによって演奏されたこの曲を聴き、それに合わせて作詞してもいいだろうかと、坂本龍一に連絡を取っていたものだった。

3曲の「信憑性」について

   ニュージャージーのカシオ邸でマイケルが録音した3曲のうちの1曲 “Breaking News” が一般公開されるやいなや、この楽曲たちの「信憑性」に対する議論が持ち上がった。これがきっかけとなり、さまざまな人々が次々と突拍子もない「自説」を唱え始め、いたずらに注目を集めたい輩からは、壮大なる陰謀説も出る始末となった。あるロンドンのタブロイド紙は、イタリアのマイケルのそっくりさんタレントの証言による、次のような“「事実」”を掲載した。「僕が思うには、もしかしたらこれらのトラックはスイスのスタジオで、極秘で僕が録音したものかもしれない。これはたしか、バーレーンからやってきたある男にレコーディングの報酬として1曲あたり2000ユーロで話を持ちかけられた時のものではないか。」

マイケルのレガシーを守ることの大切さと、マイケルがファンを思う気持ちがどれほど重たかったかを深く承知しているマイケル・ジャクソン・エステート、そしてソニー・ミュージック(US)の両者は、これらの楽曲がアルバムに含まれることを発表する以前に、長大な調査を展開し、その信憑性を確認している。エステートの顧問弁護士であるハワード・ワイツマンは次のような詳細な手紙を書き、マイケルのファンたちに回覧してもらっている:

● この30年間以上の歳月にわたって、マイケルと一緒に仕事をしてきたプロデューサー、そしてエンジニアたち – ブルース・スウェディエン、マット・フォージャー、スチュワート・ブローリー、マイケル・プリンス、ドクター・フリーズ、そしてテディー・ライリーの6人が、今回のマイケルのカシオ邸トラックに関する信憑性の問題が提起された後、そのもともとの生の音声を聞くために集められた。そして全員が、このヴォーカルの声は間違いなくマイケルのものであると断言した。

● 20年以上にもわたり、マイケルのいくつものヒット曲において音楽監督、ピアノ伴奏者を務めてきたグレッグ・フィリンゲインズは、本アルバム用にプロデュースされる際のカシオ邸トラックのなかの1曲でピアノを弾いているが、これは間違いなくマイケル本人の声だと述べている。

● 20年以上も、マイケルのソロ・ツアー(O2コンサート・ツアーも含む)でヴォーカル・ディレクターを務めてきたドリアン・ホリーは、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』にも出演しているが、彼もカシオ邸で録音されたトラックを聞き、そのリード・ボーカルはマイケル・ジャクソンに間違いないと話した。

● Bad、Thriller、Off The Wall、Dangerous、Invincible、HIStory、Blood On The Dance Floorなどのレコーディングに実際に参加した、そして/またはマイケルのツアーで一緒に仕事をしたエンジニア、プロデューサー、そしてミュージシャンたち全員がこの音楽を聞き、一人残らず、カシオ邸で録音されたトラックのリード・ヴォーカルはマイケル・ジャクソンに間違いないと確信していると話した。

● 法医学の分野でも活躍する、アメリカで最も著名な二人の音楽学者が、それぞれに音声解析を利用してこれらのトラックを分析したところ、二人ともが、このリード・ヴォーカルはマイケル・ジャクソンに間違いないと報告した。

● マイケルの音楽家としてのキャリアにおいて、たいへん重要な役割を果たした2人のアメリカの音楽界の超有名人にこの音楽を聞いてもらったところ、二人ともこのリード・ヴォーカルはマイケルに間違いないと証言した。

結論として、ソニー・ミュージック(US)は次のように述べている: 「我々は、我々の行った調査の結果に100%の自信を持っている。同時に、当時マイケルと一緒にスタジオにいた人々の話は信頼できるものであるとも確信している。よって、この新しいアルバムのヴォーカルは、彼本人のものであることに間違いはないと断言する」 かくして、このアルバムはマスタリングされ、リリースに向けての準備が進められた。カヴァーを飾るアートワークには、アーティスト、カディール・ネルソンによる画が選ばれた。このアートワークは、マイケルの人生、そして音楽家としてのキャリアを絵物語として語ってくれるもので、彼に影響を与えた出来事や人々のイメージも描き込まれている。

最後に

   マイケルがこの世に置いて行ってしまった莫大な宝物、このほかの素晴らしいトラックたちの運命はどうなるのだろうか? ひとまず、エステート、そしてソニー・ミュージックの目の前にあったゴールは、マイケルが好んで取り入れた新しいクリエィティヴなサウンドとヴィンテージ・サウンドとを組み合わせるという手法に沿って、最良のトラックの組み合わせを考え、マイケルが作ろうとしていたこのアルバムを完成させることだった。今は、この後のプロジェクトについて発表するには早すぎるが、ひとつだけ確実に言えることがある。それは、マイケルがファンたちをどれほど大切にしていたかということを重く受け止め、今後の作品の選択、リリースも、マイケルのレガシーにふさわしい、最良の方法で行われるということである。

【本国資料より対訳】
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