LSK...The Fruit Of Many Roots

...僕はたくさんのルーツが集まって実った果実なんだ。
そう、僕の音楽は僕から搾ってできる、"100%オーガニック・ミックス・ジュース"みたいなもの...

リー・スティーヴン・ケニー(LEIGH STEPHEN KENNY)が初めて音楽的な経験をしたのは彼が7歳の時。彼の母親がステレオであるカセットをかけ、部屋中彼をぐるぐる回したのだった。「あの時のことを考えると今でもめまいがするんだ」とLEIGHが言う。何の曲だったかって?それはマイケル・ジャクソンの「今夜はドンド・ストップ」さ。

イングランド南東端のケント州に住む幼い少年は、それがどんな音楽だったのかは見当もつかなかった。唯一彼にわかったことは、それを聴いて彼がどう感じたか、であった。後に彼が母親から聴いたところによると、まだよちよち歩きの頃に彼はスレイドのレコードに合わせて歌っていたそうだ。そして彼は今もそのレコードが好きだと言う。彼は、自分の音楽がオープン・マインドなのは母親からの影響によるところが大きい、という。「彼女は混合人種だったから、一つのスタイルや音楽に入れ込む、ってことが無かったんだ。」

LSKのデビュー・アルバムである『モザイク』は、彼が生まれ持った個人主義そして折衷主義の本能を反映している。ロックやソウル、ヒップホップ、そしてレゲエからの影響を受けた、ユニークな曲の集大成。そしてこのアルバムはブリティッシュ・ミュージックに一際目立つ新しい声の登場を記録することになるだろう。 また彼は、マルコム・マクラーレンの「バッファロー・ギャルズ」をいかに気に入っていたかを覚えている。そして、音楽もさることながら、そのグラフィティ・アートをも非常に好んでいた、と彼は明かす。
・・・彼自身が才能あるアーティストでもあり、アートワークも自分で手掛けているのだ・・・
しかしラップは物語のほんの一部分にしかすぎない。彼に影響を与えたのはニック・ドレイク、プリンス、そしてバリントン・リーヴィまでと実に幅広い。

耳に残る印象的なUK 1stシングル「ヘイト・オア・ラヴ」でヴォーカルとして加わっているのは、彼の姉か妹(現在どちらかを調査中)のリアナ(Rhianna)である。そんなこともあってか、この曲は兄妹関係の複雑さや矛盾についてがテーマである。アルバム『モザイク』の中でリーの個人的な経験や生い立ちについて書かれた曲はこれだけではない。例えば"ルーツ"という曲の中では、彼は自分の文化的アイデンティティーについての意識を探る。変わっているのは、リーがティーンネージャーになって初めて、自分の母親が多人種が混ざった血統であることに気がついたということ。

「たくさんのルーツが集まって実った果実が自分なんだ」と彼は説明する。「カナダ、フランス、アイルランド、スコットランド、ユダヤ、それに黒人の血を引いている。お爺さんは確かキューバ人だったと思った。黒人でも白人でもない、だからアルバムのタイトルは”モザイク”にしたんだ。少しづつのものが集まってより大きな絵を作り上げる-それは音楽の成り立ちと同じなんだよ。目を覚ませ、自分みたいな人間 が世の中にはごまんと居るんだ、って言ってるんだよ。」

音楽がネガティヴな感情を払い去ってくれる、と彼は言う。「自分が感じていることを表現することができるなんて恵まれていると思うし、それが自分にはいいセラピーなんだ。お陰で救われたよ。暗い音楽を作るのは簡単だけど、自分はそうじゃなくてもっと美しいものを作ろうと思うんだ。そういったネガティヴな感情を愛で打ちまかすようにしているんだよ。」

LSK
Leigh Stephen Kenny
Love, Soul, Kindness
Leonine Sun Kindred