BRUCESPRINGSTEEN

「マジック」楽曲解説

1. Radio Nowhere / レディオ・ノーウェア
アルバムのイメージを象徴しているストレートなハイ・エナジー・ロック!リフのきいたギターが全面にでていて、ギターやベースの音のゴリゴリ感がこれまでの彼らのサウンドと違う新しいアプローチ。
今のロック・ファンへ向けても確実に突き刺さるパワフルなサウンド、力強いメッセージ。

“これは本当にアンセム(賛歌)だ。もしこの曲で君が座席から立ち上がらなかったら、何の曲で立ち上がるのか僕にはわからないな” (ジョン・ランダウ)

“ストレート・アヘッドなロックだね。ここ数年の彼の曲の中では一番ストレートだと思う”(ブレンダン・オブライエン)

2. You'll Be Comin' Down / ユール・ビー・カミン・ダウン
王道のアメリカン・ロック。ずっしりとしたリズム、メジャー・コード全開のパワフル・ロック・ナンバー。12弦ギターの響きはアルバム『THE RIVER』に近い。分厚いクラレンスのサックス・ソロにも感動!

3. Livin' in the Future / リヴィン・イン・ザ・フューチャー
『明日なき暴走』の「凍てついた十番街」などにも通じる、たぶん今までのファンが聞けば一番興奮する曲。最後の“NA NA NA...”のところではきっとライヴで大合唱。ラストの転調してクラレンスのサックスが入るところなどは背筋がゾクゾク。これぞたまらないEストリート・バンドのサウンドの復活。これをかつてのファンが聴いてくれれば、最近ブルースを聞いてなくても必ずアルバムを欲しくなるはず。

“「ハングリー・ハート」に先祖がえりしているR&B” (ブレンダン・オブライエン)

4. Your Own Worst Enemy / ユア・オウン・ワースト・エナミー
これまでのブルースにはなかったようなポップなフィーリング溢れる美しいメロディ。フィル・スペクター的なアレンジ、キラキラしたサウンド、そして全体を包み込む美しいコーラスとストリングス。

5. Gypsy Biker / ジプシー・バイカー
遠くで聴こえるブルース・ハープ、力強いアコースティック・ギターのカッティング、そしてEストリート・バンド・サウンドへ突入!途中、切り込んでくるようなパワフルなギター・ソロがシビれます

6. Girls in Their Summer Clothes / ガールズ・イン・ゼア・サマー・クローズ
初期のレコードに通じるロマンティックな感覚が満ち溢れ、かつ”優しさ”を感じる名曲。聴き終わったあと、きっと最後のLA LA LA...のところが頭の中でリフレインするはず。この曲を聴きながら想像してみてください。行ったことはないかもしれないけど、みなさんの頭の中できっと夏の日のアズベリー・パークの海岸の光景が浮かんできますよ!

“Eストリート・バンドのサウンドに(ビーチ・ボーイズの)『ペット・サウンズ』的なフィーリングを少し織り交ぜたもの“ (ジョン・ランダウ)

7. I'll Work for Your Love / アイル・ワーク・フォー・ユア・ラヴ
あまりにもPOP!イントロのキラキラしたピアノの音だけでノックアウト!そしてベース音がド・シ・ラ・ソ…と降りていく名曲のコード進行。2007年版「ボビー・ジーン」(『BORN IN THE USA』収録)ともいえる雰囲気!

8. Magic / マジック
アルバム・タイトル・トラックは、憂いのあるメロディに、どこか郷愁を誘うメランコリックなナンバー。

9. Last to Die / ラスト・トゥ・ダイ
『闇に吠える街』あたりを彷彿させるブルースお得意のマイナー調のロック・ナンバー。

10. Long Walk Home / ロング・ウォーク・ホーム
E St.Bandのテーマ曲「Land Of Hope And Dreams」を彷彿させる名曲。間違った道を随分進んでしまったアメリカが元の場所に戻るための「長く歩まねばならない道のり」ということを歌っているのかもしれない。ライヴの中でも重要な位置におかれる曲と思われる。ラストはまさにブルースの真骨頂の渾身のギター。もうちょっとクラレンスのサックスを聴いていたいとみんな思うはず...。

“アルバムの内容をまとめているような曲なんだ。僕はブルースの偉大な名曲のひとつだと思う“ (ジョン・ランダウ)

“彼が長年やってきた中でも最高傑作のひとつ。悲しげでいて希望も感じさせる曲だ。 心の琴線にグッとくる“ (ブレンダン・オブライエン)

11. Devil's Arcade / デヴィルズ・アーケイド
冒頭がボブ・ディランの『ブロンド・オン・ブロンド』の「ローランドの悲しい目の乙女」を思い起こさせる。アルバムのラストを締める、ブルースのヴォーカルは押さえた感じで静かに切々と、しかし心の底から湧き上がってくる魂の叫びのような重みを感じる。

“アルバム中政治に深く斬り込んでいる数少ない曲のひとつ。彼のパワフルな楽曲からはあるイメージが得られるだろうし、ルーツを確実に彷彿とさせるものだけど、バランス的には(政治は)この作品で一番主張したいことではないんだ“ (ジョン・ランダウ)

(12曲目はSecret Trackですが、7月に亡くなったブルースのパーソナルアシスタントでもあったテリー・マゴヴァーンに捧げた曲で、お葬式前日に書き下ろし8月2日の当日ブルース自ら歌ったそうで〈Terry's Song〉という曲名になってます。いつも一緒にいたテリーへのレクイエム。いい話です。)
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