あらすじ
上野和馬はがんを患い、治療の甲斐なく余命半年と宣言された元報道カメラマン。死は受け入れているつもりだが、生きる希望を捨てきれない自分自身との葛藤が辛い。
残りの余生を懐かしい故郷で過ごしたいと、和馬は東京から里に戻り、同級生だった医師が勤務するホスピスに入院する。そんな彼の元に、中学時代の同級生たちが見舞いに訪れ、和馬と自分の思い出を語りはじめた。
ところが和馬にはどうしても思い出せないシーンがある。夢の中に出てくる、おぼろげな少女のシルエット。
同級生たちによると、どうやら和馬と親密な関係にあった転校生だと言うのだが。
和馬は自らの記憶を呼び覚ますべく、妻・由紀子の協力を得て、故郷の風景と友人たちのスナップを散りばめた最後の写真集を撮りあげることを決意する…。