「僕、漫画が大好きでよく読むんです。『NARUTO』もそうでしたけど、今回の『宇宙兄弟』も原作の漫画をかなり初期の頃から読み込んでいて。だから、作品への思い入れもたっぷりあるんですけど。ただ、だからといって作品に寄り添って書いたというわけではなくて。自分がずっと感じてきた『宇宙兄弟』の中の大事なポイントがあって、それだけを集中的に意識して、あとはいつも通りに今の自分が書きたいものを書いていったのがこの「HALO」という曲です。あの作品で描かれている『宇宙に行きたい』っていうシンプルな気持ちって、僕らが抱えている『音楽をやりたい』って気持ちとすごく似ているような気がしていて。もちろん、自分は音楽がやりたくて音楽をやっているわけですけど、それ以上に、そこには何かに取り憑かれているような感覚があって。それは、使命感っていうのともちょっと違って。何か言葉にはできないものに突き動かされている感じがいつもしてるんです。この曲では、その何かを解き明かしていくのではなく、その取り憑かれてしまっているという事実を丹念に言葉にしていきたかったんです」
それは、例えばこんな一節にしたためられている。
《僅かな光に似た希望が 君の細胞に絡まった日から 一向に離れない それだけ》
「HALO」という言葉には「後光」という意味がある。これはtacicaの音楽を特別なものにしている、その「後光」についての歌なのかもしれない。
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