セルフ・ライナー・ノーツ by tetsuhiko M-01「Sweet Noodle Pop」 一人きりの夜も僕は良いことを考える。 そして出来上がった音楽が一人でも多くの人を Happyに出来ると嬉しい。 この楽曲はlittle by littleのテーマともいえる作品となった。 サビあたりのサウンドの盛り上がりはスマッシングパンプキンズあたりの影響。 M-02「Just Like Eating Cheese」 1度決めた事に後悔をしないのはやっぱり女の子だと思う。 どんなに切ないことがあって泣いても女の子はお腹が減ったらちゃんと食べる事が出来るたくましい生き物。 少しは見習わないと、と思う。 この曲は僕の大好きなStrawberry Switch Bladeの「Since Yesterday」張りに2つのメロディーが同時にサビ上を走るトリッキーな構成にした。 でもサウンドはblink-182やBUSTED風を目指す。 今明かすとハミングバードとシングルの座を争った曲。 コーラスには僕がソングライターとして関わっている絡みもあって『K』に来て頂いた。 M-03「CLOSER」 ブルペンの隅で肩を作る押さえのピッチャー(CLOSER)がいる。 自分の出番があるかどうか分からずにそれでも汗をかいて肩を作っている。 試合に出場出来なくても彼の戦いは試合が終わるまで続く。 そんな押さえのピッチャーとlittle by littleを重ねてみたりした。 ボーカルのレコーディングはhidecoの自宅で、hideco自身によるもの。 ディレクター入らず。良い歌。 M-04「悲しみをやさしさに」 【テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-」オープニングテーマ】 涙の数だけ強くなれるかどうかは知らないがとても悲しい現実を受け入れられた時前より少しだけやさしくなれるような気がする。 上手く生きていく為に誰かの真似をしてみたりしてもやっぱり上手く出来ないんだよね。 自分には分からない自分らしさでやっていくしかないと思う今日この頃。 M-05「ケチャップ」 デビュー前からあった楽曲のひとつ。 どんなに悲しいことがあってもどんなに打ちのめされても心の中は絶対に空っぽにはならない。 冷蔵庫の中に赤いケチャップがあるように。 M-06「雨上がりの急な坂道」 【TBS系ドラマ 愛の劇場「大好き!五つ子6」主題歌】 夏休みが終わって新学期を迎える日、たいてい僕は自分の席すら忘れていて、たった1ヶ月ほどしか経っていないのに妙に懐かしい気持ちで友達と顔を合わせていた。友達の何人かはあきらかに夏休み前と印象がガラリと変わっていて、別人のように 大人びて見えて、自分だけが取り残されてしまった感じがして焦っていた。 クラブ活動で夏の間中必死だった連中や、バイトを頑張った連中、旅に出かけた奴もいただろう。たった1ヶ月の間とはいえ、確実に普段とは違う生活の中で自分を成長させていたのだ。それまでの学校生活でのルールが必要のない、または通用しない場所で自分たちなりに何かを見つけてきた証が、きっと大人びて見えるということだったのだと思う。気になっていた彼女ももちろん綺麗!に変身していてうっとりした僕だったが、ちょっと切ないかな、夏の魔法。 社会人(まあ僕はあんまり意識してない)になってからは、円周率も徳川家康もフレミングも何の役にも立ってないけれど、巡り来る短い夏をどう過ごすかは何年経っても僕の中では大きなテーマなのだ。今だってあの教室の窓際に座って、空の向こうへ飛んでいく雲や、凄いスピードで綺麗になっていく彼女をなす術もなく見ていたあの日の自分に勝ちたいのだ。1戦1戦、強くなっていく高校球児のように。。。夏の間、僕らlittle by littleもみんなも 雨上がりの急な坂道を懸命に上って、その先に何があるか、何を変えられたか、見てみよう。そして、少し大人びたその横顔でまたここで会おう! かかって来いっ!Summer Days。 M-07「僕はサテライト」 この曲をレコーディングしながら僕は渋谷の路上ライブを思い出していた。 夜8時から終電が終わるぐらいまで何度も何度も演奏した。 アコギと電池で動くキーボードとそしてマイクを使わないhidecoの歌声が西武百貨店の壁に溶けていた頃はもう何年前かな? デモテープのオリジナルアレンジはもっとインディーな匂いがしたが今回はジョンメイヤー風で収録した。 59年モノのギターアンプは最高の音がした。 M-08 Ninja Kids」 アルバム用に唯一トラックダウンをやり直した曲。 普通はシングル曲をトラックダウンし直したりする所なんだろうけど。 デビュー前、原宿のRUIDOでこの曲を歌いながらhidecoがステージで刀を振り回していたのを思い出す。 M-09「シンクロ」 本当の事を言うとこの曲がlittle by littleの中でもっともlittle by liittleらしく お気に入りの曲なのかもしれない。 M-10「dept」 ギター以外はhidecoの声のみ。 M-11「LOVE & PEACE」 【テレビ東京系アニメ「SDガンダムフォース」オープニングテーマ】。 テレビの中には世界中のあちこちで起こる争いごとが溢れている。遠い国の出来事だったりすると僕は傍観者になってその日のニュースとしてとらえてしまう。何にも出来ないくせに、「何か俺にも出来ることあるかな?」なんて思っても結局すぐチャンネルが切り替わってしまう自分にいつもがっかりするのだ。で、僕は考えた。『すぐ隣にいる人や、偶然かもしれないけれど出逢った人たちを大事に思う気持ちを忘れないでいよう、そして僕が関わることで、誰かを“ちょっとHAPPY!”な気分にさせたいっ!』きっとこれが僕なりの答え、『LOVE & PEACE』なのだと。とてもちっちゃいけど、そんなふうに考える人が_街中に溢れたら、少しづつ“HAPPY”は増えていくはずだ。「愛と平和」について難しい言葉を並べて、お説教じみたことを押しつけるつもりもないし、わかったようなふりをして愛を叫ぶつもりも僕にはない。ここにあるのは、出来上がったばかりのlittle by littleのニューシングル、それが『 LOVE & PEACE』。 レコーディングこぼれ話し。この『LOVE & PEACE』に関わってくれた演奏者はなんと総勢28人!一生懸命歌ってくれた子供たちや手を叩いて地面を蹴るマネージャー!までたくさんの愛情に包まれて出来上がった。ちなみに僕は真夜中にガス管のようなホースを真剣に口にくわえて、モゴモゴ(♪Love & Peace〜♪!)言ってたりするけど。 間奏で聞こえてくる笑ましい声に混じって出てくる謎の大人声は集中力の切れた子供たちを必死で引率しようとしている little by littleのA&R、○ちゃん。セリフは『じゃあ、もぅ一回やってみますか〜〜』(笑) M-12「home town」 今思えばこの曲をアルバムに収録して良かったと思う。 マスタリングチェックで並べて聴いた時個人的にはとても印象に残ってしまった。 シングル悲しみをやさしさにのカップリング曲であったこの曲は当時もセルフライナーノーツで書いた通り歌詞を考える時にhidecoに色んな事をリサーチして作ったのだ。 おそらく今でも等身大のhidecoがここにいる。 little by little Supporters Siteの人気曲投票ではシンクロに続き第2位。 M-13「ハミングバード」 【テレビ東京系アニメ「焼きたて!! ジャぱん」エンディングテーマ】 little by littleは決して「がんばれ!がんばれ!」と誰かをあおり立てる音楽ではない。 この曲のテーマはもともとアンデルセンの「みにくいあひるの子」をモチーフに僕は書き始めた。 みにくいあひるの子ではご存じ自分だけ色が違うことでいじめられたあひるの子(本当は白鳥の子)が最後は白鳥となって大空を飛んでいくというストーリーだが僕は別のストーリーを組み立ててみた。 翼があるがゆえに飛ばなければいけないという使命感や義務感を捨てたらもっと自分らしくなれる人もたくさんいるんじゃないかということに僕は気がついた。 白鳥になって飛び立たなくても歌う鳥になれたら、それもひとつの生き方だと認めてあげる事がこの曲の大きなテーマである。 殻に閉じこもってしまっている誰かを励ますのは外からその殻を叩くのではなく見守ってあげるのも大事なことなんだよね。ひとりじゃないよ! M-14「アストロドッグ」 僕はよく秋葉や新宿にある中古専門のパソコンショップへ足を運ぶ。 そしていつもJUNKな(買ってみないと動くかどうかわからない)部品を物色するのだ。 そんなある日、店先のショーケースに飾られた犬型のロボットと目が合った。汚れているせいか、値段も格安で展示してあった。お坐りしたまま、片手を挙げて、淋しそうに笑っていたのだ。 ロボットとはいえ、ペットとしてきっと飼い主の心の隙間を癒してくれた時間はあったはずだ。 僕も不要になった楽器やパソコンは売ったことは何度もあるが、出来れば全部手元に置いておきたかったが、次から次へと新しく便利なモノが登場して僕の気をひいてしまうのだ。そして古いモノを捨ててゆく。人の生活を豊かにするテクノロジーの進歩は素晴らしいが、全部が全部そうではない。小遣いを必死で貯めて買ったモノ、大事な人からもらったモノなど。人の心を満たしてくれるのは、間違いなく、テクノロジーだけではないのだ。 M-15「開国ロック」 秋葉原のガード下にある焼き鳥屋にhidecoと行ったとき僕が飲み干したラムネの瓶からhidecoがいとも簡単にビー玉を取り出したのを見て僕は相当ショックだった。 子供の頃から割らないと取り出せないと思っていたビー玉が手のひらに乗った瞬間 この開国ロックのテーマを見つけた。 思わずレコーディングでも実際にラムネを開ける音を生で収録した。 Album 「Sweet Noodle Pop」の最後の曲はこの開国ロックにしようとその瞬間から決めていたのかも。。。 何年たっても胸を張れるlittle by little 1st album 「Sweet Noodle Pop」ここに完成。
tetsuhiko
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