皆さん、こんにちは!
さて、今回のフロムイチヤンは前回お約束した通り、香ちゃんの魅力をいろんな方に語って頂こうと勝手に企画致しましたが、栄えあるトップバッターは……鎌田雅人さんで〜〜〜す!!どーぞ!!

香ちゃんとの初めての出会いは、2000年4月初頭でした。
実は僕がやっていたバンド「water」のマネージャーが、元プリプリのチーフマネージャーの市やんだったのです。その市やん(現、香ちゃんのマネージャー)が引き合わせてくれたのでした。
ある晴れた午後、僕は下北沢の自宅付近のナイスな雑貨屋で、ナイスなヤカンを物色していました。
そこに市やんから電話。
「なんだよ、ファンクラブの会報の原稿が遅れてる!って怒られんのかなー」などと思って

「ふあーい、すんまそーん!たった今、書いてたとこだよー」

と、しゃーしゃーと電話に出ました。

市やん「あ、あ、あ、あ、あのさー、か、香ちゃんに替わるねー(汗)」

俺  「へ?ちょっと!いきなり、やめてよ!!!」

店内でヤカンを握り締めながら、香ちゃんと生トークがおっぱじまりました。

香ちゃん「初めまして、奥居です」

俺   「おっ、おっ、おり、おりひっ!おれ、あ、ぼぼぼぼ、ぼきっ、僕、ファンです!高校のときコピーバンドしてました」

って茨城弁まじりで告白しました。
香ちゃんはその時、MANDALAライブのために、とある由緒あるヴィンテージの鍵盤「○○」を所持している割と身近なキーボーディストを、市やんに紹介してもらおうと考えていたようです。とてもかさばるし、買うほどではなかったんでしょうね。
ワタクシ確かに持っていたんですが、当時は金に困って売っぱらってしまった直後だったのです。置き場所もなかったのです(風呂なしアパートに住んでるくらいでしたし)。
期待に応えられなくて残念だったんですが、千載一遇のチャンスをモノにするためには(香ちゃんに会うためには)こちらも必死です。食い下がりました。

俺「○○は売ってしまいましたが、●●という○○の音が出る最新の鍵盤を所持しています!それをぜひっ、ぜひにっ!」

そしたら、

香ちゃん「じゃあ、その●●を貸してください、そうだ、じゃ、本番ちょっと弾いてくださいよ!」

俺「まままままま、まじっすかっ!!」

香ちゃん「じゃあ、市やんに変わりますね!」

ということになりました。
ふっふっふ、やたっ!我が事成れりっ!
実は、その鍵盤には・・・・テレビ朝日で「ミュージックステーション」に出たときにもらったデッカイ「ドラえもんシール」をべったりと貼っていたのです。30センチ×30センチくらいの。waterファンにも大不評でした。
香ちゃんが弾くならば!と、すぐに、シール剥がしの液体を買ってきて、下敷きや定規で剥がしました。
でも一番いいのは爪です。ま、それはどうでもいいんですが・・・
数日後・・・・当時の僕の所属事務所の会議室に、憧れの香ちゃんがやってきました。
今まで、さんざん有名人といわれる方々とお会いしたり、共演したりしてきましたが、オクイカオリだけはやはり特別です(敢えて敬称つけない感じ)
めちゃくちゃ緊張しました。
意外と女性からは嫌われる男の装い、わたくしは、ロック魂全開で全身黒の皮づくしライダースで臨みました(笑)
その会議室に市やんがコーヒーを持ってきてくれました。
即座に香ちゃんは

(香ちゃん)「ねー、市やーん、これからビール飲みに行くっていうのに、どうしてコーヒーがでてくるの?」

(市やん)「え?ま、、一応さ!」

なんていうやり取りを聞きながら、ワタクシ紹介されました。そして「ビール飲みにいくんだ、ラッキー☆」
と喜んでいました。
会議室に僕の●●はセッティングしておきましたが、香ちゃんが弾いたのは、ものの2分だったと思います。
香ちゃんが俺の鍵盤を弾いてるというだけで感動いたしましたよ。当然、鍵盤は磨きまくっておきました。
きっと今は磨きません、なんつったら香ちゃん怒るかな。。
そして、いよいよその後、8時間ぐらい恵比寿で飲みました。途中、五朗さんも合流したと思います。
「ストリングスのスコアリング」「バートバカラックやポールマッカートニーの素晴らしさ」「ギターのオープンテューニング」「複雑なコード進行」などマニアックな話もしました。
「ただの歌い手さんじゃない。音楽家なんだ、香ちゃんて!」
と、その造詣の深さに感激しました。
また数日後、マネージャーを通じて電話がありました。香ちゃんのスタジオに突然呼び出されることになったのです。僕はその日、家でゴロゴロしてました。

「今、オノちゃん(ギターの尾上サトシさん)とリハ(リハーサル)してるから、今から来ない?」

もちろん喜んで、ほいほい出かけました。
突然だけどなんかやろう!って事になって、俺が高校のときに300億万五千兆飛んで2百千万億回くらい聴いた、プリプリの「Here We Are」から「Keep On Lovin’ You」をリクエストして、俺のアドリブピアノとセッションしました。
夢のような体験でした。そんでどうやら、酒飲み相手だけでなくミュージシャンとしても気に入られたようでした。いやあ、弾きながら「うわー本物だっ!」って思いました。
そんでそのまま、また飲みに行きました。
その日は、尾上サトシさんと向かい合って飲んでました。俺の隣に香ちゃんがいて、男同士喧嘩を始めないか心配だったかもしれません(笑)

(尾上サトシさん)「鎌田くんは、どんなミュージシャンに影響されたの?」
って聞いてきました。

僕が答える前に・・・・香ちゃんは、自分で照れくさそうに自分を指差して「あたし、あたし」って合図していたのが可愛かったと、後に尾上サトシさんが言っていました^^
たぶん、香ちゃんも嬉しかったんだと思います。
「自分を好きだった&自分たちに音楽的に影響された人間で、プロミュージシャンがいるんだ!」という感覚は、音楽家として嬉しいことだと思うんですなあ。
その後は、なんとなくタメ口になっていき、ライブも重ねて、CM音楽のお手伝いしたり、今回はアルバムをプロデュースさせていただく運びとなり、感慨深いのです。
そして、MANDALAライブで一緒だったミュージシャンである、尾上サトシさん(Guitar)や朝倉真司くん(Perc)や河合マイケルさん(Perc)とは、本当に仲よくなりました。
サトシさんや朝ちゃんとは他のアーティストでも数え切れないぐらい共演したり、一緒にレコーディングしたりしています。プライベートでもよく飲んでいます。
香ちゃんは、なんかこう人間と人間を引き合わせる力があるというか、紹介するのが上手というか、楽しいことになるようにもっていく力があるというか、他人を素直に認めるパワーがあるというか、これも才能なんでしょうね。あと、香ちゃんは飲むことを「親睦する」と堅めに表現します。

「ねー、鎌ちーん、今日さー、どうする?親睦する?」
「ねー、昨日の親睦会の後、オノちゃんと、また親睦してたでしょ!親睦好きだねー!」
「おつかれさまー、はい親睦親睦!急いで!」
「どうしてこれから親睦会だっていうのに、コーヒーなんか飲んでるの?」

面白いニュアンスの女性ですね。
長々と読んでいただきありがとうございました。アルバムたくさん聴いてくださいね。またいずれ曲解説大会でもしましょう。


前回のもみてちょーだい!

(c) Copyright 1999-2006 All Spice Company . All rights reserved.
掲載されている画像、その他すべて、他のホームページ等への転載はできません
"Sony Music Online Japan"