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1999年7月3日、横浜アリーナにてWIRE99が開催された。
日本初10,000万人規模の本格的レイブということで、大勢のWIREを待ち望む人々の期待は開場2時間前から行列を作らせたほど。
当日は大規模なイベントにありがちなスケジュールの遅れもなく、午後8時ジャストに開場。
フロアに入ると、まず目に付くのは中央のタワー。そこから放たれるレーザーがすごい!
目が焼き付くのではないかというくらい、何色もの眩しくてきらきらしたレーザーが、広い(反対側が見えない!!)横浜アリーナの空間いっぱいに大爆発。いやがおうにも期待は盛り上がる。
記念すべき最初のDJはToby (Tokyo/Spiel-Zeug)。

WIREを待ち望んでいたファンと呼応するように、Tobyのプレイはしょっぱなからノリノリなミニマル。

フロアに入ってきてすぐこれだ、これはもう踊るしかない。

Toby惜しむ間もなくファイナルカウントダウン/ヨーロッパ(笑)で登場したのはDMX Krew (London/Rephlex)。

エレクトロからいきなりドラムンベース、APHEX(come to daddyなど)をかけつつノイズへ。あいかわらず侮れないプレイ。
次は、現在注目を集めているTechnasia (Hong Kong-Paris/Technasia)のライブ。

打ち込みとメロウなシンセ、そして不思議(?)なボーカルを組み合わせたパフォーマンスは、期待以上のモノだった。見逃した人は次の機会にぜひチェックしてほしい。
Derrick May (Detroit/Transmat)はアッパーなミニマルをプレイ。

見るもの(聴くもの?)を圧倒させるDJingにみんな踊る踊る。

ただ、次が電気グルーヴのライブだったためか、Derrick Mayを見たいファンはDJブース寄りに、次のライブを見たいファンはLive stage寄りにと人が偏っていたのが印象的。


とはいえ、中央のタワーをはじめ何箇所もプロジェクターやLEDによる巨大なスクリーンが設置され、プリンストンガ(ピエール瀧氏と田中秀幸氏のユニット)のサウンドに素晴らしくマッチしたVJに交え、ライブ・ステージやDJブースを大きく映したりしていたので、ステージから離れているファンも楽しめるようになっていた。
さてさて、お待たせしました、本日のメインイベント!!電気グルーヴのライブ。

本でのライブは久しぶりなためか、ライブ直前はフロアへの通路で踊りながら歩いていたり、ライブ中も一緒に歌ったり、多くのファンが待ち望んでいたのが良く分かる。
ピエール瀧はそんなクラウドに負けないように(?)、ケンタウロスで登場。
「誰だ」や「かっこいいジャンパー」の後には宇宙人(スペースインベーダー)に変身。
最後はMijk van DijkやTobyもリミックスしている名曲「虹」を、シークレットゲスト五島良子が歌い上げ、フロアは興奮のるつぼへ。
その加速を留めることなく、MAYDAYでお馴染のWestBam (Berlin/Low Spirit)が登場。

前半はエレクトロ、後半四打ちミニマルへと一人でドイツ・シーンを代表するかのようなプレイ。
さすがの貫禄に、電気のライブで燃え尽きてフロアから外へ出て休憩する人も多々いる中、黙々と踊りつづける人も多数。
Mijk van Dijk (Berlin/Superstition)のライブが始まると、フロアは再び活気を取り戻した。

女性ボーカルのオペラっぽい曲で始まり、機材の設置してある台に上ったと思いきや、Mijkがマイクを手に歌う、唄う。最初は多少の驚きを伴いつつも、本人のテンションの高さにつられフロアも爆発。
MarmionやMicroglobeといった往年のヒット曲も連発。ライブ時間が短く感じられ、もう少し!!!!!と思ったのは私だけではないだろう。
引き続きTakkyu Ishino (Tokyo/Loopa)のDJが始まる。

ボリュームを小さく絞り曲をスタート、卓球が手でクラウドを煽る。それに反応したクラウドが「ウォー」という歓声をあげ、より大きな反応になったときに、ボリュームアップ!!、フロア爆発。
途中にも何度か煽っていたが、これは卓球氏ならでは。途中、ダードリットラウムやUnderworld等をプレイ。中でも「虹」と「REZ」のロング・ミックスではフロア大爆発。
最後はFumiya Tanaka (Tokyo/Torema)。

卓球から引き続きのプレイではあったものの、一度音を止める。クラウドが手拍子や足拍子をとるなか、勢い良くスピン開始。
フミヤ節とも言えるファンキーなミニマルサウンドに、さすがの長丁場に疲れてきた身体も勝手に動き出す。
ロビーでは、WIREグッズ(Tシャツ、タオル、パスフォルダー、ライターセット、ポスターなど)や、電気グルーヴのTシャツ、LOOPA Tシャツ、CD等が売られ、早速買い求めたTシャツに着替えるファンが続出。あ、ここにも。ほら、あれそーだよね。っていうくらい沢山のファンがWIRE Tシャツや電気グルーヴTシャツを着ていた。
残念ながら7月30日で終わってしまったが、当日会場で購入できなかったファンのために通信販売も行われていた。
ロビーでは各機材メーカーがデモブースを出展。そこがあたかもサブフロアとでもいえるかのように踊る人続出。中に入っても外に出ても盛り上げりっぱなし。

メインフロアの3階は一般席として開放されていて、1万人の人々が踊るのを観ながらゆっくりと座ることができた。
今回は、メインフロア内では飲食を禁止し、指定場所以外も絶対禁煙となっていた。今後WIREをスムーズに行うためのルールだが、良く考えてみれば、ごく最低限のマナーだろう。

パーティやイベントは、制作/運営側だけでなく、楽しみに来るすべての人々の協力なくして成功することはありえない。
また、今回これだけのイベントが日本でも実現可能だということを証明してくれたのだ、楽しむ側も負けてはいられない。その時、その場所にいる一人ひとりがパーティの善し悪しを左右するということを頭に置きつつ、次回の「その時」に頭の中を真っ白にするべく期待しているのは自分だけではないはず。次回のWIRE00が今から楽しみだ。

(C) 1999 Sony Music Entertainment(Japan) Inc.
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