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Wall Of Sound Night
10 April 1998 / At Liquid Room (Tokyo)



4月10日、東京、新宿のリキッドルームで「Wall Of Sound Night」と題されたイベントが行われました。このイベントでは、2月にロンドン、マンチェスターでのライブを大成功のうちに終えたブンブンサテライツが、日本では昨年大晦日以来3カ月ぶりにライブを敢行。DJ陣もMekon、Derek DahlargeというWall Of Soundの看板DJが登場。日本からもTomo Hirata、Hiroshi Morohashi、Captain Funk、そしてShinichiro HirataがBig Noiseをプレイしてくれました。

まず登場したのはHiroshi Morohashi。残念ながらこの時にはまだそれほどフロアが埋っていなかったのですが、彼のプレイはなかなかユニークなものでした。

続いてShinichiro Hirataが登場。2月のブンブンサテライツのUKライブにもDJとして同行した彼だけあって、この日のDJの中でもっともブレークビーツ・シーンの「今」を感じさせるプレイ。UKのブレークビーツ・シーンで今話題のDJ Punk RocやTsunami One、そして本邦初公開(であろう)ブンブンサテライツのリミックスによるGerbageの「Push It」といったトラックが次々に彼のターンテーブルにのぼっていました。


そして午前0時になろうとするころに遂にブンブンサテライツがステージに登場!一曲目はヨーロッパでシングルがリリースされたばかりの「Joyride」。川島のフライングVが吐き出すギターノイズと中野のファットなベースが、彼らのロッキン・ビーツと一体となり、それがまるでオーディエンスを突き刺すよう!それを跳ね返すようにオーディエンスのノリはこの1曲目から超クレージー!!

2曲目は「4 A Moment Of Silence」。東京のクラウドにはもう馴染みといっても過言ではないことが、ここでの更なる盛り上がりで証明される。ライブでのこの曲は川島のヴォーカルがフィーチャーされ、CDで聴く「4 A Moment Of Silence」とはまた異なった魅力を見せつけます。

続く「Dub Me Crazy (ver.02)」は昨年のライブでは1曲目にプレイされていた彼らの代表的トラックだけど、ここではアレンジも少し変更され、新鮮味すら感じるようでした。

そしてラストに演奏されたのは新曲の「Oneness」。ミッド・テンポのこのトラックは常に変化を続けるブンブンサテライツの次のステップを暗示するようなトラック。アップテンポではないのにガシガシに踊れて、「アルバムが待ちきれないゾっ!」と叫んでしまいそうになるほどアッパーにさせるこのノリは、やはりライブを体験しないと分からないんだろうなぁ...。

約40分のブンブンサテライツのステージが終り、DJブースにはTomo Hirataが登場。ブレークビーツをメインにアッパーなトラックを次々とプレイして行き、フロアも大盛り上がり。

そしてMekonがブースに現われるとブース周辺には彼のプレイするトラックをチェックしようとする男の子や、ブースの彼に手をふる女の子らが人垣を作りだす。そのなか、彼はヒップホップのトラックからジワジワとテンションを上げてゆくクールなプレイを披露。AV8などUKで人気のUSレーベルものやUKのAthleticoのもの、それにMekonのトラックもプレイし、本場UKのブレークビーツ・シーンを堪能できるプレイでした。

そしてそのMekonも在籍するWall Of SoundのレジデントDJ、Derek Dahlargeが続いてブースに登場。彼はMekonの後半のノリを引き継いで、アップテンポのトラックと中心にその前半を構成。後半にはディスコ・クラシック系のトラックやEric B & Rakimの名曲「I Know You Got Soul (The Double Trouble[Norman CookがDanny Dと1988年頃に組んでいたユニット] Remix)」などまで飛び出し、シニア・ファンには感涙モノの選曲で実力を誇示していました。

最後に登場したのはCaptain Funkことタツヤ・オオエ。彼もDerekのプレイを引き継ぐが如く、オールド・スクールなノリのトラックを前半は連発。カーティス・ブロウの「おしゃべりカーティス」(って邦題で書くと爆笑モノですが...)など、若いクラウドにはかえって新鮮に聞こえるであろう名曲をはさみながら、彼独得の見事なバランス感覚でのプレイが展開されました。

という感じで金曜日の新宿を大盛り上げさせてくれたこの「Wall Of Sound Night」でしたが、これからまだまだ日本のブレークビーツ・シーンは面白くなって行くなって実感が、このイベントの収穫だったような気がします。

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