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CONCERT

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FRI.14.MARCH.1998

KEN ISHIIおそらく、昨年、一番フロアでヘヴィーローテションされたテクノのトラックは「(Don't) Take More」ではないだろうか?そう言っても過言ではないほど、多くのDJ達とクラウドに愛され続けている「(Don't) Take More」のクリエイター、クリスチャン・ヴォーゲルが初来日!

この「Unsound Concert」は、「Wiggle」というインターネット・ライブ・バンドの次のアルバムをクリスチャン・ヴォーゲルがプロデュースするという好機も重なって実現したそう。そして、共演するのも、ケンイシイ(当初はボアダムズのヤマタカアイが参加する予定だったが、事故の為に不参加だった。残念。)というゴージャスなメンツ。クリスチャンの主宰する音楽制作&アート制作集団「No Future」のメンバー、「Scandinavia」のニール・ランドストラムとトビアス・シュミットも期を同じくして来日していたことも相まって、このパーティのあった週の東京はテクノ・ファンにとって、非常にエキサイティングであったことだろう。


CRISTIAN VOGELさて当日の「Unsound Concert」はケンイシイのプレイでスタート。ブレイクビーツ、ビッグ・ビート、そしてテクノといった、バラエティに溢れるプレイで、のっけからクラウドを盛り上げていたのが印象的だ。こういった様々なジャンルの幅広い、フリースタイルな選曲は、今や彼のDJスタイルという感もある。

クリスチャン・ヴォーゲルは、トラックをプレイしながら、ノードリードのシンセサイザーを使いサウンドを重ねていた。普段からこのスタイルをしている訳でなく、このイベントの為の特別なプレイスタイルだったそう。ダンス・オリエンテッドなプレイを基調にしながらも、エキスペリメンタルな音/フレーズを織りまぜ、フロアを一瞬煙に巻きながらも、時々混ぜられる四つ打ちにハッとさせられる。我々クラウドは完全に彼のサウンドに操られるままでいた。


WIGGLE「Wiggle」のライブ・パフォーマンスは、ハードコアやガバのサウンドに、ステージに置かれた巨大なコイルやインダストリアルなオブジェクトにチェーンソーをぶつけて音を出していくというノイズ・バンド&アート志向のあるものだった。引き続いて、今日の出演者、ケンイシイ、クリスチャン・ヴォーゲル、「Wiggle」による、シンセサイザー&DJプレイといった興味深いセッションが行われた。

ステージに並べられたモニターとシンセサイザー、DJブースとオブジェとの絶妙な空間配置の美しさ。そして、その左右に写し出される2スクリーンのVJー生西による映像のバランス感覚は、終始秀逸なものだったことも付け加えておきたい。

テクノというフィールドの中において、常に実験的であり、前衛的な姿勢の感じられるコアな空気と精神が感じられる力強いイベントだった。こういった精神の中で、テクノにおける新しいサウンドが模索され創造されていくのだろう。


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