R.I.P.- RIDDIM + PHUTURE

DJ KRUSH

SAT.7. MARCH.1998

BREAKDANCE CHAMPIONSHIP THE WINNERパーティ・レポートのスタートを切るのは、ブレイクビーツ、ドラムンベース、アブストラクト・ヒップホップ、トリップホップなどのアーティストが勢ぞろいした「R.I.P.〜RIDDIM+PHUTURE〜」。

パーティは、横浜の海岸沿いにある、隣接したクラブ、「CLUB HEAVEN」と「横浜ベイホール」の二会場、3フロアで構成され、「CLUB HEAVEN」では、DJ KRUSHやTASAKA等、「横浜ベイホール」の「PHUTURE DISCO ROOM」と名付けられたメインホールでは、MAX404のDJ、GLOBAL COMMUCNICATIONによるライブが行われていた。セカンドルームでは、ドラムンベースオンリーのフロアになっており、MOOCHYや、ソニーテクノのNY特集でも紹介したことのあるDJ AKIなどがプレイした。

GOROこのイベントの目玉は来るお客さんによってそれぞれ各自違うだろうが、そのパフォーマンスのクオリティの高さで印象に残ったのは、やはりディジリドゥのGOROと、フォーテックとコラボレーションをしたこともある書道アーティストの小泉東雲のライブペインティング、そしてDJ KRUSHのいぶし銀のような渋いDJアクトだった。GOROがプラスティックで作ったディジリドゥのような自作の楽器を吹き、それに合わせてステージの紙をはったスクリーンいっぱいに小泉がほうきを絵筆として使って、山水画のようなモティーフや漢字を描いていく。そこにKrushがダウンビートの曲をスクラッチをしながらセッションしていく。そして、そのステージスクリーンにプロジェクターで点滅して大きく写し出される「無」という文字。DJ CamやDJ SHADOW、Krush自身のDJ KRUSH「LIGHT」などのスモーキーな選曲。独特の侘び寂びのある空気の重さ。どれをとっても驚愕すべきオリジナルな世界観を確立していたパフォーマンスだった。

ディジリドゥのGOROは、今回も「PHUTURE DISCO ROOM」にも出演していたrub a jazzと共に、6月L5 Recordingsよりアナログepが出されるそうなので、ぜひ期待したいアーティストである。

「横浜ベイホール」のメインフロア「PHUTURE DISCO ROOM」では、MAX404が往年のハウスをプレイしていたり、グローバル・コミュニーケションのメンバーとMAX404のメンバーが入れ代わってライブをしたり、リラックスしたアットホームな空間を作っていたようだ。

DJ AKI FROM N.Y.一番、ダンスフロアとしてヒートしていたのは、「横浜ベイホール」のセカンドフロアだった。中でも、NYを中心に活躍しているDJ AKIのプレイは、ベースのうねりまくるファンキーかつアッパーで人気を集めていたようだ。実際、各界のクリエイターやDJ達が彼のプレイには舌を巻いていた程で、今後、要注目すべきDJだろう。

その他にも、パーキングでは南西兄弟社によるレゲエのセッションとEtchによるグラフィティ・パフォーマンスや、ブレイクダンスチャンピョンシップコンテストが行われており、来たお客さんに様々なストリート文化に触れさせるいい機会を与える事の出来た良いイベントだった。次回の開催にさらに期待したい。

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