BBS UK TOUR





大陸を越え、彼等のアイドリングが聞こえてくる。

イグニッション・キーをON。アクセルスロットル全開にしながらキック・ペダルを踏み込む。「ブォーォォォォン」爆音とともに前輪を浮かし、疾風のように土を蹴り、小石を飛ばしながら大地を駆ける稲妻。華麗に走りぬける一筋の閃光。

BOOM BOOM SATELLITES。ブレイクビーツの血みなぎるロンドンで、彼等のライブツアーは始まった。そこはすでに我々の到着を待つまでもなく、街中のポスターとラジオからは「Joyride」のエンジン音がうなりを上げていた。

BBS

BBS US TOUR BY SHINICHIRO HIRATA


BBS FLAG20. FEB.
HIGH OCTANE
@ HANOUVER GRAND,
LONDON

初ステージは中規模ながら活気溢れるクラブ「HANOVER GRAND」。

DJリチャード・フィアレス(デス・イン・ベガス)、スティーブ ハワード(ドレッド・ゾーン)をプラスしパワー全開のイベント「HIGH OCTANE」。

ブレイクビーツ・フリークで満ちた店内はライブスタートと同時に大爆発。疾風のようなジャパニーズパワーで客を圧倒、あっという間の出来ごとに呆然としたあと大歓声が鳴り響く。そして何ごとも無かったかの様に彼等は去っていった。その姿はやはり華麗であった。

店内でデプス・チャージ、プロディジーのメンバーに出会うが興奮を隠しきれず、クリエイターどうし感動と感激を表していた。

BBS FLAG21. FEB.
MOLOTUO 'POP"
@ BOARD WALK, MANCHESTER

続いてロンドンより北のマンチェスター。
土曜日だというのに屋外にはほとんど人は見あたらない。その暗く冷たい街のクラブ「ハシェンダ」のあった場所からわずか徒歩3分のライブハウス「THE BOARDWALK」。
きな臭い80年代ニューウェイブと酒の匂いが染み付いた廃校後改造された校舎でのセカンドギグ。別週のライブスケジュールにはCUT LA ROC、ストックハウゼン&W、FREESTYLERSの名も見える。

BBS

客はタイム・スリップでもしたかのような黒一色のパンク野郎や、かつてのマンチェブームそのままな奴等で超満員。

そこでもBOOM BOOM ロック炸裂!

もちろん大成功。

そのあまりのロック的反応に、おそらくメンバー全員が(スタッフも含め)今だかつてなかった充実感を味わった事だろう。

BBS ON NME

BBS FLAG25. FEB.

@UNDERWORLD,
LONDON

そしてカムデンのライブハウス「THE UNDERWORLD」でのラストギグ。

そこでは僕もおそれながらDJを披露する事になり、現地調達のオサラとヘッドフォンで前座を勤める。サポートにかなりノイジーなプロディジー系ロック&テクノバンド「SNIPER」が出演。

BOOM BOOM は「Joyride」の幕開けと共に新曲「ONENESS」でラストを迎えるが、なんと興奮のあまりギター川島が転倒。
また弦で爪を割るという、凄まじいステージであった。とにかく大盛況!狂喜乱舞の一週間でツアーは幕を閉じるのだった。

今UKでBOOM BOOM SATELLITESは、かつてのYMO旋風以来の注目度ではないかと思われるほどの、新進気鋭のジャパニーズバンドユニットである。

ツアー中、フレディ・フレッシュ、DMXクルーのエドなどのDJを体験してきたが、ロンドンは今ブレイクビーツのメッカであった。その血煮え滾るUKを中心にヨーロッパギグ十数本が予定されている彼等の今後の活躍は、世界のロック、テクノ、ブレイクビーツシーンに大きく影響と興奮を与え、日本のクラブシーンを高く世界に導くに違いない。

ガソリン満タン、レッドゾーン一杯のウォーミングアップ。
これから数々のビッグ・ニュースが海外から届くことになるだろう。

彼らのレースは今、始まったばかりなのだ。


BOOM BOOM LIVE INFOMATION

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