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CLUB ACCUTRON



ALL PHOTOS BY 坂本勉 (c)

おそらく、昨年末の数多くのファイナル&カウントダウンパーティの中でも最も注目度の高かったパーティは、ラフォーレ飯倉ミュージアムを四日間借り切って行われたこの「Club Accutron」だろう。

ACCUTRON STEVE STOLL12/22(木)のオープニング・パーティでは、テクノ・フィールドからDERRICK MAY、STEVE STOLL、DAREN PRICEに加え、リアル・ジャパニーズ・ミニマル・DJs、SHUFFLEMASTERとQ'HEYがプレイ、ハウス・フィールドからはDAVID MORALESがプレイ。ハウスのオーディエンスとテクノのクラウドがミックスした近年にめずらしくハッピーな空間を提出していた。
特に、テクノ系ではミニマル系のラインナップ、SHUFFLEMASTER、Q'HEYのDJプレイに加え、NYのレーベル「Proper」を主宰するSTEVE STOLLのひねりのないストレートなハット音やライドをタイミング良く使った、シンプルで力強い旋律を披露したライブが素晴らしかった。 また、DAVID MORALESの6時間プレイを堪能できたのもハウスファンにはこの上のないプレゼントだったことだろう。

CROWD IN PYCHEDIC TRANCE2日目に当たる12/26(金)には、昨年2月の幕張メッセでの「AURORA PSYCHEDELICA」、5月富士山麓での「RETURN TO THE SOURCE」、8月の「RAINBOW2000」でのトランス・アワー等、サイケデリック・トランス系のすべてのビッグ・イベントでメインアクトを勤めてきたTSUYOSHIをメインフロアにKEISUKE、BOREDOMSのライブ、セカンドフロアには、かつてトランス・グル(トランスの教祖的存在)としてDJ K.U.D.O.の名で君臨し、現在はアンビエントDJとしてその名を静かに轟かせるARTMAN、レーベル「CHILLSCAPE」を主宰するKAY NAKAYAMA、などが共演。1日目とは内容もデコレーションもうって変わって、トランスの客が2000人以上も詰め掛けた大盛況のグッド・パーティだった。

ACCUTRON BOOM BOOM SATELLITES 3日目の「SOUND OF UNIVERSE」はかつて、ジャズとハウスのDJ達を集め大成功を収めた同名のイベントは今度はハウスとテクノのミクスチャー。 今回では、テクノ・フィールドの中でも、ビッグ・ビート、アンビエント・ダブなどのブレイクビーツ系のバンドのライブ、ブンブンサテライツとDUB SQUADのプレイのクオリティが素晴らしかった。特に、ロンドン・ツアー、リキッドルーム、そして今回とビッグ・パーティでのライブ経験を積み重ねてきたブンブンサテライツにはそのサウンドのグルーブ感に驚愕されるクラウドが多かったようだ。 ハウス・フィールドでは日本で人気の1.2を争う、コウ・キムラとトミイエ・サトシがプレイをするという夢の共演コンビ! 正直言って、来日DJたちよりも日本人アーティストたちのプレイが見事という感じのパーティだった。

ACCUTRON DJ RAPHAEL FROM U.F.O.4日目、いよいよファイナル・カウントダウン・パーティで、この「Club Accutron」もそのイベントの幕を盛大に閉じることになる。
ハウスのジャンル「ガラージ」の起源ともなった、NYの伝説のクラブ、「パラダイス・ガラージ」、NY・ハウス・シーンの中で最も熱く新たな伝説を生み、ジュニア・ヴァスケス(ダンス・ミュージック・フィールドのDJの中で世界一ギャラの高いDJと言われる超人気DJ)を生み出したことでも有名な「SOUND FACTORY BAR」にてレジデンツをしたDAVID DEPINOをメインアクトの「PARADISE ZONE」と、U.F.O.らが「GROOVE ZONE」でファイナル・パーティを盛り上げた。
「PARADISE ZONE」には「Dr.Love」の大ヒットでも知られる大御所のヴォーカリスト、ロッシェル・フレミングの美声も堪能でき、人間から発せられる「声」という音の素晴らしさを再認識させられた。

ACCUTRON DJ KU KIMURA4日に渡って、様々なダンスミュージックの「今」の息吹とテイストを肌で感じさせてくれた「Club Accutron」。

個々のアーティストのプレイやパーティとしての諸事象に関して各自いろいろ感じるところはあったと思うが、細分化し孤立していくそれぞれのダンスミュージック・シーンのジャンルのクラウドを統合したこと、その全体像を俯瞰するきっかけになったという意味では成功を収めたパーティだったのではないだろうか。

今後もこういった他ジャンルの歩み寄りによる様々な人々の集まるパーティが多く開かれることを期待したい。

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