NEWS



SQUAREPUSHER LIVE

TEXT : MAHO TAKEMORI


TOM VIDEO
CLICK DOWNROAD!
QuickTime Movie(28.2sec./1.3MB)


かつて、これほどまでに多ジャンルのオーディエンスを興奮させたLIVEがあっただろうか?

客層は、テクノ、ドラムン・ベース、すべてのダンス・ミュージックファン、そしてジャズ、ロック・ファンとオーディエンスがこれほどクロス・オーバーしたパーティは近年、稀に見るものだったと思う。

7/24の22:30より1時間10分ほどのアンコールを含めて全14曲のLIVEは、フロアの前から後ろまで超満員のオーディエンスのおそらくすべてを魅了したと思われるスクエアプッシャーの天才的パフォーマンスぶりに尽きる素晴しいイベントだった!




TOM VIDEO この日は平日の木曜日のイベントで、スニーカー・ピンプスのLIVEとクラナカのDJを引き継いで、場内にはスクエアプッシャーのテーマが流れる。

場内は天才スクエアプッシャーのプレイを今か今かと待ちわびる人たちの群れで込み込みになり、身動きもできないくらいだ。およそ800人以上は詰めかけているのではなかろうか?


オーディエンスの前にいる集団の歓声がふいにあがり、遂にスクエアプッシャー登場! ベースを小脇に抱え、ビール片手にだるそうな感じでステージを歩いてくる。 格好はぼさぼさに伸びたセミロングヘアにアンスラックスのTシャツ(笑)。どこにでもいそうな普通のロックファンの若いお兄ちゃんという感じだ。


TOM VIDEO 機材の調子が悪いのか、ピーという甲高いノイズ音と格闘しながら、ふいにベースをジャムセッション風に弾き始める。噂通りのフレットレスのベース・ギターを使った早弾きにオーディエンスは息を飲んで彼の一つ一つの動きを追いかける。ジャコ・パストリアスの再来と言われ、ジャズファンからも絶賛を受けているのにもなるほど、納得がいく。


一曲目が終わり、"THE SWIFTY"が始まると、観客は大喜びをして歓声を上げ、狭いスペースながらもダンスをする人も出てくる。三曲目の"COOPERS WORLD"四曲目の"BEEP STREET"、スクエアプッシャー節の嵐にフロアも彼自身もものすごい熱気を帯び始めてくる。


TOM VIDEO 彼はマイクに向かって"MOTHER FACKIN' FATHER〜〜〜〜〜〜!!"と叫びながら、客をガンガンに煽り、自分も激しいヘッドバンキングや、力強いアクションの手の振りが入る。ロック魂故というか、彼の若さ故なのだからか、天才も見近に感じられるのが嬉しい。オーディエンスも同じ気持ちだったのだろうか、この曲が終わったところで少しのブレイクが入り、前の方の客とトムがコール・アンド・レスポンスをしていていい感じだ。オーディエンスの一言に大爆笑しながら、それに軽く受け答えているスクエアプッシャーこと、トム・ジェンキンソンはやはり22才の若者という感じ。


後半はフレットレス・ベースをステージに置き、機材をいじりながら、またヘッドバンキング、ヘッドバンキング!!!
Kill us!とかWe want you〜!とか叫んでいる観客の声、そして大歓声、フロアの熱気は頂点に達している。テクノ系のアーティストでここまで盛り上がったライブは最近滅多になかった。しいてあげるならば、このライブの後の富士ロックフェスティバルのセカンドステージの一日目(二日目はフェスティバル自体、キャンセルになってしまったが)のラストを飾った感動的なエイフェックス・ツインのライブくらいだろうか。


TOM VIDEO 一通りの演奏を終了して、トムはステージの袖に消えて行った。しかし、観客は足を踏み鳴らしつつのアンコール・コールの嵐!

結局、"THE SWIFTY"そして2回目のアンコールで"E8 BOOGIE"を演奏したところで、次のDJへとチェンジ。

長いはずの1時間10分が数十分に感じられるくらいものすごく密度の濃いライブだった。 ぜひとも一度、彼のプレイを生で体験しておくことを薦めたくなる、これこそ、ライブだという感じの一人の若者、そして天才スクエアプッシャーの名をまた一段と知らせしめたことだったと思う。


1997 (C) Sony Music Entertainment (Japan) Inc.

NEWS