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Drum&Bass/Techno Sesions

3/8(土)、新宿LIQUID ROOMにて、ドラム&ベースを強力にプッシュ中のパーティーとしてクラバー達にも知られつつある、Drum & Bass Sessionsが開催され、DEGO(4HERO/TEK9)、J MAGIK (INNERVISIONS)らが登場、日本からはケン・イシイもDJとして参加した。

80年代後半からブレイクビーツの可能性を追及し続け、ジャングル / ドラム&ベースのパイオニオアとしても認知されているDEGOは、4HERO、JACOB'S OPTICAL STAIRWAYでのドラム & ベース・クリエイターとしての活動だけではだけでなく、NU-ERA名義でクラシカルなデトロイト志向の作品もリリースしたり、非常に良質なデトロイトテクノのコンピレーションとして知られる"THE DEEPEST SHADE OF TECHNO"のコンピレーターも努めたり、カールクレイグ、ホアンアトキンスとの交流も知られるなど、まさしくテクノとドラム & ベースがクロスオーバーする地点の中心にいる人物である。J MAGIKは「天才」の呼び声も高い、若干19歳のドラム & ベースクリエイターでMETALHEADZ からも作品をリリースしている。

オープニングを努めたPHIL FREEのDJingに続いてケン・イシイがブースに登場したのは12時過ぎのこと。どこからともなく沸いてきたように、今までまばらだったフロアにも人影が増え出した。ちょうど来日中のR&S RECORDSの社長、レナートが脇で見守るなか、彼のDJはスタート。彼は自分のセット時間を幾つかのセグメントに分けているようで、前半はデトロイト色が強め、中盤にドラム&ベースを持ってきて、終盤に再び四つ打ちキックのテクノに戻ってくるという構成であった。

やはりDJとしてというよりは、クリエイターとしての印象の方が強いケン・イシイではある。ほとんどのダンスミュージックのクリエイターは自分自身がフロアで踊っている時に思い考えたことのフィードバックを中心に音楽を作っていると言われるが、ケン・イシイの音楽の最大の特徴は、そういった他人の作品からの単なるフィードバックを完全に排除したところにあると思う。ゆえに彼自身の作品は、あれほどまでにオリジナルな質感を獲得出来たのだろう。クリエイターとしての彼のアイデンティティは、そういった自分自身のクリエイティビティへのこだわりにあるように思える。

そういった彼にとってはDJとは、思う存分に他人の音楽からのフィードバックを打ち出せる場所といった気持ちなのだろうか、この日もU2のDISCOTHEQUE(もちろんremixではあったが)からSQUAREPUSHERのSQUAREPUSHER'S THEMEやRED PLANETの7番など、まさしく今、自分が楽しんで聞いている音楽を、その場にいる人々と一緒に自由に楽しみたい、そんな思いが伝わってくるかのようなDJingだった。

DEGOもケン・イシイに続いて登場し、自身の作風よりも、さらにハードステップ寄りなドラム&ベースを中心に据えたDJingでフロアをヒートアップさせていた。

やはり、これから夏に向けて、ドラム&ベース・シーンの勢いはさらに加速していくようで、従来は海外からの来日DJが中心だった側面も否めなかったのだが、近く国内DJのみのLIQUID ROOMでのパーティーも予定されているなど、まだまだ目が離せないようである。

1997 (C) SONY RECORDS, a group of Sony Music Entertainment (Japan) Inc.

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