KEN ISHII INTERVIEW


11月末にイギリスの6箇所を巡るツアーを行ってきたKEN ISHII。 帰国直後の彼に、本ページスタッフが直撃インタビューを行ってきました。 国内ではなかなかリアルに伝わってこないし、雑誌等でも的確に取り上げられない日本アーティストの海外活動。 それを実際行って/見てきた彼の生の声をお届けします。

-今回のツアーはどういったカタチで行われたんですか?R&Sの企画?
って言うか普通のミュージシャンがやるツアーと同じで、ブッキング・エージェンシーとレーベルがオーガナイズするツアーです。今回はR&Sがブッキング・エージェンシーをローリング・ストーンズなんかとも契約してる大手のところに代えて、その第1回めの企画がボクのツアーだったワケです。
-で、各地の公演で様々なサポート・メンバーがいたようですが...
サポートという時もあれば並列で書いてある時もあるし...でもまあ、普通のテクノ・イベントっていう感じのはあんまりなくって、基本的にはもっとライブっぽいものが多かったかな。
-29日のレイチェル・オーバン(CANDY GIRLS)っていうのはすごいですね。これはおもしろいね。
おもしろくないよ!(笑)一番つまんないイベントだった。
-いや、そうかもしんないけど、ブッキングが面白いじゃないすか。
もう、何でそんなブッキングしたのかなって感じですよね。
-これは全部オールナイトのイベントなんですか?
いや、基本的にそうじゃなくって。大体9時とか10時くらいに始まって、12時とか2時くらいに終わるって感じで。
-ちょっと遅めのライブって感じなんですね。
この中で一番テクノぽかったのはグラスゴーのパーティーかな。 それとまあケンブリッジでのパーティーもテクノっぽい感じではありましたね。
-でもこれ(グラスゴー)はハンドバッグなものじゃなかったの?
いや、なんかトランスっぽかったなあ。
あとレッドスナッパーのライブは素晴しかった。 シンセやサンプラーは一切使わないで全部生演奏のバンド。全員がいいプレイヤー。 70年代のサイケデリックに近いものがあるんじゃないかな?
-RED SNAPPERはイシイさんのリミックスもやってますよね。 他のリミキサーも含めてどういう観点で選んでるんですか?
基本的にはR&Sのプロデューサーのレナートとボクで話し合って。
-最近Drum'n'Bassの人たちによるリミックスが目立ってるようですが。
リミックスする人の曲が音楽的におもしろいって言うのが一番重要なんだけど、普段だったらボクの曲のリスナーじゃない人たちに対しても、そういうリミックスを入れていることによってアピールすることができるんじゃないかと思うんですよ。
まあDrum'n'Bassについてはボクも好きなのが結構あるけど、全体的にはレナートの趣味が強いかもな。
-DAVE ANGELによるリミックスが"EXTRA"でも"OVERLAP"でも好評ですけど、彼はイシイさんにとっても好きなアーティストですか?
まあ、クラブ・トラックを作ると非常にうまいって言うか、普通のありふれた感じのミニマルものは絶対作らなくて、必ず彼のテイストなりクオリティーが出てるんですごく信用してます。
-今回のツアーで共演した人たちってイシイさんに対してはどういう接し方をするんですかね?
まあ、普通の仕事場で合うような感じですよ。やあ、どうもって感じで。
-オーディエンスは北の方と南の方でノリとかの違いはあります?
それはすごくあるね。 基本的に日本でもそうだけど、都会と地方の差ってのはありますよね。で、都会の方がその国の中でも特別な存在だったりする。例えば日本の場合東京が一番特別だと思うし。UKだったらロンドンだけちょっと違うとか。イギリス人って新しい音楽、特に海外から来るものに対してあまりオープンでないところがあるらしいんだけど、北側の方はこういうテクノみたいな音楽にはオープンな体質で、スコットランドやマンチェスターでやった時は東京やベルギーでやる時みたいに盛り上がるんですよね。ガッ!っていう熱狂があって。
-やっぱ日本みたいにEXTRAで盛り上がるんですか? ひょっとして日本だけじゃないかって思ってるんですけど(笑)。
あそこまで来るのはやっぱ日本だけですよ。 ただ例えばあんましボクのことを知らないような土地に言っても、あそこら辺になると盛り上がる。ずっと静かだったとしても、一応最後にあの曲になると動きが見れるっていうか。でも日本みたいにイントロで盛り上がったりはしないな。
-大体いつもEXTRAはセットの最後に持ってきてるんですね。
ま、そうですね(笑)。
-ライブをやった会場のキャパってどれくらいでしたか?
だいたい...1,000人くらい収容のところで、グラスゴーのところはデカかったなあ。2〜3000人は軽く入るからね。 ロンドンのはリキッドルームとパワーステーションの中間くらいの大きさだったかな?
-どこのハコもサウンド・システム的には満足のいくものでしたか?
ん〜、やっぱ音のトラブルは頻繁でしたね。ロンドンとかのライブ慣れしてるハコだと大丈夫なんだけど、ダンス・クラブとかだと難ありのところが多いですよ。
-リキッドルームとかと比べた印象はどうですか?
リキッドルームはきれいな感じがするよね。ヨーロッパだと外見は汚くて、中に入るとそこがクラブだとか、雰囲気が違うんですよね。新宿の繁華街みたいなところのド真ん中にあるようなクラブなんてそうそうないですよ。でも中に入ると日本とヨーロッパの優劣や違いなんかは全く感じませんね。それぞれのクラブの仕切の良さ悪さにのみかかってるっていうか。
-なるほど。最後に、向こうでは女の子にはモテますか?
あのね。国によりますね(笑)。国民性というか、地域差がある。
ただこれは自慢じゃないんだけど、ツアーやるとクルーの人たちにいつも言われるのが、ボクがライブをやる時、目の前で踊ってる人に若い女の子がいる確率が高いと。それは他のアーティストと比べても圧倒的に。マジメに言われるんだよ。別にゴマすってるワケじゃなくって。
-なるほど〜。
ま、ヨーロッパに行けば日本人アーティストだってことで単純に珍しがられてるってところはあるんでしょうけどね。
-なるほどなるほど〜。