TEXT by Q'HEY

当日は昼食を取ってから会場の"KK"へ行ってサウンド・チェック。いくとかの問題点をクリアーして一休みしようとしたらまた取材。
パーティーがスタートしてからもMTVやチャンネルV(MTVみたいな音楽チャンネル)の取材を受けて、かなりてんやわんやだ。
スタートした頃、広い会場にお客さんはまばらな感じで、10時過ぎるまではホントに不安になった。
WADAさんのスタートが10;30。
その頃にはそこそこの人が入り始めてきて、フロアーで激しく踊るようになってきていた。
FUNK D'VOIDの"JUCK ME OFF"からスタートした彼のプレイは、いつにも増してアッパーで、早い時間から来ていて少し戸惑いのあった人たちの心もガッチリと掴み、フロアーは一気に埋っていく。
これでもか!ってくらいにパワフルなプレイに2番手のボクはすっかり圧倒されて、この後どんなのをかけるべきかちょっと迷ったけど、まずは落ち着いてとURの"AMAZON"でスタートしてみる。
するとフロアーがホントにエキサイトしているのが手に取るようにわかった。
こういうのも何だが、デトロイト・テクノのクラシック的存在であるこの名曲をここにいる人たち全てが知っているとは思えない。
シーンは拡大してきているとは言え、テクノの音源を扱っているレコード/CDショップなんて台北にはまだほとんどないのだ。
それでも彼等はこの曲の持つパワーを肌で感じ取って楽しんでいる。
この曲ばかりではない。
どんな曲にしたってこちらが意図した音をそのまま素直に感じ止めているのがわかる。
この時のプレイで、音楽の持つパワーを改めて感じさせられた。
映画やテレビや小説では、この言葉の通じ合わない人たちと同じものを共有することは容易じゃない。
その後は東京でプレイするスタイルとあまり差のない、自分にとって自然なプレイをすることができたと思う。
トリを務めるMAYURIちゃんのプレイは、力強くも暖かいものだった。
WADAさん、ボクというパンチのある音に続けた彼女は、大地から包み込むような母性を感じさせるプレイをしてくれた。
こういうプレイは女性でないとできないのかもしれない。
このパーティーを締めくくるにふさわしい選曲だったと思う。
アンコールで、MAYURIちゃんが"ROCK THE HOUSE"をかけ、続いてボクが"CIRCUS BELLS (HARDFLOOR MIX)"をプレイしてこのパーティーは幕を閉じた。
来てくれた人の数は4,000人を上回り、最後までいた人が3,000人いたという。
東京にインドアではこれほど大きなものは今までなかったし、それを自分でオーガナイズしてプレイできたというのは本当に嬉しいことだ。
この大成功を機に、今後も積極的に台湾と日本を結び付けたパーティーをやっていきたいと思う。