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Q:今回のアルバムはドビッシーの死に関するナレーションから始まり、アート・オブ ・ノイズの紹介のナレーションで幕を閉じます。この2つのナレーションは何かを暗 示しているようにも感じ取れますが、これは単に過去であるドビッシーの死からこの アルバムが始まり、未来の象徴であるアート・オブ・ノイズの新たなるスタートで終 わるという意味なのですか、それとも何らか他の意味がそこには込められているので しょうか?

A:そのように読みとってくれて嬉しいよ。ドビッシーは未来でもあり、偉大なる過 去でもある。このアルバムのテーマは、ドビッシーをモチーフにしながらも実はアートオブノイズのストーリーでもあるんだ。それを物語風に、そしてちょっとシネマチックにまとめてみた。音を聴きながら、映像が浮かぶようなものであってほしかったんだよ。

Q:今回のアルバムに関し、ファンの間ではレコーディングに特別な処理、例えば Dolby Pro Logicを使用しているといった噂が飛び交っています。実際アルバムのパ ッケージにはそういった記述がないことからこういった特別な処理というのは行われ ていないと思いますが、これまでのZTTのリリース作品、特にクラウディア・ブルッ ケンとトーマス・リアのプロジェクト、“アクト”の作品やグレース・ジョーンズの スレイヴ・トゥ・ザ・リズムと同様、今回のアルバムもサウンド・エンジニアリング の面においても素晴しい作品だと思います。そういったサウンド・エンジニアリング の面であなたが心掛けている点とはどういったところでしょう?

A:それはありがとう。でも、レコーディングのエンジニアリングを中心にやってくれたのはティム・ワイドナーなんだ。彼は今回の全米ツアーでも実際ステージに立ってプロツールやらの機材をオーヴァーシーしてくれるんだ。どのプロデュース作品も一 緒にエンジニアリングも見るし今回の作品も彼を選んだは僕だけど、エンジニアリング は作品ごとにその道のプロを頼んでいる。

Q: ファンの中にはあなたの作る美しいメロディーを持ったヴォーカル・トラック、例 えばダラーの初期作品や1990年のインガ・フンペ(Inga Humpe)へ提供した作品などの ような作品を期待する人たちも少なくないと思いますが、今後そういったポップなヴ ォーカル曲を手掛けていこうといった考えはありますか?

A:もちろん、あるよ。基本的に僕はポップの人間だと思っているし、コマーシャルなプロデューサーとして有名だったからね。ただ、どの作品に対しても、既成概念にとらわれない新しい手法や提案、音づくりも同時に目指している。今でも好んでプロデュースしたいと思うものは、やはりヴォーカルを生かしたトラックなんだよね

Q:10月7日から久々のライブツアーを行いますが、ライブに参加するTim Weidnerと Justin Fraser、Amanda Boydについて教えて下さい。
ライブでは80年代の作品は演奏されますか? また、ヴィジュアルなどの演出はどの ようなものになるのでしょうか?

A:アメリカのライブ・ツアーは、あまり大掛かりなビジュアルの演出を考えてはいないんだ。それよりは我々がミュージシャンとして、とにかくいいステージを楽 しんでもらおうと思っている。ティムとジャスティンはともにステージの演出に欠かせない機材を担当してくれているんだ。アマンダは、今回のアルバムのサウンドをステ ージで再現してくれるヴォーカリストで、彼女のソプラノ・オペラは最高の見所だよ。 <Moments In Love> < Beat Box> など過去の作品もやるつもりだよ。

Q:次作に向けてのアイデアはありますか?
また、次作では今回とまた違ったメンバーでレコーディングが行われる可能性はあるので しょうか?

A:具体的にいつ出すとか、コンセプトがまとまっているとかはないけれど、またこのメンバーで次ぎもアルバムを作れたら、と思っている。みんな、それぞれいろんなプロジェクトを抱えているし忙しいから、なかなか集まるのが大変なんだけどね。このアルバムだって、完成まで実に3年もかかってるんだよ。ゲスト・ミュージシャンに関しては、また新しい挑戦をしてみたいね。音に関しても、オーケストラを入れた演奏を考えているんだけど、それがいわゆるストリングスやらバイオリンやらを使ったも のではなくて、ありとあらゆる楽器や機材を使ったオーケストラにしてみたい。

Q:最近ご自身が自宅で聴くのはどういった音楽ですか?

A:最近は、アメリカのウェスト・コーストのラップ・シーンに注目している。また 、子供がアンダーワールドの大ファンなんで、家でよく聴いているよ。あと、DR. DREも最高にいいプロデューサーだと思う。


Q:2000年のニューイヤーの予定はありますか?

A:BBCが主催するイベントの為に17分の作品をプロデュースしたんだ。新年のビッグベンが鳴り終わると同時にその曲が演奏される予定だよ。

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