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richie hawtin
1990年代初頭、デトロイト・テクノ第2世代、そしてアシッド・ハウス・リバイバルの旗手として活躍したのがこの男、プラスティックマンことリッチー・ホウティンだ。デトロイトと隣り合わせの街、ウインザーから叔父のジョン・アクアヴィヴァとともにレーベル「プラス8」を掲げ、常にテクノ・シーンをリードし、塗り替えてきたリッチー。数多くの別名義を使い、ハードなダンス・トラックからホームリスニングものまで、幅広い音楽をリリースしてきた彼が、しばしの沈黙の後、新たなるレーベル「マイナス」を立ち上げ、「プラスティックマン」として再登場したのが今回のアルバム「コンシュームド」だ!



リッチー・ホウティンのDJとしてのキャリアは1987年、レコーディング・アーティストとしてのキャリアは1990年に遡るが、彼ほどその音楽性における懐の深さをもった人間を私は未だ知りえていない。彼の初期の活動のみをとってもElements of Tone名義の「States of Mind」のようなブリープ・テクノ・トラックやCybersonik's 名義での「Technarchy」のようなハードコア・デトロイト・クラシックから、FUSEでの「Into The Space」や LP 「Dimension Intrusion」のようなリスニング・タイプのものまで、その作風は様々だ。彼は常に新しいサウンドへの好奇心を持ち続けている。DJとして彼は常に新しい音楽をジャンルにとらわれることなくプレイし、そのスタンスはレコーディング・スタジオでの中で、彼の新たな作品という形に昇華する。

リッチーは90年代のアシッドハウス・シーンを築いた一人として知られる。「僕の90年代中期の作品からTB-303(ローランドのベースシンセサイザー)は、僕のトレードマークのようになっていた。けどその一方、最近発表されるTB-303を使ったトラックの多くが過度にノイジーで、ファンキーではないものになっている。だから僕は今一度Plastikmanとして作品を発表することにしたんだ。TB-303は、僕にとってはセクシーなサウンドをつくりだす素晴しいマシンだよ」と彼は語る。

Plastikmanのデビューアルバム「Sheet One」はUS/UKのインディ・チャートでもヒットし、テクノ/ハウスファンにとって新たな音体験を味わうことが出来る作品だ。彼はこのアルバムについて、「MIXMAG誌はこのアルバムを「コワいアルバム」と評したが、実際はその全く逆だと思う。アルバムのラストを飾る「ovokx」はたしかにそのような感慨をも引き出すトラックだけど、その他のトラックはどれもリラックスした、チルアウト系のサウンドだ。このアルバムは聴くものを一種独特な感慨へと導くものだと思うね。」と語っている。

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