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久々のアルバム「ヒア・ヒア」をリリースしたジョシュ・ウインクに、アルバムそしてレーベル「OVUM RECORDINGS」について電話インタビューをしてみました。「ヒア・ヒア」に託した彼の思いと今後の展望を感じ取っていただければと思います。

アルバムのコンセプトはあったの?

最初はあったんだ。元々このアルバムのコンセプトは「テクスチャー」。耳のテクスチャー。耳自体のではなくて、音楽や音のテクスチャーとビジュアル的なものをテーマにしようと思っていたんだけど、変わっちゃった。結局はいろいろなものを一緒にした形になったね。最初の予定とは変わっちゃったんだ。

変わって良かった?

うん。音楽的にどんどん変えながら作っていくのが僕のやり方なんだ。アブストラクト・ミュージックを作っていて何が楽しいかというと、ルールがないからなんだ。音楽がどんどん変わっていくから、僕もその変化の一部でいたい。だから、アルバムを完成させてしまった今、このアルバムは僕にとってはもうすごく古いんだよね。今はもっと新しいことをしたいと思っているから、このアルバムが古く感じるよ。もう次へ進みたいと思っている。

今までの曲と比べると、"Black Bomb"や"Simple Man"はもっとクロスオーバーな感じだけれども、これはこのアルバムだけのことなの?それともこれからも続けていくつもり?

さっきも言ったけど、次のレベルに進みたかったんだ。Trent Reznorが曲("Black Bomb")に参加しているからって、それが100%クロスオーバーとは限らないし。この曲はすごく変わっていると思うんだ。8分もあるし、スローだし、普通のクロスオーバーな曲とは違うと思うんだ。スタジオで「さあ、どうやってラジオにかけようか」とか考えていた訳ではなかったしね。基本的に、The Interpretersを入れた曲("Simple Man")、The Interpretersはフィラデルフィアの友達で、ずっと一緒に音楽を作りたいと思っていたんだけど、あの曲がアルバムの中で一番最後に作った曲なんだ。ああいう曲をアルバムに入れたいと思っていたんだ。繰り返しになるけど、僕にとってクロスオーバーにすることは大切ではなくって、僕の希望の100%ではなかったんだ。僕はただアーティストとして、音楽を作りたいんだ。それがラジオでかかるかなんて、関係ないんだ。人に聴いてもらいたいだけなんだ。

各ボーカリストを合った曲に使えたと思う?

そうだね。レコードのバランスは結構いい感じだと思うよ。最初の半分は、歌中心でインテレクチャルな感じの、ゆっくり聴ける感じで、後の半分はエレクトロニックベースのダンス/テクノ・ミュージックだから、coolなんだ。全体的に流れる感じで、歌が聴きたくなければ、次にはライブ・サックスが入っているようなインストゥルメンタルなジャングル曲が入っているんだ。

4月のNEWS、OVUMへ簡単にどうやってOvumが生まれたのか教えてください。

Ovumは1994年に立ち上がって、"Liquid Summer"という曲をレーベルから出したんだ。これはデトロイトの影響を受けたテクノ・トラック。それまで、いろいろなレーベルから作品を出したけど、自分で自分のアルバムを出したくなったんだ。King Brittがラップ・グループのDigable Planetとツアーに出ている時に始めて、Kingがツアーから戻ってきた時に一緒にやらないかと誘ったら、「やろう!」ということになったんだ。

自分だけのためではなくて、他の人にもチャンスを与えてあげたいという気持ちがあったの?

そうだね。他の人たちを応援できるというとてもラッキーな立場にいたから、他に才能のあるアーティストをサポートしていけたら良いなと思うんだ。ジェイミー・マイヤーソンとかね。


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