INTRODUCING THE PACIFIC STATE

"PACIFIC STATE"は、ROB DEACON率いる英DEVIANT社によるプロジェクトだ。

VOLUME

VOLUME同社はまず、"VOLUME"という、旬のミュージシャンによる楽曲のコンパイルしたシリーズを以て、脚光を浴びることとなった。

1991年9月にその第1弾がリリースされ、これはアーティストの未発表曲あるいは未発表バージョンを収録するという企画自体もさることながら、100ページ以上にも及ぶカラーのブックレットをつけ、その中でアーティストやレーベルを取り囲む周辺等を紹介し、こういった音楽シーンの初心者やアーティストに対する予備知識のない人々から、より深いものを求めるマニアにまで広くアプローチしていた。



スタートの時点ではインディー・ロックとテクノ両方のアーティストを同時に扱っていたのだが、テクノ・ミュージック・シーンの台頭と、そしてその音楽自身ににより深く興味を抱きはじめたROBは、一度の"VOLUME"のリリースに、ロックとテクノを混在させるには情報量的にキャパシティーの不足を感じ、新たなるコンピレーションを産み出した。
テクノのみのコンピレーション"TRANCE EUROPE EXPRESS"である。
TRANCE EUROPE EXPRESS


TRANCE ATLANTIC

この"TRANCE EUROPE EXPRESS"は、やはり絶大な支持を得てシリーズ化していき、そのリリースを重ねるうちに"TRANCE ATLANTIC"というアメリカのアーティストのみを扱ったコンピレーション(これもまたシリーズ化した)、"BREAKBEAT SCIENCE"というドラムン・ベース/ブレイク・ビーツのコンピレーション(これもシリーズ化)さらには"TRANCE PACIFIC"というオーストラリアのアーティストを扱ったコンピレーションも発表し、より広域に、より細分的にプロジェクトを広げていった。

BREAKBEAT SCIENCE



こうして今、ここに"PACIFIC STATE"が届けられることになる。
この企画も、当初は"TRANCE PACIFIC"というタイトルで環太平洋地域、つまり日本とオーストラリアのアーティストでそれぞれCDを1枚ずつの2枚組で発表される予定だったが、両国から予想以上に多くの優れた曲が集まったことにより、それぞれを分割してリリースすることになった。"TRANCE PACIFIC"はオーストラリア、そして"PACIFIC STATE"が日本という形である。
PACIFIC STATE


日本のシーンが注目されるようになったのは、言うまでもなくケン・イシイのヨーロッパでのブレイクを筆頭に、数多くのミュージシャン/プロデューサーが世界で活躍するようになったためだ。その流れから「日本」を謳ったコンピレーションも幾つかリリースされもしたが、それでも日本のシーンを的確に紹介することに成功していた例はほとんどない。
しかしここでやっとそれに成功したと言えるコンピレーションが完成した。世界で初めて日本のディープなシーンまで今で突っ込んで、その音とアーティスト像を紹介することができたのだ。

そういった意味でこの"PACIFIC STATE"は実に画期的な企画である。




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