HISTORY OF


1989年、ロブ・ミッチェルとスティーブ・ビケットの2人がFORGEMASTERSをリリースしてスタートさせたWARP RECORDS。

当初はブリープ・ハウスの大御所として注目を浴び、その勢いは日本を含めた世界中にWARPの名を知らしめることとなった。

その当時のヒット・メーカーとして"SWEET EXOCIST"、"NIGHTMARES ON WAX"、"TRICKY DISCO"などが知られていたのだが、このレーベルに於いて最も重要な役割を果たしたのがLFOだ。

LFOがもたらした影響力は、WARPのみならず世界中のテクノ・シーン全体に作用したものだった。
91年に発表されたLFOのファースト・アルバム「LFO」は世界中で80,000枚のセールスを記録するに至った。

しかし一方、ブリープ・ハウスの人気が低下してきた頃にはWARPも共にその勢いを失いつつあったのだが、時流に乗るまいと決意したロブとスティーブは、リスニング主体の"Artificial Intelligence"シリーズを新たにスタートさせる。

これは「家で楽しむテクノ」と言う位置付けのもとにリリースしていくもので、クラブではかかりそうもないけれど、良質なテクノを生み出していくことになった。

その代表格がThe Black Dog、B12、Aphex Twinの別名義であるPoligon Windowなどである。

"Artificial Intelligence"の名を冠したコンピレーション盤やビデオ・テープのリリースも行い、幅広い層からの評価を獲得した。

以降、それまでのWARPの歴史上、最も驚くべき事件がAndy Weatherall率いる"Sabres of Paradise"のリリースであろう。

それまでのテクノ・サウンドとは異なる、重くダビーな彼等のサウンドは、WARPの次に向かう方向を指しているのか、単なる気まぐれなのか判断に苦しんだところだった。

しかしその後のRed SnapperやFreeform、そしてこれまたレーベル・カラーと共に自らのサウンド・スタイルもトリップ・ホップなものに変容していったNightmares on Waxなどのリリースによって、WARPは明らかに違う方向に向かおうとしているのだった。


そして1996年、設立7周年を迎えたWARPは、それを記念して集大成的コンピレーション・アルバム「BLECH:」をリリースする。