■収録曲
トラック タイトル time
M01 愛の出発 2:16
スネークマンショー
M02 愛のチャンピオン号 2:53
スネークマンショー
M03 THE ULTIMATE IN FUN 2:20
リップ・リグ・アンド・パニック
M04 愛の野球場 4:05
スネークマンショー
M05 I WILL CALL YOU (AND ANOTHER FAMOUS LAST WORDS) 3:49
メロン
M06 愛のホテル(曲:エーゲ海の真珠) 2:05
スネークマンショー
M07 BUNGA DAHLIA 4:19
ス・ウディア
M08 どんぐりころころ 0:36
スネークマンショー
M09 PERSIAN LOVE 4:06
ホルガー・シューカイ
M10 WISHING YOU'RE HERE 3:35
THE SPOIL
M11 愛の嵐(バラ肉のタンゴ) 1:46
スネークマンショー
M12 今日、恋が 3:19
高橋 幸宏
M13 愛の匂い(ジムノペティ) 3:07
スネークマンショー
M14 HONEY DEW 4:15
メロン
M15 愛の戦場(ブタペストの心) 4:42
演奏:日色 純一
M16 GAM BANG 3:47
スネークマンショー
※オリジナルLPの表記のまま掲載しています。

 デビュー・アルバムである前作がバラエティにとんだ、いわばスネークマンショー のすべて的な作品だったのに対し、このセカンド・アルバムはスネークマンショーな らではのコンセプト・アルバム。そのコンセプトは「愛」「戦争反対」というストレー トなもので、そのストレートさゆえに当時、「愛」や「戦争反対」がギャグだと受け 取られてしまったきらいもある。
 スネークマンショーはそのラジオ時代に、パンクの影響を強く受けて番組内で「咲 坂と桃内の原子力発電所反対運動を考える2日間」などの特集や、日本のゲイ・リブ の先駆者のひとりであるTAQを主役としたトークのレギュラー・コーナーを設けるな ど、往々にして硬派な一面も覗かせてきた。また、そもそも桑原茂一はアメリカのカ ウンター・カルチャーの象徴でもある雑誌『ローリング・ストーン』の立ち上げ人の ひとりでもある。このアルバムでの「愛」や「戦争反対」は、つまりはロックやパン クのアーティストが掲げる「LOVE & PIEACE」であり、実はロックやパンクの申し子 であるスネークマンショーらしいメッセージなのである。
 ただもちろん、スネークマンショーならではのメッセージの打ち出し方ではあった。  収録されているギャグのうち「愛の出発」や「愛の野球場」「愛の匂い」など、 「愛」は「愛」でも、家族の前ではちょっと聴くのに勇気が入る「愛」方面の作品が 多く、「戦争反対」もまた、「愛の戦場」というニッポンの良識や常識とはちょっと ちがう方向の「戦争反対」のメッセージとなっている。
 収録されている音楽作品は、イギリスのリップ・リグ&パニックの「ジ・アルティ メット・イン・ファン」、ドイツのホルガー・チューカイの「ペルシアン・ラヴ」と 先見性の高い海外のニューウェイヴ勢の楽曲のほか、高橋幸宏のロマンティックなイ ンスト曲、坂本龍一の弾くエリック・サティ、とYMO関係のほか、スネークマンショー と桑原茂一とは切っては切れない仲となった元プラスティックスの中西俊夫、チカに よるメロンといった日本勢、そしてスネークマンショーがかねてより傾倒していたイ ンドネシア、バリ島の音楽と、多彩。
 この『死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対。』は、当初からスネークマンショーのラス ト・アルバムとして企画された。
「この頃は私は元プラスティックスの中西俊夫やチカが作ったバンドの メロンと非常 に親密になっていて、メロンの海外進出をできる限り手助けしたいっていう、そちらへの興味が大きくなっていったんですね。自分の指向が国内よりも海外に向かってた んで、海外で本当に通用するレベルの仕事がしたくなったから」
 そんな思いで作られた有終の本作は、それにふさわしい一本筋の通った完成度の高いアルバムとなっている。


YMO『増殖』の詳細と桑原茂一氏のインタビューをNo.5に掲載。