※セレクトされている一部の楽曲は、現在サブスクで配信されていない場合もございます。
ぜひCDやレコードでお楽しみください。
※セレクトされている一部の楽曲は、現在サブスクで配信されていない場合もございます。
ぜひCDやレコードでお楽しみください。
1970年にはじめてはっぴいえんどの「朝」をきいたときの新鮮な驚きは今でもしっかりと心に残っています。まるで毛筆で書かれた文字のように、フレーズの濃淡、唇の開き具合や力加減で、言葉の響きの繊細なニュアンスを出す歌い方は、それまでの日本のロックにはなかった歌い方。日本語の歌なのにまるで英語の歌を聞いているような心地よさは、それまでに体験したことがなかったものでした。
生涯を通して大滝さんは、声を歪ませたロック的な歌い方や、リズミックなソウル・ナンバーも見事に歌いこなすとても器用なシンガーでしたが、なんといっても他に比類を見ないのは、ニルソンや米国の60年代のポップス・シンガーを思わせる、日本では珍しいクルーナーなポップな歌唱スタイルだと思います。この歌唱スタイルこそ、彼のすばらしい楽曲やファンタスティックなナイアガラ・サウンドをさらに魅力的なものにしているのだと僕は確信しています。
今回の僕のセレクションは、僕のお気に入りの「クルーナーとしての大滝詠一セレクション」です。
どうかENJOY !!
自分にとって大滝詠一は宇宙の星みたいに遠い存在で、だからシティボーイズとやっていた舞台の楽屋に笑いも大好きだった大滝さんがちょこんと座っているのに気づいても、しばらく現実感がなかった。何分かして椅子から飛び上がったものだ。
自分はひょっとしたら年代的にはまず、そんな風にコントライブに来てしまう大滝さんの、『イエローサブマリン音頭』系統から聞いてその精神に影響を受け、そののち「はっぴいえんど」へと遡行したかもしれず、ゆえにそのすべてから諧謔と愛とシャウトと叙情といったものを勝手に受け取ったと思う。
リズムに乗ってシャウトする系統の大滝さん。日本語をメロディに溶かしきる大滝さん。そうした二種類の柱のうち、後者はどう逆立ちしたって自分には無理だから、私はリズムの方を一生懸命いまだにやってる気がする。とてもあのリズム感は出せないけれど。
今回はそのふたつの系統から、思い出してはため息の出る十曲を選んでみた。
1981年春にニッポン放送にアナウンサーとして入社した。2月から始まった研修は挫折だらけで、この仕事には向いていないと思う日々。
参宮橋のアパートに帰る途中に立ち寄った新宿紀伊国屋のレコード店で流れていたのが大滝さんのニューアルバム。すぐに購入して以来研修の友となった。
仕事仲間の披露宴2次会の入り口で、なぜかイスを出し一人座っていた大滝さんに初めてご挨拶したのは1998年春。いきなり「上ちゃんはテリーさんの背中に乗って一緒に走ればいいんだよ」と言われた。強烈なキャラクターのテリー伊藤さんと始めた生放送で、テリーさんとの関係性をどうすればいいか迷っていた私への的確なアドバイス。大滝さんが私を認識していて下さった事がただただ嬉しかった。
以来番組や食事会で話を伺う機会を何度も頂きまだまだお聴きしたい話があったのに、気が付けば「大滝さんを送る会」の司会を拝命し、松本隆さんの弔辞を信じられない気持ちで聴いていた。
今でも「フフッ、最近のうえちゃんはアレだなぁ」と言いながら大滝さんはラジオを聴いているような気がする。初めて「ロンバケ」に針を落とした日から40年が経った春、未だにマイクの前にいるそんな私のプレイリスト・・・
もし今大滝詠一さんが1時間セットくらいのライブをしてくれるとしたら、こんなセットリストが聴きたいです。最初はパカーンとバンドメンバーと登場して、すぐムードに隠れたかと思うと、ビートがんがんのロックンロールで楽しませてくれるみたいな。フィナーレは気持ち良さそうに歌い上げるピンスポットで照る大滝さんをうっとり見守って終演を飾る。一夜にして一瞬のナイアガラの夜。
実のところ、大滝さんの作品群の中で「ファースト」が一番好きです。さあプレイリストつくるぞー!と息込んだのも束の間、リストになくて早速つまづきました。車に乗りながら口ずさみながら何周もするのが好きなんですが、本当に気持ちよさそうに歌いますね。大滝さん、素敵。
13歳の時に出逢った「A LONG VACATION」は、まるで夢の中で聴いた音楽のように懐かしく新鮮でした。特に「雨のウェンズデイ」「スピーチ・バルーン」のメランコリックなメロディーに一瞬で心を奪われ、幸せな涙を流した記憶は忘れられません。このプレイリストは大滝詠一さんのひとつの側面、狂おしいほど「甘くせつない」メロディーにフォーカスして選曲いたしました。その品格ある美しい旋律は永遠です。
大滝詠一さんを知ったのは僕が小学生の時にドラマ「ラブジェネレーション」で流れていた「幸せな結末」でした。僕は夜9時に寝る習慣だったため月9のラブジェネはほとんど見たことがなかったのですが、オープニングで流れていたこの曲は布団の中にいる僕まで届いていました。やけにメロディーが耳に残っていた僕はCDをレンタルし、何回も聴いたのを覚えています。大滝さんの紡ぐメロディーは懐かしくも新しい。そして今聴いても全く色褪せない。ポップスというのは時代を超えて初めて“ポップス”になるのだと思います。こんなメロディーを僕も作りたい、そう思うような曲をまとめてみました。
この度はこのような企画に参加させてもらって、本当に感謝しています。
東京都下の高校生時代、ちょっと早熟で、大滝詠一さんの音楽を愛聴していた僕。
大滝さんの音楽は、畳敷きの6畳間の自室から様々な場所へ旅をさせてくれました。
音楽の広がり、大人への憧れを全身に感じていたあの頃を思い出しながら懐かしく、そして楽しく選曲しました。
僕の心の旅を是非皆さんにも追体験していただきたい。
まずは大滝詠一さんの拵えた「ナイアガラ」から旅は始まり、福生、都内の野球場へと向かいます。
ここからは「大滝詠一世界の旅」。
ハワイアンサーフミュージックから始まり、シベリア、北欧、リヴィエラ、カナリア諸島まで旅は続きます。
そして旅は時空を超えて、1960年代まで。
モノクロームの思い出に鮮やかに色をつけてこの旅は終わります。
如何でしたか?
大滝さんの紡ぎ出した優れた楽曲に新たな光を与えられたなら、こんな光栄な事はありません。
ここに挙げたのは、単に大好きな曲を並べたプレイリスト、とお考えください。いちばん好きな曲と言えば「はっぴいえんど」のファースト・アルバムに収録されていた「朝」という曲。そしてヴォーカリストとしていちばん好きなのは同じく「はっぴいえんど」のセカンド・アルバム『風街ろまん』収録の「抱きしめたい」「空色のくれよん」「はいからはくち」である、ということもここに書き添えておきます。とにかく、大滝詠一さんは細野晴臣さんと並んで、若いときの自分にもっとも大きな影響を与えた人。単なる作曲家でも、単なるヴォーカリストでも、単なるサウンド・クリエイターでもない彼の音楽と、彼の音楽に対する考え方に、つよい影響を受けました。キング・ベルウッド・レーベルでリリースした『大滝詠一/ファースト・アルバム』、ナイアガラ・レーベルで発売した『ナイアガラ・ムーン』、『ナイアガラ・トライアングル』『ゴー・ゴー・ナイアガラ』といったアルバムはどれも発売日に買っています。ちなみにこのリストの中でいちばん好きな曲は、もちろん昔から不動の「サマーローション」です。これと「空飛ぶくじら」「朝寝坊」の3曲だけでも聴いてみてください。
大滝さんを一つの方向から見て語る事など不可能ですが、
今回は二枚目から二枚目半(アルバムの事じゃなく、色男度)の大滝さんの中から
いろんなタイプのメロディアス曲を選びました。
もちろん三枚目の大滝さんも大好きですが、、、。
大滝さんの音楽たちは、長年たくさんの人々の暮らしに寄り添って人生を彩ってきました。大滝さんの音楽には、日常の景色を映画のワンシーンに変えてくれる、魔法のような力が宿っているような気がします。今回は、おはようからおやすみ、そして夢の中まで、大滝さんの音楽と一緒に過ごせる休日のプレイリストをつくってみました。中には声優としてキャラクターの声でカバーさせてもらった楽曲や、私自身のカバーアルバムやライブで歌わせてもらった楽曲もあり、個人的に思い入れもたくさんある大好きな曲ばかりです。永遠に色褪せることのない大滝さんの音楽と、この先も一緒にたくさんの時間を過ごしていきたいと思っています。ロング・バケイション40周年、本当におめでとうございます!
最近、好きな人の言動や行動にやられる・翻弄される様を「くらう」と表現することに興味があります。
「くらう」と聞くとそこに痛みを感じますが、どこか嬉しそうで面白いんです。
プレイリスト用にあれこれと曲を選んでいたところ、大滝さんの歌にはそういった幸せな痛みが内包されていると気づき、「くらってる」歌がいかに魅力的であるかを感じることとなりました。
明らかにダメージのある恋、忘れられない恋、夢中になり、我を忘れてしまうほどの恋。そんなテーマです。
今回、ちょっと久しぶりにたくさんの大滝さん楽曲を聴いたんですが、その素晴らしさに大いに僕がくらってしまったことは言うまでもありません。
「A LONG VACATION」、40周年企画に参加できたことをとても幸せに思います。おめでとうございます。
「女性ヴォーカリストが歌う、素敵な大滝詠一さんの曲」というテーマで選曲してみました。大滝さんはヴォーカリストに書き下ろす際、その人の歌を何度も何度も聴き、一番魅力的な歌になるように曲を作っていたそうです。
小泉今日子さん『怪盗ルビイ』は本当にチャーミングなヴォーカル。松田聖子さんの『風立ちぬ』(松本隆さんとのコンビ!)は私のカラオケの十八番。薬師丸ひろ子さん『探偵物語』も素敵ですが『すこしだけやさしく』もいいんです。満里奈ちゃんも実和子ちゃんもなんだかとても可愛い。可愛らしくてチャーミング、そしてどこかいつもノーブル。大滝詠一さんは女性ヴォーカリストの魅力を引き出す天才だと思っています。
『真夏の昼の夢』『ドリーミング・デイ』は私のカバーを選ばせていただきました。実はライブでも『Blue Valentine’s day』『サイダー73』もカバーしていますし、『夢で逢えたら』は鈴木雅之さんとデュエットしているというナイアガラーなのですよ。
1981年、自分は17歳の軽音楽部員でした。
当時耳にした「A LONG VACATION」の音世界は新鮮かつ何故か懐かしさも有り、どうやっても高校生には再現出来ない構築美に魅了されたものです。
無理の無い美しい動きのメロディと、最適かつ最良なコードワークとアレンジメント、常にポルタメントの掛かったダブルのボーカル等、挙げればキリがないほどの「置いてけぼり感」を大阪の高校生は感じたのです。
東京の最先端って凄いなぁと。
そして、掘り下げ活動が始まってナイアガラを紐解いて行く流れになり、ワークスの全てに通ずる「徹底した完璧主義」が自分の音楽人生にも大きな影響を与えたのです。だってどの曲も今聴いても全く「古く」無いですから。
そんなわけで、選ばせて頂いたのは純粋に高校生の本間が刺激を受けた楽曲たちです。大滝さんが「日本のダンスビートは音頭だ!」と仰っていたとのエピソードを最近聞いて、妙に納得している2021年です。
大滝さんの作品は、自分が芸人や音楽活動を志す頃になって、ようやく聴いたものが多いのですが、「ロックンロールお年玉」や「お花見メレンゲ」のような諧謔性が詰まっているものは、後に自分の作る”オトネタ”の原点にもなっています。
たとえば「指切り」という曲はだるくてチルなヒップホップのトラックとして向いてると思います。僕がこの楽曲をカットアップして、ある種のオトネタとして再構築したら"先祖返り"的なことになるので是非チャレンジしてみたいですね。
「あつさのせい」は本当に熱いですし(笑)、「乱れ髪」はシリアスな楽曲なので、コミカル路線やノベルティ性とは違った、一筋縄ではいかない大滝さんの二面性的センスが感じられます。ソロになった初期に既にこういった音楽的なチャレンジをしていた革新性と現代性に気付かされますし、今聴いてもコードワークやアレンジがクールでカッコいいんですよね。「君は天然色」は楽曲中にたくさんの効果音を忍ばせているのは有名な話です。こういった実験的なことも含めて宝箱みたいな楽曲だなと思いますし、僕のオトネタもそうありたいと思っています。
中学の頃、ラジオ関東「ゴー・ゴー・ナイアガラ」を聴いていた思い出がありますよー!
ゴー・ゴー・ナイアガラという番組名といい、まるで日系2世のようなエキゾチックな語り口といい、オールディーズの取り扱い方のセンスといい、ソウル電波ビリビリのザラついた音色といい、それが福生Air Base周辺の45スタジオからラジオ関東を経由して発信されてるって言うんだからね。もうねぇ「本当にこんな番組あったっけ?」みたいなマボロシ感がトグロを巻いておりました。深夜放送であるが故、夢現つの脳で聴いていたから尚更でしょう。
だから僕にとって大滝さんは夢の中で出会った人。まるで宇宙人のよう。だから大滝さんの楽曲のすべてに夢感、マボロシ感が名残っているのでございます。で、今回は「そんな中でも特にコレ!」というのをセレクトしてみました。日によって若干変わりますが、今日の時点ではこんな感じですよー! イイネ!イイネ!イイネ!
「ナイアガラトライアングルVol.2」を初めて聴いた時の衝撃。狭い自分の部屋がどこか知らない異国の風景となり、陽の光も風の音もキラキラと輝きました。
当時小6。音楽の素晴らしさに打たれました。
今でも、このアルバムを聴くと胸がときめきます。
その後、少し大人になってから聴き漁ったはっぴいえんどや大滝さんのソロ曲の数々。
ソロファーストアルバム「大滝詠一」は、気だるい午後、何もせずに過ごす、少し蒸し暑い日を思い出す。
大滝さんの曲たちを聴くと、喜びやら悲しみやら、青春の彩りを思い出すのです。
大滝詠一さんの楽曲の、歌謡曲の持つ陶酔感をもっと押し出したようなアレンジとミックスがとても印象的で、そういった楽曲が中心になっています。
何度目を擦っても晴れない靄のように、ウェットに振り切ったEACH TIMEのミックスはとてもサイケデリックで、宇宙空間をワープするように転調を繰り返すソングライティングは、果てしなく情緒的です。A LONG VACATIONの楽曲群は、個性とアイデアを煮詰めて凝縮させたような、誰にも真似することのできないものだと思います。大滝さんのどこにも媚びない、且つ誰にも真似させない確固たる作家性は、僕や多くの音楽家が見習うべきだと思います。このプレイリストを聴きながら、大滝さんの実験的芸術的ポップスを楽しんでいただけたら幸いです。