制作スタッフインタビュー
脚本家座談会

元永監督は前回のインタビューで風天和尚がお気に入りと話していましたが?
大西
もともと出ないって話でしたけど(笑)。

根元
最初は出しようがないかなと思って真っ先に出さないキャラとして決まっていたんです。実際1話目の初稿には登場していません。2稿目で登場させてからどんどん膨らんできてびっくりしました。

元永
外すキャラのひとりだったんだけど、いつの間にか1話目に出るだけでなく全編でてくるキャラクターになってましたねえ。
敵キャラもたくさん登場するようですね。
根元
僕的には後半のギルハカイダーがすごく好きです。悪役らしくて。前作のギルはちょっと神がかり的なところがありましたけど、今回はちゃんと人間の執念とか憎悪があるという感じでしょうか。機械の身体になって逆に人間臭さが出てきているのは面白いと思います。

大西
極力原作にあるキャラクターは出そうという前提で進めていたので、ガッタイダーとかもどうやって出せるかなと色々検討してました。結局かなり網羅できましたね。

根元
出番の少ないキャラクターにもちゃんと見せ場がありますし、敵キャラに限らず。なるべく全てのキャラクターをちゃんと見せてあげたいなと考えていたので、その為には原作を完璧に追う訳にはいかないんです。いかにパーツを散りばめて再構築するかという…。

元永
ワルダーは出るか出ないか微妙ですけど(笑)。

根元
彼はマンガでもほとんどロボットの姿では出てきてませんからねえ。

大西
エイロボもカニロボも出てきますし、出てこないのはナメクジロボットくらいですか?

元永
あれはさすがにスピード感が無くて(笑)。

根元
00(ダブルオー)※2の出し方も迷いましたね。出そうということも、「このへんのタイミング」ということも決まっていましたけど、実際どう出すかというのを最後まで考えてました。ダブルオーは初の映像化になりますし悩みましたね。

大西
00は謎が多かった。わからないことだらけで。どう変身するのかとか。あと今回サイドマシーンとダブルマシーンがかなり活躍しているので、零だけマシーンが無いというのがつらかった(笑)。移動シーンが書けないですから。

元永
サイドカーにちょこんと座っているのも可愛くなっちゃうし。

大西
今回のキャラクターはみんな膨らませていく楽しみがありましたけど、00に関しては今まできちんと描かれていないので特に楽しめた感じですね。

※2
キカイダー00(ダブルオー)。またの名を零(レイ)。
キカイダー兄弟の末弟。マンガ版にのみ登場するキャラクターで実写化はされていない。
マンガでは光明寺博士の残した設計図を基にジローが作り上げた。
森作品にはマンガとしての魅力とはまた別にキャラクターの魅力ってありますよね。制作スタッフの方々やファンの皆さんが感じ取って広げたいと思わせるような。
根元
素材が良いんでしょうね。着眼点というか。今回やってみて石森先生の作品って良い意味で完成されていないんだと思ったんです。だから僕たちが入る余地がある。だから30年後の今こうしてリメイクされていて、しかも今回のOVA,前作のTVシリーズ,それからMEIMUさんの「キカイダー02」とそれぞれ違う方向性、だけどみんな見事に「キカイダー」になっている。すごいですよね。
お話を聞いているとますます完成が楽しみになってきます。では最後にファンの皆さんへ一言を…
根元
監督も言ってましたけどとにかくアクションです。カッコ良さとドラマチックな部分が一緒になったアツい作品になっていると思うので、その辺を楽しんでもらえればと言う感じです。

大西
とにかく楽しんでください。書いている私たちも上がりが本当に楽しみな作品です。
今日はどうもありがとうございました!
インタビュー風景
↑左から監督・元永慶太郎氏、大西信介氏、根元歳三氏
(4/4)
■1 ■2 ■3 ■4