今作は、“The Wall of Sound”の完成期ともいえる1962年から64年に、フィル・スペクターのプロデュースによりレコーディングされたフィレス・レコードのオリジナル・アルバム6作品を初めてCD化したもの。当時全米TOP20入りしたシングルが8曲含まれるなどヒット曲を含み、各アルバムには“ウォール・オブ・サウンド”が表現した世界をそのまま、オリジナルのモノ音源から最新リマスターを施し、当時のLPジャケットを紙ジャケット仕様で再現し、豪華コレクター・ボックスに収録。またボーナス・ディスクとして文字通り入手困難なフィレスでのオリジナル・シングルのBサイド集も封入。当時のフィル・スペクター・サウンドの歴史を詳細に解説したブックレット(英文/対訳)付き。ちなみに本作に収められたフィレスのオリジナル・アルバムは、一度もオリジナルの形で再発されたことがないこともあり、LPは今なお超高値で取引されている。中には中古盤市場で数百ドルが付けられているものもあり、過去に一度もベスト盤などに収められていない曲も多数含まれることから、フィル・スペクター・ファンのみならず、アメリカン・ポップス・ファン垂涎の貴重なアルバムばかりだ。なおDISC-7に収録の「Dr. Kaplan's Office」は、音楽番組「GO! GO! NIAGARA」(ラジオ関東(現ラジオ日本)〜TBSラジオ)のテーマとしても有名である。