「誰もが何者かになれる場所」をコンセプトに、何者かになりたいクリエイター達をバックアップするプロジェクト「Story by Story SHIBUYA」。

スペシャルインタビュー第二弾は、本プロジェクトのアートワークを担当した気鋭のクリエイティブ・レーベルPERIMETRONより、Producer/Creative DirectorのSasaki Shuさん、Art Director/DesignerのMargtさん、Digital ArtistのKanbe Yuheiさんの御三方にご登場いただきました。進行役は、編集者・プロデューサーとして活躍する原カントくん。

彼らが、『Story by Story SHIBUYA』のロゴデザイン・キービジュアルに込めた思いとはなんなのか・・・早速、チェックしてください!

CROSS TALK Talk session Vol.2

Interview with PERIMETRON

先日「Story by Story SHIBUYA」の製作委員会の方々とお話させていただく機会を頂いたんですけど、そもそも彼らが目指すプロジェクトのゴールイメージがPERIMETRONに近いのかな、と個人的には思ったのですが…、PERIMETRONが最初、本プロジェクトの概要を聞いたとき、どんな印象を持たれましたか?
Sasaki
うーん。ぶっちゃけ言うと、「ホントにかっこいい人がちゃんと集まるのかな」って不安がまずあって(笑)。

オーディションの公式HPのインタビュー第一声が「不安です」っていうのは、ある意味、画期的ですよ(笑)。いや、でもホントそう思います。
Sasaki
というのも、この手のオーディションって風呂敷は広げたものの、
実際に格好いい人が来るほうが難しいじゃないですか。尖っている子ほどこういうオーディションに警戒するんじゃないかな、と思って。
「ちゃんとかっこいい人が来てほしい」っていうのが今の純粋な思いですね。
Margt
いきなり飛ばすな(笑)。
Sasaki
いや、俺、ちゃんと載せたほうがいいと思うんですよ。「本当に、かっこいい人が来るのかな」って不安を。だって、それがリアルじゃないですか、こういうオーディションで出てくるアーティストって大体ダサいんじゃないか、みたいなことって。

大人の企画ありきで発信したオーディション企画って、大抵ろくなことになりませんからね(笑)。でも、このPERIMETRONさんのインタビューがまるっと載るだけでも、この企画が普通のオーディションとは違うってわかってくれると思いますよ。
Sasaki
うん。そう、普通のオーディションに応募しないような、尖った人がたくさん集まってほしい。

そもそも、この「Story by Story SHIBUYA」って、オーディションなのかどうか、もわかりませんよ。エントリーする過程自体がコンテンツみたいなもんですから。このキービジュアルやロゴを手掛けられたMargtさんは最初、どう感じました?
Margt
僕も最初きいたときに、「ほとんど何も決まってない」って言われて(笑)。でも、逆に面白いって思ったんですよね。発掘オーディションっていうよりは、クリエイター志願者のテラスハウスみたいなもんが始まるのかな、って思って(笑)。
Kanbe
それ、怖いね(笑)。
Sasaki
いやー、むしろ最近の恋愛リアリティ番組みたいに参加者同士が潰し合ってほしい(笑)。
Margt
俺もそこに入りたい。

今回、エントリー資格が女性限定っていうことみたいです(笑)。でも、なんだかんだ実際出来上がったロゴとキービジュアル、無茶苦茶カッコいいじゃないですか。
Sasaki
今回、プロジェクトの運営と参加者の関係性が、クリエイティブチームとバンドみたいなもんだってことをきいていたので、ある意味、クライアントのことをあんまり意識しないで、こっちが作りたいものを作ってみた感じですね。で、それが通っちゃった(笑)。

ロゴデザインは、PERIMETRONさんの仕事にしては非常にフラットな仕上がりかな、と思いました。
Margt
最初は結構、パンチあるイメージのロゴとか作ってたんですよ、ゴミ袋をモチーフにしたりとか、ステッカーの貼ってるようなイメージとか。でも、よくよく話を聞いているうちに、むしろ途中でオーディションに参加した女の子たちがリデザインしていけるような、無垢でシンプルなロゴがいいんじゃないかな、って思って。
真っ白な画用紙を用意してあげたような。
Margt
そう。それこそ本プロジェクトをYouTubeで配信するって時に、そういう回があっても面白いじゃないですか。「皆でロゴを作ってみようぜ」っていう。そもそも僕らも全然、イジってもらっていいと思っているんで。

このプロジェクト自体が「未完成を楽しむ」みたいな側面があるので、ロゴデザインもある意味、未完成で発信するっていうのは面白いですね。
Margt
このロゴ自体が、プロジェクトに参加する皆のおもちゃになってくれればいいんじゃないですかね。
Kanbe
いいこと言ったね(笑)。
Sasaki
まさに、そう。

今回、プロジェクトの第一弾が「女性アーティスト募集」ですよね。PERIMETRONの皆さんは、最近の若い女性を見てどう感じていますか。渋谷自体が、若い女性が引っ張ってきた街ですけど。
Kanbe
うーん、何となくですけど、下の世代の子たちのほうが、自分たちの世代よりも元気な気がしますね。ただ純粋に、やりたいことやってる女の子が多い気がする。

SNSとか一人一人が、発信の道具も持っている時代ですもんね。今回、どんなマインドを持った女子たちが集まってくれると嬉しいでしょう?
Sasaki
「めっちゃ金が欲しい!」ってだけのヤツとか来てほしい(笑)!

斬新すぎますよ、そんなオーディション(笑)。
Sasaki
生命力がありそうじゃないですか。そういう人って。
Margt
サバイブ能力、大事ですからね。
Sasaki
そう。そういう子たちのほうが、いい意味で分かりやすいというか、普通のオーディションだと受からないし(笑)。でも、さっき言ったように、このオーディションって普通じゃないんですよ。普通のオーディションに来ない人が来るっていうのが一番いいんですよ。

間違いないですね。オーディションっていうと、目立ちたい人だけがエントリーするイメージですけど、今回の場合、そうじゃないですから。ある意味、裏から操って「メイク・マネー」したいだけのプロデューサーでも応募OKですもんね。
Margt
純粋に、やりたいけどやれないみたいな人たち、陰キャラみたいな人たちが大量に応募してくるオーディションとか面白いなー。凄いことになりそう。神戸は、どう?
Kanbe
もう全部。言われてしまった。
Margt
いや言えよ!自分の言葉で(笑)。

いえ、無理に大丈夫です、スミマセン(笑)。

最初言ったように、今回の目指すチームが割と、PERIMETRONさんに近いイメージみたいなんですけど、PERIMETRONさんみたいに1人1人が自由に個性を発揮しつつ、チームを組む意味ってなんなんですかね?分解しそうで分解せずにいられるみたいな。
Sasaki
うーん。そもそも、俺がリーダーとして全員の生活を担保してるつもりもないし、ある程度はもちろん気にかけるけど、親戚みたいな関係なのかな。ドライじゃないんだけど、各々の意見は尊重しつつ、その付かず離れずのバランス感が割と持続する理由でもある気がするんですよね。自分が好きなことをやれてれば、そのやること求められていることがチームである理由だと思うし、もしやりたくないことをやるんだったら、チームである意味がないとも思うし。

今の面白いですね。PERIMETORONの中でも、いい意味で緊張関係というか、競争関係があるっていうことか。
Sasaki
他のメンバーがいいもの作ったら、やっぱり悔しいなと思うし。でもそれってすげえ大事なことじゃないですか。一発食らわせたいみたいな。それは全然あっていいことだと思う。

でも、今回のプロジェクトはまず、女子だけのチームですからねー。もう今から想像しただけでヒリヒリしますね(笑)。
Sasaki
あ、でも面白いかも。女の子同士って、気を遣いあってその場では主張しづらい場面とかも多いじゃないですか。でも、今回はもう、自分がかっこいいと思うこと、かっこ悪いと思うことはフラットにぶつけあったほうがいい気がする。そこから面白いものが生まれそうだし。
Kanbe
俺の中では、今回のキービジュアルに登場させた女子たちが割と来てほしい女の子の理想のイメージなんだよなー。
このPERIMETRONのアジトの屋上にスックと立っているような、このビジュアルですね。Kanbeさん、そこ、意識されて作られたんですね。
Kanbe
意識はしました。あそこにいる女の子たちって「楽しい」が、それぞれ違うイメージなんですよ。みんなでクラブとか行ってわいわい騒ぐのが楽しいやつもいれば、1人で黙々とパソコンに打ち込んでいるのが楽しいっていう子もいる。いろんな「楽しい」を、それぞれ一人一人持ってる。そんなチームをイメージして作ったんですよね。PERIMETRONもそうなんですけど、もともと最初から、皆が同じ楽しいを持ってたわけじゃなくて、みんなそれぞれの「楽しい」があって、それらが合わさったときに新しいものが作られる、みたいな感じ。そんな女子たちが集まってくれると嬉しい、と思ってます。

うわ、めっちゃいい話!

PERIMETRON 鬼才音楽家・常田大希、プロデューサー/デザイナー・佐々木集、映像作家・OSRINを中心に2016年より本格的にクリエイティヴ・レーベルとしての活動を開始。
3Dヴィジュアルエディターらを含むクリエイター陣が集い、様々なアーティストのMVからブランドCMやファッションフィルムを制作。
映像ディレクションの他、ジャケットアートワーク、プロダクトデザイン、スペースデザイン、雑誌でのグラフィック連載などジャンルに縛られない多方面な創作活動をおこない、現在東京で最も刺激的でカッティングエッジなクリエーションを生み出す存在として、急速に注目を集めている。

注意事項