ジョンとヨーコの「日本との関わり」
(©Yoko Ono Lennon)
現在、ソニーミュージック六本木ミュージアムで開催中の『DOUBLE FANTASY – John & Yoko』東京展(以下「ダブル・ファンタジー展」)は、好評につきオノ・ヨーコの米寿、88回目の誕生日2月18日まで会期延長!2021年1月13日は、ジョンとヨーコが初めて2人一緒にお忍び来日してからちょうど50年。この機会にジョンが日本の文化に触れ、感銘を受け、日本との絆を深めていった様子を「ジョンとヨーコの日本との関わり」としてこちらにまとめてみました。パート1は1971年の来日関連、パート2は1977年以降の来日関連をまとめています。
<ジョンとヨーコの「日本との関わり」パート1>
*ジョンとヨーコは、70年代以降、71年、77年、78年、79年とプライベートで日本を4回訪れている。
*2人で初めてお忍びで来日したのが1971年。1月13日から25日までの約2週間の滞在・・・この時の帝国ホテルでのインタビューが今回復刻される超レア盤「特別インタビュー」の東京編に収録
*この時の来日の主目的はヨーコの両親にジョンを紹介することだった
*ロサンゼルスから豪華客船で13日の朝に横浜港に到着。
*14日靖国神社、15~19日京都、比叡山延暦寺などへ行き、京都では温泉宿に泊まる(2人の日本の浴衣姿の写真も存在している)
*20日東京へ戻り、藤沢市のヨーコの実家に行って母親の手料理を食べる
*東京・湯島にある骨董店「羽黒洞」で松尾芭蕉の俳句「古池や蛙飛びこむ水の音」の短冊に魅せられ買う。
「僕がこれを買って海外に持って行くことを、どうか嘆かないでほしい。ロンドンに帰ったら日本の家を建て、日本の茶席を造り、日本の庭を造り、日本のお茶を飲み、床の間に掛け軸をかけて、日本人の心になってこの芭蕉を朝夕見て楽しむから。日本人に売ったものと思って嘆かないでほしい」と語る
*歌舞伎座で中村歌右衛門と中村勘三郎の『隅田川』を観覧し涙する(セリフは全くわからないのに、殺された我が子を見て母親が泣き崩れる場面を見て涙を流すジョン)
*歌右衛門の楽屋を訪ねて「ぜひロンドンに来て『隅田川』を最初から演ってほしい。とても感激した」と伝える
●「ジョン・レノン&ヨーコ・オノ 特別インタビュー 1971年1月25日(帝国ホテルにて)」について
*ジョンの『ジョンの魂』とヨーコの『ヨーコの芸術』に添付されたはがきを送ると、抽選で1000名のみに当たるという非売品。今やオークションでは10万円以上の値がついている
*今から約50年前、1971年1月にジョンとヨーコがお忍びで来日。2人はLAから豪華客船船で日本にやってきて、目的はジョンをヨーコの両親に合わせることだった。この日本滞在中に帝国ホテルで収録されたインタビューが今回復刻される超レア盤に収録。歴史の1ページとなるその貴重な記録集が、2020年に東京で開催された《DOUBLE FANTASY - John & Yoko》展を機に復刻。
<収録されているインタビューの内容で面白いところ:>
●日本のファンへのメッセージ・・・ジョンのメッセージをヨーコが通訳
ジョン「ハーイ、ジョン&ヨーコです。日本のみなさん、僕たちがこの美しい国を静かに楽しんで、美味しい日本食を食べる機会をくれてありがとう。僕たちジョン&ヨーコの新しいアルバムもぜひよろしく」
ヨーコ「日本の皆さん ありがとうございました プライベートな静かな旅行をしたかったので それをよくわかってくださって、ほっといてくださって、本当にありがたいと思っています。(ヨーコは)7年振りに帰ってきたんですが、懐かしくて、ジョンもとっても喜んで 彼は朝から晩まで日本食を食べて歌舞伎をみたりして凄く感激してました。あたしとしては母にあって母の手料理を食べさせてもらったのが一番嬉しかったかなと。」
●ポールがロンドン高等裁判所にビートルズ解散の裁判を起こした(1970.12.31)の直後のインタビューだった
ヨーコ「ゆっくりしたかったけど裁判の関係もあって、ロンドンにすぐ帰るように言われているもので、ゆっくりできないわけなの。今度来るときはもっとゆっくりして、報道陣の方にもちゃんとお会いしてお話しできればと思ってます。 あたしたちのために静かにしてくれて。展覧会でもしに来ようと思ってます」
●俳句や禅
ジョン「俳句は今まで僕が読んだ中でも最も美しい詩だと思う。僕も自分の詞を俳句みたいにシンプルにしていきたいね」
ヨーコ「最近非常に俳句に影響を受けているんですね、彼は。俳句は自分の読んだ詩の中で一番美しい形態だと思って。だからあの、自分の書く曲はもっと短く簡潔に、俳句的になっていくんじゃないかと思う」
ジョン「僕が作ったばかりのアルバムも、歌詞も音もとてもシンプルなんだ。禅の精神がある気がする。カブ…何だっけ」
ヨーコ「歌舞伎?」
ジョン:いや、「シブイ」だ。このアルバムは「シブイ」。
●平和運動
ヨーコ「若い人のひとりひとりが平和を考えてほしい。暴力を使わなくても…コミュニケーションてものを使ってね。コミュニケ―ションによって人の心に触れることだから。それはやっぱし愛情のひとつでしょ。みんながお互いに愛情を示しあって、誤解がないようにコミュニケートしていけば、そこに逃げ道があると思うんですよね。暴力に行く前にね。まだ世界は捨てたものじゃないと思うんです。それは若い人一人ひとりが意識するってことをしないとね。」
●弾き語り
ヨーコの平和活動に関するメッセージのバックでジョンが「サン・キング」と「ディア・ブルーデンス」のギター・リフを弾いている場面と、最後に「平和を我等に(Give Peace A Chance)」を歌う場面あり(ジョンが日本語でアノネ、モシモシと合いの手を入れている)
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https://110107.com/john_yoko
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●「ジョン・レノン&ヨーコ・オノ 特別インタビュー (1971年9月2日 ニューヨークにて)」について
*ジョンの『イマジン』とヨーコの『フライ』に添付されたはがきを送ると、抽選で1000名のみに当たるという非売品。今やオークションでは10万円以上の値がついている
*日本から帰国して8か月後、名盤『イマジン』の発売直前にNYセント・レジス・ホテルで収録。なんとその前日にはジョージ・ハリスンとボブ・ディランがホテルの部屋にやってきたとのこと(その時の写真の一部が今回復刻するジャケットに掲載されている)
<収録されているインタビューの内容で面白いところ:>
●『イマジン』について・・・この段階ではリリース前
ジョン「『イマジン』はとてもリラックスしたアルバムだと思うね。曲の方の「イマジン」は「労働階級の英雄」とほとんど同じだけど、それを子供に聴かせるような感じにしたんだ」 「前回のアルバムを作ったとき僕はあごひげを生やしていて、髪も今より長かった。今はひげを剃って違うアルバムを作った。今回はひげを剃るようなものだよ。このアルバムはひげを剃った後の僕の姿なんだ。前よりちょっとクリーンな見てくれになったけど、基本的なメッセージは同じなんだ」「人々により受け入れられやすくなったんだ」
●参加ミュージシャンについて
ジョン「(今回は)ドラマーが変わったんだ。リンゴは映画の撮影で忙しかったから、以前も使ったもう1人のドラマー、ジム・ケルトナーを起用したんだ」「それから、アルバムではジョージが結構ギター・ソロを弾いているんだ。「兵隊にはなりたくない」、「オー・マイ・ラヴ」、それから「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ」、「真実が欲しい」でジョージがギターを弾いている」「ジョージと僕は2人とも、「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ」のギター・ソロが今までで最高だったと思っているんだ」「そしてジョージは「ハウ?」がこれまで聴いた曲の中で最高だと言っていたよ」
●ポールについて・・・新しいバンドWINGSを結成した直後のインタビュー
ジョン「凄くいいと思ってる」。「そろそろだと思うしね。まあプラスティック・オノ・バンドの方がずっと早かったけどね。僕たちの方が先だった。もういい加減、彼も独立してなんかやるときじゃないか」
●社会?サカイ?ジョンの日本語
*ヨーコが訳している時「社会」という言葉を真似て、ジョンが突然日本語で「サカイ」と言う(日本語を勉強していたジョンが、この言葉を耳で聞いてすぐ口にしてみたかったのか?)
ジョン「「クリップルド・インサイド」は社会に対する意見なんだ。うわべだけの嘘の社会の中には別のものがある。
ヨーコ:社会に対するコメントとして「クリップルド・インサイド」はとても強い訳ですね。
ジョン:「サカイ」(社会)。
●ボブ・ディランとジョージ・ハリスン・・・このインタビューの前日にホテルに2人がきた
ジョン「彼らはヨーコのアルバムを楽しんでいたんだ。彼女の「ミッドサマー・ニューヨーク」と「ミセス・レノン」をね。2人とも素晴らしい曲だと評価してくれたよ」
(ボブ・ディランについて)
ジョン「とても恥ずかしがり屋だね」「だから彼とはいつもとても静かに話をするんだ」
(このインタビューの直前に行われたバングラデシュコンサートについて)
ヨーコ「みんな私たちがでると思ってたみたい。ボブもジョンがでるから参加したみたいなことを言っていた。だけどもあたしたちはね、キョーコの裁判でごたごたしてたので、あたしたちにとってはとても大きな問題なんですよね。そんなときにお祭り騒ぎをしたくなかった」
●日本庭園
*ジョンは日本庭園、茶室を英国のジョンとヨーコ邸に作ると語っている
インタビュアー「ニューヨークへ来て僕2日間なんですけど、ジョンがさかんに日本の素晴らしいところを語っていた。特に京都のこととか。昨日もジョージに素晴らしい素晴らしいと連発してて」
ジョン「Yes I Love Japan、日本が大好きなんだ。だから自宅に和室と日本庭園を造るんだよ」
ヨーコ「日本のお庭と日本の部屋を私たちのアスコットの家に作るんですよ。もしかしたらお茶室も作るかもしれませんよ」
ジョン「ジョージも日本庭園を造ろうとしているんだ」「彼の古い家に前からあったのを発見したんだ」
ヨーコ「でもその日本のお庭がね、昔のもので荒れてるので直したいと言ってた。あたしたちのために日本から庭師が来てもらう時一緒に直してもらおうって話してたの」
●歌舞伎のモノマネ
*極め付きは、あのジョン・レノンが歌舞伎のモノマネをやってる!女形の真似も含めてこれがなかなかうまい!(71年1月に来日した時に歌舞伎座で『隅田川』を観覧し涙する。1回しか見てないのにこのモノマネは凄い)
●ジョン&ヨーコ幻の超レア・アナログ盤『特別インタビュー』ダイジェスト
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<ジョンとヨーコの「日本との関わり」パート2>
1975年息子ショーンが生まれた後、音楽活動休止、主夫生活(ハウスハズバンド)となり、音楽活動を再開する1980年までショーンを育てる。その間ジョンはヨーコとショーンとともに77年から79年にかけての3年間、毎年日本にやって来た。
●ジョンは日本語を真剣に学んでいた
ジョンが日本語を学び理解するためにローマ字とイラストで日本語の単語や表現を綴っていた日本語練習帳とも言えるスケッチ・ブック
・・・・展覧会の東京展独自コーナーにそのオリジナル原画が展示される(日本初公開)
(©Yoko Ono Lennon)
●日本滞在
*1977年は、5月11日から10月7日までの5ヵ月という長い期間、軽井沢を中心に過ごし、東京・北海道・京都にも足を運んだ。
*ジョンはサイクリング、水泳、ヨガを楽しむ日々を送っていたという。また、生きていた「日本で最高のすっぽんの吸い物」を飲むように勧められ、吐き気を催す、などということもあったそうだ。
*ジョンの長年のアイドルだったエルヴィス・プレスリーの訃報を耳にしたのもこの日本滞在中だった
*1978年は、6月5日から9月16日まで、東京のホテル・オークラを中心に3ヵ月滞在
*1979年は、7月28日から8月28日まで、軽井沢にあるヨーコの実家の別荘で休暇を過ごした。
Photo by Nishi F. Saimaru ©Nishi F. Saimaru / ©Yoko Ono) *鬼押出し園にて
●軽井沢
ジョンの日本滞在時長い時間を過ごしたのが軽井沢。サイクリングをしたり、お茶を飲んだりする姿が数多く写真で残っている。
*常宿にしていたのは万平ホテル、浅間山の鬼押出し園、見晴らし台、白糸の滝などにも訪れている
*この頃パーソナル・アシスタントだったのが日本人写真家・西丸文也氏。彼がが撮影した『家族生活』(82年)に、軽井沢での写真など掲載されている。・・・写真集『家族生活』の表紙にもなった軽井沢でジョンとヨーコが着ている服も、東京展独自展示コーナーにやってくる
(Photo by Nishi F. Saimaru ©Nishi F. Saimaru / ©Yoko Ono) *軽井沢にて
詳しくはこちらでも
https://ameblo.jp/high-hopes/entry-12614507390.html
【展覧会情報】
●DOUBLE FANTASY -John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン&ヨーコ)
ジョンの故郷リバプールで開催され、驚異の70万人を動員。
ジョンとヨーコの公私に渡る「愛と平和」のストーリーを二人の「言葉」や貴重な展示品で追体験できる、今一番心に響く愛の展覧会。
会期:2020年10月9日(金) ~ 2021年2月18日(木) (休館日:12/31、1/1)
開館時間:(入館は閉館時間の30分前まで)
[日~木]:10時~18時 [金・土・1/11・2/18]:10時~20時
詳細はこちら:
■オフィシャルサイト:https://doublefantasy.co.jp/
■チケット詳細:https://doublefantasy.co.jp/tickets/
■BAG ONE グルービーケース+公式図録+チケットホルダー全3種付きチケット (10,000円(税込))のアンコール販売を行ないます。(100枚限定。販売期間12/29~1/31)
チケットの詳細に関しては、オフィシャルサイトのチケット・ページをご覧ください。(https://doublefantasy.co.jp/tickets/)
■展覧会公式グッズオンラインショップ
現在すべての方にご利用いただけるオンラインショップになっております。
ダブル・ファンタジー展 公式グッズ オンラインショップ :https://shop.doublefantasy.co.jp/
■本展における新型コロナウイルス感染症対策に関して
お客様の安全を守るため以下の感染症対策を実施しております。
*詳しくはこちらをご覧ください:https://doublefantasy.co.jp/#faq_covid
【商品概要】
●『ジョン・レノン&ヨーコ・オノ特別インタビュー<東京編>(1971年1月25日 帝国ホテルにて)』 (アナログ: 10inch Clear Vinyl)
John Lennon & Yoko Ono Special Interview (Tokyo Jan 25, 1971)
完全生産限定盤 SIJ7-2 ¥3,000+税
解説:藤本国彦(ジョン&ヨーコと「日本との関わり」Part1)アートワークは日本制作、盤は海外プレス
●『ジョン・レノン&ヨーコ・オノ特別インタビュー<NY編>(1971年9月2日 ニューヨークにて)』 (アナログ:10inch Clear Vinyl)
John Lennon & Yoko Ono Special Interview (New York Sep 2,1971)
完全生産限定盤 SIJ7-3 ¥3,000+税
解説:藤本国彦(ジョン&ヨーコと「日本との関わり」Part2)アートワークは日本制作、盤は海外プレス
●ヨーコ・オノ『女性上位万歳』(アナログ:7inch White Vinyl)
Yoko Ono - Joseijoi Banzai (Part1)/ Joseijoi Banzai (Part2)
完全生産限定盤 SIKP-9 ¥1,500+税
▶上記3タイトルのアナログ詳細はこちら
https://www.110107.com/john_yoko