3/21(木)EartH London公演ライヴレポートが到着!

2019.03.26

 

3/21(木)にロンドンで行われた「Three Little London Shows」の公演初日のライブレポートが到着しました。

 

水仙、モクレン、桜……と徐々にほころぶ春の花のように新曲がドロップされ、メンバーの変化〜長い冬眠期間を経ての待望の4作目『Father Of The Bride』周辺情報が少しずつ明らかになっているヴァンパイア・ウィークエンド。注目と期待とが日に日に募っている絶好のタイミングで、「Three Little London Shows」と題した3公演が開催された。その初日の模様をレポートしよう。

 

 

 

 会場はトレンディな東ロンドンに昨秋オープンしたばかりのアート複合施設EartH。かつては映画館だったというオーディトリアム型のホール、まずその親密さに驚く。今やフェスのヘッドラインやアリーナ級の大箱を埋めるまでに成長した彼らをキャパ700人程度の会場で観れるのは僥倖だ。アルバム・リリースに1ヶ月以上先行した段階ゆえに照明とスモーク以外ステージ演出はないに等しい=いわばウォームアップ的なショウでもあったが、バスドラにはアルバムのヴィジュアル要素のカエルとヘビのイラストが描かれていて嬉しいし、この3公演向けに特別にTシャツ(こちらもカエルのイラストがあしらわれていて、実に可愛い!)まで販売されていたのはファン泣かせだ。

 

 

 

 8時半頃に客電が落ち、約5年ぶりのロンドン単独公演にふさわしい「お帰り!」の熱〜い歓声とスモークを縫って登場したバンドは昨年のフジ・ロックと同じ7人編成。のっけから〝ハーモニー・ホール〟の繊細なグルーヴがじわじわ広がっていき、音のスケール感/たくましさといいアウトロのアレンジぶりといい、既にライヴ向けに練り込まれているのに驚かされる。新作からは公開済みの計4曲がこの晩披露されたが、いずれもギター/キーボード/パーカッション奏者のソロやジャム、ループの遊びを折り込みひねりを加えることでサイケからパンクな疾走、抽象的なエレクトロにクラシック〜ジャズ……といった具合に次々に変化。1曲の中での可変性と拡張度とが実に高いのだ。

 

 

 この醍醐味は〝アンビリーヴァーズ〟、〝ステップ〟といったサード収録曲や〝ニュー・ドープ.ニュー・ヨーク〟といったトラックでも活きていたし、かといってプレイヤーの腕のひけらかしに陥ることはなくあくまで楽曲の潜在能力を引き出してフレッシュに提示することが主眼というバランス感覚も絶妙だった。彼らの存在を鮮烈に印象づけた1、2枚目の人気曲〝ホリデイ〟や〝ケープ・コッド・クワッサ・クワッサ〟、〝カズンズ〟、〝A―パンク〟他が軽やかなリフやポリリズム、アタック感を惜しみなく繰り出すたびに場内もはじけまくっていたが、その初期のタイトな折り目正しさが詰襟のスマートさだったとすれば、現モードの彼らはシャツの第2ボタンくらいまで開けている。アンコールで観客からリクエストを募り柔軟に対応し、終演時に最前列の女の子ファンからチョコレートを受け取る微笑ましい場面もあったり、彼らのフレンドリーさは今に始まったことではないごく自然なものだ。けれども、この晩のライヴはそのオープンさと自由とを音楽そのものにまで広げていたと思うし、開け放たれたドアはもっとたくさんの人間を呼び込むはずだ。バンドとして進化したヴァンパイア・ウィークエンドの次なるフェーズを確信させる、素晴らしいライヴだった。

 

 

文:坂本麻里子

Photos by Emma Viola Lilja

 

 

<SETLIST>
Harmony Hall
Holiday
Unbelievers
Cape Cod Kwassa Kwassa
White Sky
Sunflower
Step
2021(album version)
2021(piano version)
Horchata
NEW DORP. NEW YORK
Hannah Hunt
Diane Young
Cousins
A-Punk
Oxford Comma

(encore)
Big Blue
Finger Back (Request)
Everlasting Arms (Request)
M79 (Request)
Worship You
Ya Hey

 

 

 

 

 


rss