ウ゛ィジュアルがタイガー・ウッズに似てるところから命名された「TYGA(タイガ)」。世界最高峰の人気ロック・バンド、フォール・アウト・ボーイに大々的にバック・アップされ、第51回グラミー賞で最多8部門にノミネートされ4部門を制覇したリル・ウェインが「俺はTYGAを超リスペクトするぜ」と太鼓判を押す男！

ストーリー

そう遠くはない昔、TYGA(本名マイケル スティーブンソン)は、彼を取り巻く困難な環境から抜け出すことに必死になっているただの青年だった。カルフォルニアの悪名高いCompton(コンプトン)で生まれ育ち、武器などを持つ代わりにアマチュアのミックステープと熱い思いで武装し、素晴らしいライブショーとオンラインバトルで地元の確固たる評判を得た。とはいえそれでもまだ、自分は“大ブレイク”できるだろうかと高嶺の花を夢見ていた一人の少年であった。そしてある日、LAで人気のスニーカー店で話していた会話が全てを変えたのであった。

Flight Club LA（前述のスニーカー店）の店内で、彼とGym Class HerosのTravis McCoyは今までで一番最高のNIKEのエアジョーダンはどれだという話から、一番最高のラッパーは誰だという話まで、熱く論議を交わしていた。「僕たちは音楽について話し始めたんだ、それで彼に僕の小さなミックステープを渡す勇気が出たんだよ。」とTYGAは言う。「Travisは彼が彼のバンドでしていたことを僕に話してくれたんだけど、僕は彼がカッコつける為にただ嘘をついているだけだと思ったんだ。」そしてある日、彼がMTVに出ているのを見て、それ以来AIM（AOLのインスタント・メッセンジャー）で彼にひっきりなしに話しかけるようになったんだ！」と静かに笑いながら言う。「そしてその次には彼と世界中をツアーで回ることになるんだ。それはもう最高だったよ。」Travisはこう話す、「彼がパフォーマンスをする時はいつでも、自分自身が彼の年だった頃を垣間見れるんだ。近頃の多くのアーティストにはかけてしまっている無邪気さと切迫感があってね。彼を僕らの輪の中に迎え入れることができてすごく光栄に思っているよ。」そしてTravisはTYGAと契約を交わし、自分のBat Squadレコードに迎え入れた。そして真の絆が生まれたのだった。

TYGAはすぐにGym Class Heroの非公式メンバーとなり、彼の紛れもない存在感は様々なイベントやショーなどで感じられた。そして人々は「この少年は何者だ！？」と疑問に思い始めた。彼が本当の意味で自分自身が輝くチャンスを辛抱強く待っている間に、彼のカリスマ的な自信に満ちた態度は既にスターとしてのオーラを発し始めていた。

そしてその瞬間は2007年のMTV Video Music Awardsの時に訪れた。ショーの前夜、TYGAはトラヴィスとリル・ウェインと一緒に、Fall Out Boyと“Arns Race”のリミックスを演奏することを知った。予想外にそのような大きな舞台に立つことになると、ほとんどの若いアーティストはプレッシャーでボロボロになってしまうであろう。しかしTYGAは、そうなる代わりに、さらにやる気を出し、何百万人もの聴衆が見ているポップカルチャーの大物たちばかりが出演するステージ上で、ヴォーカルジャブを打ちまくった。真のスターが登場した瞬間である。

その少年の活気にすっかり感銘を受け、TYGAとWeezy（Lil Wayneのニックネーム）は親友となった。Wayneは「リハーサルで、俺は彼がただの代役だと思ったんだ。でもカメラが回りだして、彼がお試しでやっているんじゃないってわかったんだよ。」と思い返す。その後すぐTYGAは、“greatest rapper alive（現存する中で最も優れたラッパー）”と自負するLil Wayneと共に、ここ数年間のうち最も待ち望まれたアルバム、Lil Wayneの“The Carter 3”の為に数小節を録音するべく、スタジオに入ることとなる。

有能なタレントを見つけることで有名なもう一人のミュージシャン、Fall Out BoyのベーシストPete WentzもTYGAに注目していた。彼は自身のレーベルDecaydanceに、Bat Squadと一緒になってTYGAをリリースしようと興奮気味に勧めた。「Gym Classの成功は僕たちにとって沢山の門戸を開いた。」とPeteは言う。「そうさ、確かに違うものではあるけれど、もし皆が大好きで誰でも持っているようなものを作り出すのだとしたら、全く面白くないだろう。僕にとってはこれ（＝TYGAのリリース）が未来なんだ。」


マスコミも、BlenderやAOL.COM、MTVなどでの早い段階の露出に注目した。VIBEマガジンは彼のことを“アメリカでまだ発掘されていないラッパーの中でピカイチ”だと賞賛した。そして物事が有利に動き出したという機運は、いつまでも謙虚でいるアーティスト・TYGAについて回り、衰えることを知らない。「このようなすばらしい人々が僕のことを信じてくれているということは、本当に幸せなことだと思う。僕は本当にラッキーだし、色々なところに出て行って、皆に誇らしい気持ちになってもらいたいよ。僕はただ前向きな気持ちで、神様に忠実でいるよ。そうしたら素晴らしい結果がもたらされるだろう。」

TYGAのうまく名づけられたデビューアルバム“NO INTRODUCTION”はこの春にリリースされる準備が万全だ。リードシングルであるSAM&Sluggo（Gym Class Heros, Method Man）プロデュースによる“Coconut Juice”はラジオを席巻するであろう曲だ。TYGAはこのユニークなフレーズの意味についてこう説明する「俺はお酒を飲まないんだ。だからパーティーではお酒以外で見つけたものを何でも混ぜてコップに入れ、それを持って歩き回るんだ。誰かに何を飲んでるのかと聞かれた時には『‘ココナッツジュース’だよ』って答えるのさ。だってなんだか面白いだろ。だからそれについての曲を作ったんだ。」アルバムはPatrick Stump（Fall Out Boy、The Roots、Lupe Fiasco）やStress（Ghostface Killah、Cassidy）による様々な楽曲も収録していて、またStumpやTravis、Lil Wayneたちも参加している。さぁ皆さん、今最も有名なまだ知られていない音楽界の星であり、もう紹介はいらないアーティスト、TYGAの登場です。