ザ・グローリー・デイズ・ツアー、ラスト2Days!
ロンドンO2 アリーナ公演ライブ・レポート
最新アルバム「グローリー・デイズ」を引っさげ、今年5月から世界各地でリトル・ミックス旋風を巻き起こしてきたツアーが、11月25日(土)、26日(日)のロンドンO2アリーナ公演をもって幕を降ろした。ファンが待ちわびたロンドン凱旋公演とあり、リトル・ミックス顔負けのグラマラスな女性達、男性グループ、興奮を抑えきれない親子連れなど約2万人ものファンで溢れかえる会場は、冬本番を迎えたロンドンの寒さを吹き飛ばすかのような熱い高揚感に包まれていた。
ファンの熱気に後押しされるようにいよいよ開幕。ステージを覆いつくすほどの巨大スクリーンに雨が降り、雷鳴が鳴り響き、嵐が巻き起こる。いつにも増してセクシーなブラックのボンテージ風衣装に身を包んだメンバーが、炎が噴き上がるステージに現れると嵐をかき消すほどの歓声が上がり、女性の力強さを謳ったシングル「パワー」で迫力の幕開け。楽曲どおりのパワフルで妖艶なパフォーマンスにいきなり圧倒される。
続いて早くも全英1位のマッシブ・ヒット曲「ブラック・マジック」が披露されると、子供たちの付き添いの親たちもじっとしていられないといった様子で踊り出すほど。
さらにアップ・テンポの2曲の後「ロンドンに戻ってきたわ!今夜は家族も来てるの!」と、半年に及んだツアーの終着地であるロンドン公演に喜びを爆発させるレイ・アン。ジェシーは「ちょっと座りましょうよ、胸のところが汗だくよ」と冗談で会場を沸かせつつ、自分勝手な彼氏に翻弄される女の子の切ない心情をメロウなメロディーにのせ歌い上げた「F.U.」で会場の女子のハートを鷲づかみにすると、その甘くソウルフルな歌声に会場中からため息がもれた。4人の個性とハーモニーが光るこの日のハイライトとも言える熱唱ぶりだ。
インタールードを挟んで大きく揺れる羽の衣装にチェンジし、天井から巨大な宙吊りの橋が下りてくると「ノー・モア・サッド・ソングス」のリズムに合わせて橋の上をパレード。橋の中央でLGBT(性的マイノリティ) のアンセム・ソングとして名高いバラード「シークレット・ラヴ・ソング」を歌いあげた。さらに「サルート」「ダウン & ダーティー」「DNA」と、新旧のヒット曲を圧巻のダンス・パフォーマンスでつなぎ、「ヘアー」でファンと共に髪を振り乱し、ラスト・ソングとなった「タッチ」前にはメンバー全員が会場のファンを一人ずつ選んでステージに招いてアカペラの歌声をプレゼント。
感極まるファンの姿にメンバーも感動しきり。ラストまで惜しみないサービス精神で会場を沸かせ、美しさと力強さ、実力にさらに磨きをかけた姿に、今ツアーの集大成を見せ付けられた気がした。アンコールでは「シャウト・アウト・トゥ・マイ・エックス~完全ふっ切れ宣言~」で弾ける4人の笑顔とともに、会場一体となってシャウト!!全16曲を歌いきり完全燃焼した様子の4人は、ファンからの終演を惜しむ声と賞賛の入り混じった大歓声を背に受け、ステージを後にした。
(文/ネイサン弘子)
Photos by Chiaki Nozu