ロンドンO2アリーナ公演ライヴレポ―ト!
5月の日本ツアーに先駆け、3月半ばから始まったゲット・ウィアード・ツアーのロンドン公演が先日行われた。
春休みという事もあり、親同伴で来た小さな子供達をも、この動員数2万人のアリーナに多く駆けつけていた。入り口では、持ってきた自作の応援ボードが大きすぎて警備員に入り口で一旦止められているファンがいた程、皆が待ち焦がれる夜だった。
いよいよオープニング。大画面からリードシングル、「ブラック・マジック」(黒魔術)にちなんだビデオが流れる。魔女に扮した彼女達が画面に映し出され、それだけで会場中に歓声が上がる。真っ暗なステージに突如現れた彼女達は魔法によって空中に引き上げられ、ステージに叩き落されるという、大がかりな演出でコンサートが始まる。1曲目はカラフルなパジャマスーツで歌う新アルバム6曲目の「グローン」。ペリーの歌い出しでバックダンサー達が彼女達の衣装を剥ぎ、可愛いショッキング・ピンクのビキニ姿に変身。実はこのツアー、彼女達の衣装やダンスが刺激的でセクシーだったと、メディアで大きく話題になっている。
新アルバムからアップテンポの2曲の後は、初めて4人で作ったといわれる「チェインジ・ユア・ライフ」でクールダウン。開演後30分も経たないにも関わらず、既に会場は大合唱になる。ヒット曲、「ウィングス」を歌い始める寸前、なんとジェシーが自分のおばあちゃんを観客の中で発見し、リー・アンも客席の中でジャマイカから来ているおじいちゃんを指してファン達に紹介するサプライズがあった。
インタールードを挟んでステージが怪しげなセットになり、ボンデージ・ルックで現れた彼女達はダウンテンポの2曲を官能的なダンスで披露した後、今度は最新曲である「シークレット・ラブ・ソング」で観客達に携帯電話の光を灯させ、そのバラードを演出するか様にロマンチックなムードに。
雰囲気は再び一転し、余興でお馴染みの「ジャンプ・オン・イット」、そして彼女達が敬愛するビヨンセの曲等をカバー・メドレーし、極め付けに「サルート」で会場を更にダンスフロア―化にした。9回目の衣装チェンジでは、ショート・ジャケットにホットパンツ姿で現れ、ファンお馴染みの「ムーヴ」を披露。続いてドレイクの「ホットライン・ブリング」を取り込んだ、「ハウ・ヤ・ドゥーイング」では一気に大フィーバー。
コンサートも最後の2曲となり、自分達をここまでサポートしてくれた人達に感謝の意を込めて贈ったアカペラ曲「ジ・エンド」では、4人が奏でる素晴らしいハーモニーに思わず胸を熱する。
そしてフィーナーレは、勿論、コンサートのコンセプトでもあり、新アルバムのリードシングルでもある「ブラック・マジック」。元気よく拳を上げて歌う彼女達に、別れを惜しむファン達は曲中の「ヘイ!」に精一杯掛け声をしていた。キラキラな紙吹雪が吹く中、曲が終わると共に大きな煙が発砲され、ステージセットの巨大な魔術書の中へ彼女達は消えて行き、幕を下ろした。
text by Mizuho Sato