【ライブレポート】12歳の “天才ギター少女” Li-sa-X、初の単独公演は「ギャップ」で魅了
わずか8歳で投稿した超絶技巧のプレイ動画が世界中で話題を呼び、12歳にして、『セレンディピティ』で全世界119カ国デビューを果たしたLi-sa-X。
“天才ギター少女” “スーパー中学生”などと称され大きな注目を浴びる中、初めての単独公演が30日(日)、都内の原宿アストロホールで実現した。
●Li-sa-X「セレンディピティ」@原宿アストロホール 2017.07.30(ダイジェスト)
Li-sa-Xは、初の単独ライブにもかかわらず気負いや緊張を感じさせず、純粋にプレイする事を楽しむ様子でド頭からいきなりのShred(速弾き)を決めまくり、かけつけたオーディエンンスを圧倒。オリジナル曲「セレンディピティ」から始まり、デビューのきっかけとなった、師匠ポール・ギルバートのバンド、レーサーXの「スカリファイド」~ヴァン・ヘイレン「暗闇の爆撃」~ドリーム・シアター「ダンス・オブ・エタニティ―」等々、世界に名だたる超高速ギタリストのナンバーを、涼しい表情に時折はにかんだ笑顔を見せながら次から次へとカヴァー。とてもこれがわずか12歳の女の子が弾いているとは思えないくらいの正確さに、会場を訪れた(かつての?)ギターキッズ達も驚愕の表情。そんなパフォーマンスの合間に挟まれるMCでみせる、まだ幼さの残るあどけなさやたどたどしさは、やはりまだ12歳という年齢を改めて意識させるとともに、このギャップが彼女の魅力的な個性となっていた。曲紹介MCでの「良くは知らないんですけど、ヴァン・ヘイレンさんて人の曲です」のくだりに、ヴァン・ヘイレンを知る世代のオーディエンスが(超絶テクへの)驚愕の表情から一気に満面の笑みに変わる場面は、そんなギャップを象徴する瞬間だった。
ライブ後半に演奏した、今話題の米・超テクニカル・ギターインスト・バンド、Polyphia(ポリフィア)のナンバー、「CRUSH」ではLi-sa-Xの弟KAZUMAも登場し、姉弟でのデュエット・ギターを披露。Li-sa-Xオリジナル・アレンジで初披露したモーツァルト・メドレーも、一瞬たりとも息をつかせぬ壮大な展開で、全12曲、あっという間のギター三昧の1時間は幕を閉じた。初の単独公演を成功させたLi-sa-Xが、ギターインスト・シーンを代表して世界で活躍するギタリストになる日はそう遠くないのかも?知れない。
【Li-sa-X 単独公演@原宿アストロホール:セットリスト】
01. Serendipity / Li-sa-Xオリジナル
02. Scarified / RACER Xのカヴァー
03. Gray Stone Gateway / Kiko Loureiro(現Megadeth)のカヴァー
04. Eruption / Van Halenのカヴァー
05. Lost Not Forgotten / Dream Theaterのカヴァー
06. Rhode Island Shred / Guthrie Govanのカヴァー
07. The Dance Of Eternity / Dream Theaterのカヴァー
08. モーツアルト・メドレー / Li-sa-Xオリジナル・アレンジ
09. Crush / Polyphiaのカヴァー
10. Yankee Doodle(アルプス一万尺) / Li-sa-Xオリジナル・アレンジ
01.CHA-LA HEAD-CHA-LA / ドラゴンボールZオープニング・テーマ カヴァー
photo Yoshika Horita