ジョー
本名:ジョー・トーマス・ジュニア、米南部のジョージア州カスバート生まれ。聖職者だった両親の影響で、自然にゴスペル・ミュージックを耳にする環境で育ち、聖歌隊で歌うことを学んだ。高校卒業後、ニュージャージーに移り住み、レコード・ショップなどで働きながら音楽活動を続けるなか、プロデューサーのヴィンセント・ハーバートに才能を認められ、マーキュリー・レコードと契約。1993年にリリースされた記念すべきファーストアルバム『Everything』からは全米R&Bチャートでトップ10入りを果たした「I’m In Luv」をはじめ、いくつかのスマッシュ・ヒットが生まれたが、その後新たにJIVEレーベルに移籍。ここからジョーの本格的なサクセス・ストーリーが幕を開けた。JIVE移籍後に発表された2作目『All That I Am』(97年)からのシングル「All The Things (Your Man Won’t Do)」〔全米シングル・チャート最高11位〕が世界的にブレイク、3作目『My Name Is Joe』(00年)ではさらなる成功を収め、米だけで300万枚以上のアルバム・セールスを記録。最終的にはゴールド・ディスクを獲得し、全米アルバムチャートにはなんと80週以上もチャート・インしている。また『My Name~』からは「I Wanna Know」(全米シングル・チャート最高4位)他、数多くのヒットが生まれ、特にレーベルメイト=ミスティカルをフィーチャーした「Stutter (Double Take Remix)」は全米シングル・チャート、R&B/ヒップホップ・シングルチャートの両方で1位を獲得(当楽曲は2000年に全米R&Bラジオステーションで最も多くオンエアされた楽曲となった)。翌年のグラミー賞では最優秀R&Bアルバム、最優秀男性R&Bパフォーマンス他計4部門にノミネートされ、名実ともにスーパースターの仲間入りを果たした。

 2001年12月にはJIVE第3弾、通算4作目となる『Better Days』を発表。2002年春には来日も果たし、MTV Video Music Awardsにて圧倒的なパフォーマンスを披露。平井堅と「I Wanna Know」をデュエットという夢の共演も実現し、大きな話題となった。2002年12月にはダラス・オースティン監修のOST『DRUMLINE』にジェイダキッスをフィーチャリングしたニュー・シングル「I Want A Girl Like You」を提供。またアンジー・ストーンとのデュエット作品「More Than A Woman」で第45回グラミー賞に再びノミネートされた(Best R&B Performance by A Duo or Group with Vocal)。03年12月にはスマッシュ・ヒット「More & More」「Ride Wit U featuring 50 Cent」等を収録した5作目「And Then…」、さらに07年には6作目『Ain’t Nothin’ Like Me』をリリース。『Ain’t~』はシングル「If I Was Your Man」の他にも「My Love」「Feel For You」「Life of The Party」など秀逸な楽曲を数多く収録。ジョー自身が「自分のすべての力を出し切って歌った」と語った力作はファン、メディアに高く評価され、全米アルバム・チャート初登場2位、日本でもオリコン洋楽チャート初登場5位を記録する大ヒットとなった。

以前から熱心なジョー・ファンが多い日本では1年~1年半に1回のペースで来日公演を実現し、シンガーとしての圧倒的な実力を見せつける正統派R&Bショウを披露。毎回ほぼ全公演をソールドアウトさせるライヴ集客力は衰え知らずだ。最前列を陣取る女性ファンが会場にバラを1輪持参し、バラード・タイムを狙って一斉にジョーに手渡すという定番シーンやショー終盤やアンコールで必ず歌ってくれる代表ヒット「I Wanna Know」の歌詞を完全に暗記したファン達の大合唱といった洋楽アーティストのライヴではなかなか観られない光景も圧巻だ。