【第2回】伊藤なつみ氏による『Welcome to Jas Vegas』ライナーノーツを3回にわたって公開中!
■「High Flying」がきっかけで前向きに
−—『Welcome to Jas Vegas』に収録された曲は“Jas Vegas”で歌うためのナンバーばかり。それぞれの気持ちをアゲながら最終的にみんなで一つになれるようなダンスミュージックを書いて、歌うようになったことで、JASMINE自身が変わった面はある?
「人を喜ばせたいという考え方になれました。確実に前よりハッピーな人にはなったと思います。何でも前向きに捉えていける。前はマイナスなことはマイナスなままにして、マイナスな言い方をしていたけど、今はそういう自分で前向きでありたいと思っています。曲を書いていくと、そうなっていきますね。歌っているから、自分でやったものになっていく」
−−そのきっかけは?
「『High Flying』が大きかった」
−−「High Flying」を発表する時には他の曲もできていたと思うけど、いつ頃からダンスミュージックを掘るようになったの?
「その時期からですね。でも勝手にその前からクリス・ブラウンとかリアーナ、A$AP(ROCKY)とか来てたんで。しかも超カッコいいのが多くて。一番くらったのは(バウアーの)『ハーレムシェイク』、それをリミックスしたスクリレックス何者?って(笑)」
−−今回の「Handz Up!」や「Panic」「HIKARI」など、スクリレックスの匂いがする(笑)。
「(トラックを作っているDJの)TOM君は私のテイストを読み取ってくれてて、基本ダブステップとか多めにしてくれていますね」
−−スクリレックスの魅力は何だと思う?
「ハードじゃないですか、メタルっぽい。私はヒップホップでもハードコアの方を聴いていたので、ハードコアだとテンションが上がるんですよ。わぁ〜、超危ないコイツみたいな。危険な感じのするものが好き(笑)。いけないところのテンションが上がるので、ダメダメ押さえてっていう(笑)」
−—(笑)。あと、メロディーが甘いのよね。女の子が好きそうな。
「あ〜、それわかる。それありますね、かなり。超刺々しいようでいて、とても美味しいという(笑)」
■このアルバムで“Jas Vegas”気分を味わって
−—“Jas Vegas”の全体の流れについては、どう考えているの?
「その日1日でも、人生でも浮き沈みはあるじゃないですか。だから“Jas Vegas”で楽しんでもらえて、“明日から頑張ろう!”と日常に帰ってくれるといいなと。だから最後には、いつもメッセージ系の歌でみんなを送り出すようにしています」
−−みんなで楽しめる曲を中心にしつつも、今まで歌ってきたJASMINEの歌や、きちんと聴かせたい曲はどこで入れるようにしている?
「『Panic』の後とか本編最後、アンコールにやっています。その時は一人一人に歌い掛けるように心掛けています」
−—今回の『Welcome to Jas Vegas』は、参加したことのある人は毎日“Jas Vegas”気分を味わえるし、これから来る人にはガイドになるようなコンセプトアルバムになっていますよね。
「どんなパーティかを表現したアルバムです。みんなも来たくなるような、光が見えて、明日から頑張れる気持ちになれるものにしたかった。アルバムの流れは“Jas Vegas”のストーリーと同じ。これにシングル『Countdown』に収録されている『JACKPOT for Jas Vegas -Remixed by T.O.M-』と合わせて聴いてもらえればマスターですね」
−−ですね。しかも「#AGARU」には、去年の12月19日のリキッドルームでのライヴ中に録ったお客さんの声が入っていて。
「このアルバムをリキッドのリハくらいから同時進行で作っていたので、これは絶妙なタイミングだ!と思って実現しちゃいました。みんなの声を入れられると、よりみんなと一体になりたい部分がわかりやすくなると思ったので」
−—「#AGARU」はダフト・パンク気分。
「これのちょい前くらい、ダフト・パンクを鬼リピートしていたので。最初のズズッカ、ズズッカのところは、みんなマイケルって言いますよ(笑)」
−−歌が入っていくとジャネット・ジャクソンのような軽やかさもあって、いいよね。
「あんまり歌で押し過ぎないようにしました」
−—熱唱し過ぎないようにした?(笑)
「(笑)確かに前から言われていたから」
−−パーティソングだし、JASが本気で歌っちゃうと上手過ぎて聴き入ってしまい、みんなが入りにくいから、このくらいの感じの方がいいと思う。
「そっか(笑)。この中で、私は『#AGARU』が一番気に入っているんですよね」
−−私は、今はゴリゴリの感じが好きかも。
「いいですね(笑)」
−−「#AGARU」はシュガーレスのレッドブルな感じ。
「アハハ(笑)」
■女子力もアップするパーティにしたい
−−「Dearest」はいつものJASMINEよね?
「そうです。このアルバムに、このテイストは必要だったので。これがないと本当に全部新しい私になってしまうから、“あっ、JASMINEいたいた”、みたいな感じ(笑)。今までいたJASMINEもステージで見せていかないと、みんな心に何かを持って帰れないから」
−−「HIKARI」では東京のことを歌っているけど、これは前にアリシア・キーズの「エンパイア・ステイト・オブ・マインド」のことを話していた時に、「東京出身の人が書く東京の歌があってもいいよね」と私が話したのが、もしかしてきっかけ?
「そうです。他にもファンの人のことを思い描いて書いた歌詞もあるし、常に“Jas Vegas”をみんなの楽しいものにしたいという気持ちがあって」
−−いいよね、ここに収録された新曲があれば、さらにファンと一体感のある“Jas Vegas”になっていくと思う。最後に、今年はどういう活動をしていきたい?
「主軸は“Jas Vegas”ですね。ブラッシュアップして、もっと盛り上げたいです。それからライヴもそうですけど、女の子みんなが喜べる場所にしたくて、女子力を上げられるような企画をもっとやりたいですね」
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アルバムジャケットで、海の先に光を放って見えているのが未来型エンターテインメントを体感できる街、Jas Vegas City。その街には様々なエンターテインメントがあって、その核となっているのがライヴパーティ“Jas Vegas”。アートワークにはみんなが未来の乗り物に乗ってJas Vegas Cityへ向かって行く、ドキドキワクワクする高揚感が描かれているけれど、やっぱり一番#AGARUのは、“Jas Vegas”を楽しんでいる瞬間。これから“Jas Vegas”が各地を回っていくので、是非JASMINEに会いに来てね。
(インタビュー・文/伊藤なつみ)
最終回は4/9(水)に公開予定!
おたのしみに!