ダイド
1971年、ロンドン生まれ。本名=ダイド・アームストロング。ファースト・ネームは「Virgil’s Aeneid」という物語に登場する古代カルタゴ(アフリカ)の「悲劇」の女王の名前に由来。父親は文芸周旋業者、母親は詩人。5歳の時にリコーダーを吹き始め、その1年後にはロンドンの学校「Guildhall Of Music & Drama」に入学。そこで、さらにピアノとヴァイオリンを学んだ彼女は、すでに10歳の時には3つの楽器をほぼ完璧にマスターしていた。10代でイギリスの様々なクラシック音楽団とツアーに出る一方、兄のロロの影響でクラッシュやデュラン・デュランといったポップ・ロックなどを体験。その後あらゆるジャンルの音楽を消化し、16歳でエラ・フィッツジェラルドにのめり込むものの、音楽を「職業」とする事に限界を感じて始めた彼女は、昼はOL、夜は法律の勉学をし、この生活を20代半ばまで続けた。
1995年、兄ロロが結成したグループ:フェイスレスに参加し、アーティストとしてのキャリアをスタート。96年に1stアルバム『Reverence』をリリースし500万枚以上のセールスを記録。続く2ndアルバム『Sunday 8PM』(98年)発表後にダイドはグループを脱退しソロ活動をスタート。1999年年6月にデビュー・アルバム『No Angel』をまずアメリカでリリース。そこに収録された「Thankyou」がグウィネス・パルトロウ主演の映画「Sliding Doors」に、「Here With Me」が人気TVドラマ『Roswell』に使われ、さらに当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったエミネムが自身の楽曲「Stan」で「Thankyou」をサンプリングしたことによって一気にブレイク。翌01年には世界各国でリリースされ、本国イギリスで300万枚、日本でも約20万枚、全世界トータル1,200万枚を突破する空前の大ヒットを記録した。
デビューから4年を経て2003年に2ndアルバム『Life For Rent』をリリース。「White Flag」「Life For Rent」といったシングル・ヒットを生み、17カ国で1位、アメリカや日本など11カ国でTOP5ヒットを記録し、発売から1年足らずで2作連続となる全世界セールス1000万枚を突破。同年にはプロモーション来日も果たした。
2008年11月(日本は12月)、約5年振りとなるサード・アルバム『Safe Trip Home』をリリース。9カ国でゴールド、プラチナも1カ国で獲得。グラミー賞“Best Engineered Album, Non-Classical”にもノミネートされる。
2010年には映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」OSTに“Everything To Lose”を提供。続いて同年、映画「127時間」(ダニー・ボイル監督、脚本、製作)のOSTにA. R.ラフマーンとの共作“If I Rise”が収録される。この曲はBroadcast Film Critics Association Awards 2010で「Best Song」を受賞したほか、アカデミー賞「Best Original Song」など多くの映画賞の最優秀楽曲賞にノミネートを受けている。
私生活では2010年に結婚し、2011年に息子スタンリーが生まれる。そして2013年4月(UK、USでは3月)、4年ぶり通算4作目となるニュー・アルバム「Girl Who Got Away」がリリースされる。ダイドが母となって初めて発表される記念すべきアルバムだ。