椎名 豊
近年、日本ジャズ界における若手の躍進ぶりには目を見張るものがあるが、その中でももっとも輝いている、コンテンポラリー・スタイルのピアニストがこの椎名豊。国立音楽大学作曲科在学中からプロとして活動、1989年にはライオネル・ハンプトン楽団の日本公演やビンセント・ハーリング・カルテットにも参加して、その実力を高く評価された。1990年には来日したロイ・ハーグローヴとの日米混成コンボで注目を集め、これがきっかけとなって“ジャズ・ネットワークス”の日本側リーダーとしても活躍。1994年に初リーダー作『 ムービン・フォース』を発表、1995年の『ヒッティン・ザ・スピリット』はスイングジャーナル誌選定ゴールドディスクを獲得、同年10月には平成7年度文化庁芸術祭主催の公演『日本のジャズ21世紀』にも出演、同年度のジャズディスク大賞では、ニュースター賞に選ばれている。現在は都内のライヴハウスを中心に、デューク・エリントンやセロニアス・モンクのトリビュート・コンサートを行ったり、精力的な活動を続けている。日本ジャズ界の未来を担う期待の逸材である。