”レコード芸術”の本質を問う野心的試み~「レコード芸術」誌2016年1月号でホロヴィッツ「ヒストリック・リターン50周年記念リリース」3タイトルが絶賛されています。
2015.12.21
INFO
レコード芸術2016年1月号の記事にて、ホロヴィッツ「ヒストリック・リターン50周年記念リリース」3タイトルが増田良介氏によって取り上げられています。
『「ヒストリック・リターン」の今回のセットには、最終編集版と無修正版の両方が収められている。A.マイヤー(マスタリング・エンジニア)による詳細な解説によって、LPのヴァージョンがどのように生み出されたか、そして長井進之介氏による両者の比較によって、具体的にどのような違いがあるのか、そしてそれが解釈においてどのような意味を持っているのかを知ることが出来る。いかにもマニア向けの「究極」仕様だが、実のところ、両ヴァージョンを聴き比べることには、ちょっと異稿の比較に似た面白さがある。(・・・)
「オン・テレヴィジョン」もまた、長井氏の解説をガイドに3つのヴァージョンを聴き比べるととても面白い。ゲネプロと無修正版が2種類入っているから最終編集版はその2つを混ぜたようなものと思いきや、実はさらに別のテイクがあり、その音源もだいぶ使われているらしい。映像の方も明らかに演奏会の映像ではない別撮りの演奏風景が使われている曲もある。この「アルティメイト・エディション」は、この歴史的な演奏会とその放送、そしてレコード発売を、ドキュメントから立体的に辿ることが出来る。(・・・)
「ザ・ヴィデオ・コレクション」の全6本、9時間に及ぶ映像からは、ホロヴィッツの実り多き晩年の音楽を味わい、そのユニークな人間性を知ることが出来る。』