ザ・スラッカーズ
ザ・スラッカーズは、ニューヨーク・シティを拠点に気を吐く7人組バンド。1991年の結成以来、10年以上にわたり、スカ、レゲエ、ソウル、スウィング、ガレージロック、ジャズをミックスした音楽に挑戦。スカタライツ、ビートルズ、ボブ・マーリー、リー・ペリー、ボブ・ディラン、カーティス・メイフィールドをミューズとする彼らは、コンテンポラリー音楽に独自のニッチを築いている。



フルレングスのファースト・アルバム『Better Late Than Never』(1996年)は、ジャマイカからのインスピレーションを1990年代のニューヨークに持ち込んだ、粗削りでダイレクトなサウンド。ニューヨーク・タイムズ紙は早々に、ザ・スラッカーズは「ニューヨークのサウンド」であると断言した。



1997年にティム・アームストロングのヘルキャット・レコードと契約し、『レッドライト』をリリース。1作目をよりスムーズにした、メランコリーでソウルフルなサウンドに進化している。大ヒットした「ウォッチ・ディス」は大学のラジオ放送で頻繁にかかり、20万枚以上の売上となったコンピレーション・アルバム『ギブ・エム・ザ・ブート』にも収録された。



1998年、『レッドライト』に続いて、全曲オリジナルの19曲を収録した『ザ・クエスチョン』をリリース。失恋、今は亡き英雄たち、酒をテーマにした同アルバムは、オランダの主要週刊誌OORが「今の時代の『メインストリートのならずもの』である」と賞賛。シングル「ハヴ・ザ・タイム」はビデオも制作され、MTVの番組「Matt Penfields' Indie Nation」で頻繁に放映された。CMJ誌のレビューもこう評している。「残された唯一のクエスチョンは…スカの新しいレコードはよく出るものの、これほどまとまりがあって一聴に値する作品がないのはなぜか、ということである」



『レッドライト』のリリース以来、ザ・スラッカーズは9回の全米ツアーと6回のヨーロッパツアー、さらに数多くの短期ツアーを行なっている。またワープト・ツアー(1998年)、ローランズ・フェスティバル(1999年)、プッケルポップ(1999年)、CMJ(2000年)、モントリオール・ジャズ・フェスティバル(2000年)、ブールジュ・フェスティバル(2001年)、ドゥール・フェスティバル(2002年)に参加。ロサンゼルスからアムステルダムまで、小さなクラブやバーでも何度もプレイしており、ギグを見に何百マイルも車でやって来る熱狂的なファンもついている。ザ・スラッカーズのライヴショウを大事にする姿勢によって、2000年には公認ブートレグ『Live At Ernesto's』もリリースされ、ファンにとってはうれしいプレゼントとなった。



2001年リリースの『ウェイステッド・デイズ』では、またひと回り成長した、時代にとらわれない音楽を聞かせ、今日の底の浅いトレンドに刃向かっている。オープニングのタイトルトラック「ウェイステッド・デイズ」では、堂々と「謝らねばならないような、一体どんな過ちを犯したっていうんだ?」と歌い、この自信がアルバムに一貫して流れている。ファンはMP3に殺到し、ペダルスティールを前面に出したシングル「デイヴズ・フレンド」のダウンロードは、リリース後2カ月で6000回を超えた。もう1枚のシングルは、ボン・ジョヴィの「ウォンテッド・デッド・オア・アライヴ」をガンジャ・スタイルにしたカバー。マキシム誌やヴィレッジ・ヴォイス誌で好評を得ている。高まる人気に米国公共ラジオ放送が注目し、ザ・スラッカーズを番組「All Things Considered」に登場させた。この番組が放送された(2001年7月24日の週)のを受け、『ウェイステッド・デイズ』はアマゾン・ドット・コムの売上第6位に上昇。



2002年も超多忙なスケジュールをこなし、オーディエンス層を一気に広げた。アイリッシュ・パブ・ロッカーのザ・フロッギング・モリーズが行なった50日間の「Drunken Lullabyes」全米ツアーのオープニング・アクトを務めたのをはじめ、ザ・スラッカーズがヘッドライナーとなったギグも90回やり、ロサンゼルスやニューヨーク、シカゴ、アムステルダム、マドリードではソールドアウトが続出した。そしてこの時期、彼らはあるプロジェクトに取り掛かった。世界中に広まったジャマイカ音楽の影響を受けたアーティストを、世代を超えてつなぐというコラボレーションだ。



渾身を傾けてセルフ・プロデュースしたアルバム『Slackers & Friends』(2002年)には、次のアーティストがフィーチャーされている:グレン・アダムス(ジ・アップセッターズ)、コーネル・キャンベル(ザ・ユニークス)、コンゴ・アシャンティ・ロイ(ザ・コンゴス)、ドリーン・シェイファー(スカタライツ)、アリ・アップ(ザ・スリッツ)、ランキング・ジョー、クリス・マレー、DJクリス・ザ・リデューサー、ラリー・マクドナルド。このCDは、その豊かなレゲエ・グルーヴで全米及び世界中の注目を浴びた。