ロジャー・ウォーターズ、謎めいたショート・フィルムを公開。
25年振り新作『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント』から「ザ・ラスト・レフュジー」を先行公開
6月7日に発売となるロジャー・ウォーターズの25年ぶりの新作『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』から「ザ・ラスト・レフュジー」のショート・フィルムが公開された。
この「ザ・ラスト・レフュジー」(=最後の難民)の映像には、ロジャー・ウォーターズは一切登場せず、一人の女性の謎めいたダンスが何かを暗示させる。寂れた小屋の中の薪ストーブと薄汚れたマットレスの間で踊る彼女と、伝統的な舞台で美しい衣装に身を纏って踊る彼女の姿の対比。これは、これまでの彼女が送ってきた人生の過去の姿なのか?あるいは希望を込めた未来の姿なのか?
場面は変わり、頭髪をスカーフで覆った彼女が浜辺で遊んでいる娘を見つめ、そして、悲しい現実を想起させる結末へと至る。宗教、戦争、政治などが引き起こす分断によって人生を翻弄されたと思われる一人の女性の入り混じる複雑な感情がエモーショナルなダンスとともに表現され、否が応でも誰もが、世界のどこかで実際に起こっている「現実」について考えさせられ、感情を揺さぶられることであろう。
この曲の中で、ロジャー・ウォーターズはこう歌う。『僕は夢に見た、娘に別れを告げたそのときを。最後にもう一度、あの子は海を見ていた。・・・きみは浜辺に、僕の子供の姿を見つけるだろう。鎖や骨を探す姿 砂浜を掘って、波が打ち上げる過去の形見を探す姿を・・・』。
このショート・フィルムの制作はロジャー・ウォーターズとショーン・エヴァンス。ショーン・エヴァンスは2015年のコンサート映画「Roger Waters:The Wall」でもロジャーとともに共同監督している。
6月7日(水)にリリースとなる新作『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』はナイジェル・ゴッドリッチ(レディオヘッド、ポール・マッカートニー、ベック、U2他)がプロデュースとミキシングを担当。スタジオ・アルバムとしては1992年発表『死滅遊戯』以来25年振りとなるもので、不安感、絶望感が渦巻くこの世界の紛争、危機、差別、環境、政治などへの怒りを込めた、この不穏な時代への断固たる意見表明であり、全世界へ激しく警鐘を鳴らすものになっている。『これは我々が本当に望んだ人生なのか?』と問いかける、『アニマルズ』や『ザ・ウォール』といったピンク・フロイドの往年の名作のテーマを受け継ぐものとなっている。
また、アルバムのサウンドは、随所にピンク・フロイドやロジャーの過去のソロ作品を彷彿させるものになっており、SEやストリングスもふんだんに取り入れたコンセプト作的なサウンド・コラージュ、まさに“ロジャー・ウォーターズらしい”作品といえるもの。『炎~あなたがここにいてほしい』の「葉巻はいかが?」や『アニマルズ』の「ドッグ」などのピンク・フロイドの名曲を彷彿させるファースト・シングルの「スメル・ザ・ローゼズ」と「デジャ・ヴ」がこれまでに公開されており、今回の「ザ・ラスト・レフュジー」で新作から3曲先行公開されたことになる。ロジャー・ウォーターズが25年の月日を超え、世界に問うものは何か?もうすぐ明らかになる。
ロジャー・ウォーターズは最新インタビューでこう語っている。
「音楽は人間にとってとても大切なものだ。曲も歌詞も大切だ。音楽は個人の生き方に影響を及ぼす。しかし、社会、政治にまで影響を与えられるか、それはわからない。でも、こう信じたい。音楽、特にポピュラー・ミュージックは、良くないことに抗議するまっとうな手段であり、ミュージシャンは声を上げる権利を持つ、と。いや、権利どころか義務だとさえ言える。自分の思うところをきちんと主張しなければいけない。いいから黙って音楽だけやってろと言われることがあるが、自分にはそれはできない」
今年はピンク・フロイドのデビュー50周年となる記念すべき年。5月13日から、英国V&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)でピンク・フロイド大回顧展「The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains」がスタートしており、連日チケットがソールドアウトとなり大絶賛されている。現地レポートはこちら。
http://www.pinkfloyd.jp/artist/PinkFloyd/info/481742
●ピンク・フロイド大回顧展「The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains」トレイラー映像
■ピンク・フロイド大回顧展「The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains」
会場:英ロンドン、ヴィクトリア&アルバート博物館
会期:2017年5月13日〜10月1日
公式サイト:http://pinkfloydexhibition.com/
【商品情報】
ロジャー・ウォーターズ『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』
ROGER WATERS『Is This The Life We Really Want ?』
2017年6月7日発売 (海外6月2日発売) SICP-5425 \2400+税
<収録曲>
1. WHEN WE WERE YOUNG ホエン・ウィ・ワー・ヤング
2. DÉJÀ VU デジャ・ヴ
3. THE LAST REFUGEE ザ・ラスト・レフュジー
4 PICTURE THAT ピクチャー・ザット
5 BROKEN BONES ブロークン・ボーンズ
6. IS THIS THE LIFE WE REALLY WANT イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?
7 BIRD IN A GALE バード・イン・ア・ゲール
8 THE MOST BEAUTIFUL GIRL ザ・モスト・ビューティフル・ガール
9. SMELL THE ROSES スメル・ザ・ローゼズ
10. WAIT FOR HER* ウェイト・フォー・ハー*
11. OCEANS APART オーシャンズ・アパート
12. PART OF ME DIED パート・オブ・ミー・デッド
Produced and Mixed by Nigel Godrich
All songs written by Roger Waters
except “Wait For Her”(Roger Waters,Mahmoud Darwish)
*「WAIT FOR HER」の歌詞は、ロジャー・ウォーターズがパレスチナを代表する詩人マフムード・ダルウィーシュの『Lesson from the Kama Sutra (Wait for Her)』(翻訳者不詳)の英訳版にインスピレーションを得て書いたもの。
【ツアー・スケジュール】 Roger Waters Us + Them North American Tour 2017
5月26日から「US+THEM」と題された大規模ワールド・ツアーを開始。北米だけで5月~10月までのロング・ラン・ツアーとなっている。巨大LEDスクリーンを使用した壮大なスケールのショウでは、PINK FLOYDの『狂気』『炎~あなたがここにいてほしい~』『アニマルズ』『ザ・ウォール』などの名作からの曲と共に新曲もプレイされる。
ツアー・スケジュール:
http://www.roger-waters.com/tour.php
【関連情報】
●ピンク・フロイド映画『ザ・ウォール』を初公開から35年の時を経て、6月21日(水)東京と大阪のZeppにて、一夜限りのライヴ絶響上映決定!
ロジャー・ウォーターズ(元ピンク・フロイド)、25年ぶりの新作発売&ピンク・フロイド、デビュー50周年を記念して、ピンク・フロイド映画『ザ・ウォール』を初公開から35年の時を経て、6月21日(水)東京と大阪のZeppにて、一夜限りのライヴ絶響上映決定!
詳しくはこちら
http://www.110107.com/zepp-de-zekk
【リンク】
●ロジャー・ウォーターズ・オフィシャル・サイト
●ロジャー・ウォーターズ日本公式
https://www.sonymusic.co.jp/artist/RogerWaters/
●ピンク・フロイド日本公式