レイジング・スピードホーン

『ブルータルでクラッシングなサウンドを心から好きな奴らに、俺はこの“レイジング・スピードホーン”を自信をもって薦めるよ。これはどんなジャンルを凌駕してる。奴らはパンクのアティチュードで、メタルなサウンドを、ノイズ・スタイルで表現してるんだ。』



これは4月下旬に一緒に初来日を行ったAMENのヴォーカリスト、ケイシー・ケイオスの言葉だが、彼のみならず、今まで一緒にライヴを行った誰もが手放しで絶賛しているのがこのUK出身の新人バンド、レイジング・スピードホーンである。このバンドは’98年に結成されたツイン・ヴォーカルの6人編成。平均年齢22才。“元○○”などという前歴はもちろんなく、アルバムは現時点では地元UKを含むヨーロッパでしかリリースされていない。しかし、彼らはMETAL HAMMER、KERRANG!誌の2000年度人気投票に、ワールド・ワイドで活躍する数々のバンドと肩を並べて軒並みランク・インしている恐ろしき新人バンドなのだ。



ジャケットやルックスから彼らのサウンドを想像しても、それはきっとあまり訳には立たないだろう。なぜなら、それは全て正しく、同時に全て間違っているから。なぜなら、それはラウド・ロックというジャンルの全要素が呑込まれ、我流に吐き出された全く新たな産物だからだ。



硬質で骨太なサウンドは底知れぬ歪みとうねりを引き起こし、阿鼻叫喚するツイン・ヴォーカルは兇器の如し。



今年のOZZ fest in UKは、彼らがメイン・ステージの幕を開ける。そしてさらには、今年日本に続いてアメリカでもアルバム・リリースが予定されているという。USでメイン・ストリーム化したラウド・ロックに反旗をひるがえす、計り知れないパワーと可能性を秘めたUKストリートからのニュー・フォームの登場である。