ピンク・フロイド

【ピンク・フロイド・バイオグラフィー】

ビートルズ、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンなどと並んで英国を代表するロック・バンドであり、史上最も成功したロック・バンドの1つであるピンク・フロイド。プログレッシヴ・ロックの歴史を作り、常に最前線を歩んできた彼らは、もともとは'60年代半ば、サイケデリック・ロック・バンドとして、天才シド・バレット(G, Vo)を中心に結成された。他のメンバーは、ロジャー・ウォーターズ(B)、リチャード・ライト(Key)、ニック・メイソン(Dr)。バンド名は、ピンク・アンダーソン、フロイド・カウンシルという2人のブルースマンから取られている。

1967年、2枚のシングルをヒットさせたあと、ファースト・アルバム『夜明けの口笛吹き』を発表。高い評価を得たこのアルバムは、シド・バレット色の濃い内容だった。翌年頭に、デヴィッド・ギルモア(G)がバンドに参加。一方、シドは精神に不調をきたしており、実質的にバンドを首に。ピンク・フロイドはそれまでの実験的な面に、長い楽器パートを含んだ曲構成を取り入れ、のちにプログレッシヴ・ロックと呼ばれる体裁を徐々に整えていった。

そして、彼らの音楽が最高の形で実を結んだのが1973年の『狂気』。楽曲、演奏、精神、録音、すべての面において成功したアルバムといっていいだろう。全米No.1を獲得し、チャート内に742週とどまるという記録を打ち立てた。いまだに、最も売れたロック・アルバムの1枚である。その後も1975年『炎~あなたがここにいてほしい』、1977年『アニマルズ』、1979年『ザ・ウォール』と傑作アルバムを連発していく。1985年に、ロジャー・ウォーターズはバンドを脱退。1983年『ファイナル・カット』をリリース後実質的に活動停止。1986年に、ロジャーはバンドを脱退するが、ギルモアを中心とした他のメンバーとの法廷闘争まで発展。

結局ギルモア中心のフロイドとして継続。1987年『鬱』、1994年『対(TSUI)』を発売。その後のツアーも大成功。2006年“ライヴ8”でたった一度だけの奇跡の再結成を果たす。2006年7月7日、ピンク・フロイドの創始者でもあるシド・バレットが死去。また2008年9月15日にはリック・ライトも死去。2014年にはラスト作『永遠/TOWA』をリリース。現時点まで全世界で2億5千万枚以上のセールスを誇り、永遠にロック史に輝く”時代を超越する音芸術”は未来永劫語り継がれてゆく。

2017年はピンク・フロイド・デビュー50周年の記念すべき年。5月13日から英国V&A(ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム)でピンク・フロイド大回顧展「The Pink Floyd Exhibition: Their Mortal Remains」がスタート。またメンバー個々の活動も、ロジャー・ウォーターズ25年振りの新作『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント』を発売し、「US+THEM」と題された大規模ワールド・ツアーを敢行。またデヴィッド・ギルモアも2016年にピンク・フロイド以来45年振りに世界遺産ポンペイで行なったライヴ『ライヴ・アット・ポンペイ』を2017年10月に発売。ニック・メイソンは2018年より初期ピンク・フロイド(65年〜72年)の楽曲のみを演奏するライヴ・バンド、ニック・メイソンズ・ソーサーフル・オブ・シークレッツ(Nick Mason’s Saucerful Of Secrets)を結成してライヴ・ツアーを行なっている。

 

<ミニ・バイオグラフィー>

■サイケデリックから電子音楽、ミュージック・コンクレートまでをも内包した幻想的なサウンドと文学/哲学的な歌詞。実験性に溢れた録音手法や常識を超えたスペクタクルなステージングを展開するうえでは音響/照明技術の発展にも寄与し、常にアートと密着しながら50年にも亘って時代に対峙してきた彼らは、まさにロックの進化とともに歩み続けた真のプログレッシヴ・バンドとしていまもなおさまざまなシーンに影響を与え続けている。

 

■総売り上げは2億5千万枚以上という名実ともにプログレッシヴ・ロックを代表するバンド。1967年『夜明けの口笛吹き』でデビュー。初の全英1位を獲得した『原子心母』(70年)を始め『狂気』(73年)、『炎~あなたがここにいてほしい』(75年)、『ザ・ウォール』(79年)など名作を発表。85年のロジャー・ウォーターズ脱退後はデヴィッド・ギルモアを中心に活動を続け、2014年にはバンドの最終章となる『永遠/TOWA』をリリースした。

 

【史上最も成功したロック・バンドの1つ=数字にみるピンク・フロイドの凄さ】

●レコード・CD総売り上げは2億5,000万枚

● <全世界トータル・アルバム・セールス>歴代7位。ビートルズ、エルヴィス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、マドンナ、エルトン・ジョン、レッド・ツェッペリンに次ぐ記録

● <全世界アルバム・セールス> 『狂気』が歴代2位。マイケル・ジャクソンの『スリラー』に次ぐ記録

●『狂気』5,000万枚,『ザ・ウォール』3,300万枚、『炎』は2,300万枚のセールスを記録

●『狂気』は73年アルバム発売から88年までの15年間724週間ビルボード200にチャートイン

●前作1994年『対(TSUI)』は全世界1700万枚、日本では20万枚のセールスを記録

●アルバム制作費は毎回”億”単位。『ザ・ウォール』は2億円、『鬱』は3億円…

●1996年ロックの殿堂入り。2005年英国音楽殿堂入り


(日本公演歴)

*1971年8月6日,7日 箱根アフロディーテ、9日 大阪フェスティバルホール

*1972年3月6日,7日 東京都体育館、8日,9日 大阪フェスティバルホール、10日 京都府立体育館、13日 札幌中島スポーツセンター

*1988年3月2日,3日 日本武道館、4日,5日,6日 国立代々木競技場第一体育館、8日,9日 大阪城ホール、11日 名古屋レインボーホール

【ディスコグラフィー】

<STUDIO ALBUM>

1967年 夜明けの口笛吹き The Piper At The Gates Of Dawn

1968年 神秘  A Saucerful Of Secrets

1969年 モア  More

1969年 ウマグマ  Ummagumma

1970年 原子心母  Atom Heart Mother

1971年 おせっかい  Meddle

1972年 雲の影  Obscured By Clouds

1973年 狂気  The Dark Side Of The Moon

1975年 炎〜あなたがここに いてほしい  Wish You Were Here

1977年 アニマルズ  Animals

1979年 ザ・ウォール  The Wall

1983年 ファイナル・カット The Final Cut

1987年 鬱  A Momentary Lapse Of Reason

1994年 対(TSUI)  The Division Bell
2014年 永遠(TOWA)The Endless River