【デヴィッド・ギルモア最新インタビューPart2】ボートスタジオ「アストリア」でのレコーディング秘話、『鬱』ジャケット撮影秘話を語る
ピンク・フロイドの前代未聞の超レア音源・映像の集大成ボックス『The Later Years 1987-2019(BOX)』の発売日が最終的に12月24日で決定した。その発売に合わせて、今まで沈黙を貫いてきたデヴィッド・ギルモアの最新インタビュー映像が公開。先日のパート1に続いてパート2が公開された。川に浮かぶボートを改造してスタジオにした「アストリア」でのレコーディング秘話(内部の貴重な映像も)、1987年のアルバム『鬱/ A Momentary Lapse Of Reason』のジャケット撮影秘話(海岸に実際に500以上ものベッドを並べて撮影している映像も)など当時を振り返って語る貴重な証言となっている。
●David Gilmour Interview Part2 2019
デヴィッド・ギルモアとエンジニアのアンディ・ジャクソンの貴重な映像インタビューの全文訳はこちら。
デヴィッド・ギルモア:
『ボートの「アストリア」は…歯医者の待合室で、『カントリー・ライフ』誌を手に取っていたんだ。歯医者の待合室ではよくある話だけどね。それに載っていたのが、このかなり美しいものの販売広告だった。すぐに業者に電話して内覧に行って、思いつきで購入したんだ。最終的にはレコーディング・スタジオを作ろうというアイデアになったけど、初めからそうではなかった。暗くて窓のないレコーディング・スタジオで暮らしていると、ガラス張りで、窓だらけで、外には美しい川が流れていて、アヒルも白鳥もいて、人々がボートを漕ぎながら通り過ぎていく…そういう景色が魔法のように思えたんだ。今も魔法のような仕事場だよ。』
アンディ・ジャクソン(Sound Engineer):
『さて、今僕たちはボート「アストリア」に乗っている。ロケーションとしては素晴らしい場所だけど、これはボートで動くから雑音も入ってくる。あのアルバムにはヴォーカルのトラックにアヒルの声が入っているんだ。鳥とかの音が入っているんだよね。静かな環境ではないな。アルバムは船を漕ぐ音から入るけど、驚くにはあたらない。ふとアイデアが浮かんだんだ。僕は即席でマイクと小さなレコーダーをセットして、そこに誰かにボートで川を下らせたんだ。あれはわざとつくった音なんだよね。そうやってボートや川がテーマの一部になったんだ。僕たちのボートで。そんな感じでここは骨組みの大きな一部になって、それ以来ずっとここでやっている。ほら、今でも素晴らしい作業環境だしね。』
(Saunton Sands, North Devon England July 14, 1987/1987年7月14日 イングランド ソーントン・サンズ (ノース・デヴォン) )
デヴィッド・ギルモア:
『自分で窓のある部屋と空っぽのベッドの絵を描いたんだ。そしてストームにこう言った。「今、曲(「空虚なスクリーン[Yet Another Movie])のこのフレーズについて考えているんだ。”vision of an empty bed”(空っぽのベッドを想像する)」彼に自分の描いた絵を見せたら、彼はこう言ったんだ。「ああ…分かったよ。空っぽのベッドを500台使うっていうのはどうだ?」”それで僕は「見せてくれ」と言った。それで彼らはソーントン・サンズに行って、たくさんのベッドをセッティングして、あの写真を撮ったのさ。ものすごい労力と時間を要したよ。何百もの人たちが全部運んで、潮が満ちてきたら大急ぎで全部片づけて、潮が引いたらまた元の場所に全部戻して、またやり直して。
人はいつも、心をわしづかみにする象徴的なイメージを求めるものなんだ。ストームは正しかったよ。僕のイメージを写真にしたら美しく雰囲気のあるものになるだろうと言っていたから。でも、彼のアイデアほど象徴的にはならなかっただろうね。通常ああいうものはフォトショップやデジタル技術を使って作るものだ。あの当時ですらカット&ペースト的な手法は存在したからね。でもストームは絶対に聞く耳を持たなかった。決してね。すべて本物を使わなければならなかったんだ。ちゃんと本物を使って作ることでリアリティが出るというのは確かだね。』
『僕が考えていたのは、これから自分たちがアルバムを作ってツアーをすること。その後で再評価しようと。’87年の4月か5月に最初のショウのチケットが発売されたんだ。トロントの大きなスタジアムでの公演3DAYSだった。それが4時間くらいでソールド・アウトになった気がする。だから自分たちは正しい方向に進んでいるんじゃないか、見通しがいいぞと思っていたんだ。
『1987、88、89年にエンドレスにツアーを行っていたとき、リックとニックは2人とも渾身の演奏を見せてくれた。最高だったよ。1993年の1月だったか、ブリタニア・ロウにあるニックのスタジオに3人だけで入ることにした。ただジャムってみて、様子を見ようとね。それを1週間やった。それがすべての始まりだったんだ。その時点で出来上がったものは結局あまり利用しなかったけどそのおかげで僕たちは前に進むことができた。それからボートのアストリアに移動して、曲に取り組み始めたんだ。
長年一緒にいる中で、僕たちのプロセスはひとりが曲を書いて体裁を整えて、そこにみんなが自分の持ち味をどのように合わせるかを考えたり、その曲のパートを憶えたり、というものだった。でもブリタニア・ロウでジャムりながらのプロセスのおかげで、もっとオーガニック(自然発生的)なスタートから発展するものもあると考えられるようになったんだ。とても楽しかったし、リックがそこにいて、自分のアイデアや彼らしい演奏を見せてくれたのが本当に嬉しかった。それにニックはほら、ピンク・フロイドに理想的なドラマーだから。とにかくしっくりきたんだ。』
デヴィッド・ギルモア・インタビューの Part1はこちらで
http://www.pinkfloyd.jp/artist/PinkFloyd/info/512962
『The Later Years 1987-2019(BOX)』は1987年から2019年までのピンク・フロイドのすべてを集大成した究極の16枚組コレクション(+7インチ・シングルX2枚) 。膨大な超レア音源・映像を収録した前代未聞のアーカイブ・ボックス・セットは限定2000セットで12月24日発売決定。そこからの重要な楽曲を “ベスト・オブ・ボックス”的に収録した『ザ・レイター・イヤーズ・ハイライト』は1CDと2LPで11月29日に発売となっている。
今回のボックスに収録される1987年発表アルバム『鬱』はオリジナル・マスターテープからのリミックスだけでなく、ニック・メイソンがドラム・パートを新たに追加録音、リチャード・ライトのキーボード・パートを新たに発見しその未発表音源を再編集した「2019リミックス、アップデイト版」となっている。元々『鬱』は色々なセッション・ミュージシャンが参加していたが、ドラムとキーボードのパートがオリジナル・メンバーの音源で初めて再現され、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイソン、リチャード・ライトの3人のピンク・フロイドのメンバーによって創造された、最も望んでいた姿でのリリースとなる。
1988年発表の映像作品『光~PERFECT LIVE』は長年眠っていたオリジナルの35mmネガ・フィルムからレストア(修復)し、レストアだけでなく映像自体を再編集、音源のリミックスも行って完全に生まれ変わった。2019“レストア・リミックス・再編集”版の映像として新たに「幻の翼」と「時のない世界」が公開された。
●【2019レストア映像】 Pink Floyd - Learning To Fly (Live, Delicate Sound Of Thunder) [2019 Remix]
●【2019レストア映像】Pink Floyd - Sorrow (Live, Delicate Sound Of Thunder) [2019 Remix]
1988年オリジナル版と2019年“レストア・リミックス・再編集”版の違いを比較する分割映像も公開され、まったく異なる編集と美しさに違いに誰もが驚くはず。こちらを見れば一目瞭然でその違いがよくわかる映像になっているので是非ご覧いただきたい。
●【分割映像1】 Pink Floyd - Comfortably Numb (Delicate Sound Of Thunder) [1988 Original Vs 2019 Restored]
●【分割映像2】 Pink Floyd – Run Like Hell (Delicate Sound Of Thunder) [1988 Original Vs 2019 Restored]
『The Later Years 1987-2019(BOX)』には日本独自の3大特典が収録されることも決定し、「3Dマウスパッド」「日本語解説書」「デヴィッド・ギルモアとニック・メイソンの直筆サイン(応募はがき)」が予約者限定でボックスに封入される。
◆ソニー・ミュージックジャパン限定3大特典
① ピンク・フロイド 3Dマウスパッド(ニュー・ロゴ入り)
②全48ページにわたる日本語解説書(詳細なボックスの解説、1987-2019の年表やディスコグラフィー、ツアー・デイトなどを満載した資料的価値のある一冊)
③デヴィッド・ギルモアとニック・メイソンの直筆サイン入りジャケット絵柄を1名様にプレゼント!抽選応募はがき封入
※ソニー・ミュージックジャパンより出荷される商品にのみ封入される限定特典となります。
ご予約はこちら
https://sonymusicjapan.lnk.to/LaterYearsBOX
「一期一会」の超限定究極ボックス『The Later Years 1987-2019(BOX)』は12月24日発売予定。こちらの開封動画では新たに制作された美しいアートワークやツアー・パンフ・メモラビリアの特典などボックスに封入される内容が一目瞭然でわかる映像となっている。
●Pink Floyd - The Later Years (Unboxing Promo Video)
【商品概要】
●PINK FLOYD 『THE LATER YEARS 1987-2019(BOX )』
2019年12月24 日発売 初回生産限定2000セット 輸入盤Only 16枚組Box Set (ヨーロッパ・プレス輸入盤)
※輸入盤のため、販売店により価格が異なります。
◆ソニー・ミュージックジャパン限定3大特典
① ピンク・フロイド 3Dマウスパッド (ニュー・ロゴ入り)
② 日本語解説書(全48ページ、詳細なボックスの解説と1987-2019年表、ディスコグラフィーなど資料的価値のあるものになってます)
③デヴィッド・ギルモアとニック・メイソンの直筆サイン(ジャケット絵柄)プレゼント!抽選応募はがき
※ソニー・ミュージックジャパンより出荷される商品にのみ封入される限定特典となります。
https://www.pinkfloyd.jp/artist/PinkFloyd/info/511787
◆予約・購入リンク
ボックスセット
https://sonymusicjapan.lnk.to/LaterYearsBOX
◆全収録曲目など詳細はこちら
https://www.sonymusic.co.jp/artist/PinkFloyd/info/509975
◆一期一会の限定2000セット。1987年から現在までのピンク・フロイドのすべてを集大成した究極の16枚組コレクション(+7インチ・シングルX2枚)。前代未聞の膨大な超レア音源・映像の集大成アーカイブ・ボックス・セット。
●ピンク・フロイド『ザ・レイター・イヤーズ・ハイライト』
PINK FLOYD THE LATER YEARS 1987-2019 (1CD)
2019年11月29日発売 1CD通常盤(国内盤) SICP6230 ¥2400+税
◆予約・購入リンク
1CD Version :https://sonymusicjapan.lnk.to/pinkfloyd_TheLaterYears