来日中のパーヴォ・ヤルヴィ、2016年度 第54回「レコード・アカデミー賞」で2部門受賞を達成!
音楽之友社発行のクラシック音楽専門誌「レコード芸術」誌による2016年度 第54回「レコード・アカデミー賞」において、パーヴォ・ヤルヴィが2部門での受賞を達成しました。
フランクフルト放送交響楽団との「ニールセン:交響曲全集」が交響曲部門で大賞銀賞を、NHK交響楽団との「R.シュトラウス:ドン・キホーテ、ティル・オイレンシュピーゲル&ばらの騎士」が管弦楽部門で、それぞれ受賞いたしました。
この2つのレコーディングは、今ちょうど来日中のパーヴォ・ヤルヴィにとっても特に思い出深いものです。「ニールセン:交響曲全集」は、フランクフルト放送交響楽団の首席指揮者時代に4年がかりで交響曲6曲を演奏することと並行して録音されました。パーヴォにとっては、同響とのブルックナーおよびマーラーの交響曲全曲演奏・録音を並ぶ重要なプロジェクトであり、「この全集録音は、単なる演奏会のライヴ・レコーディングではなく、リハーサルやパッチ・セッションのテイクも含めて編集し、最新の注意を払って制作したものです。日本の音楽ファンの皆様が、この全集を通じて知られざるこれら6曲の優れた交響曲の魅力に気付いて下さるようであれば、音楽家としてこれ以上の喜びはありません」と語っています。
またNHK交響楽団との最初の録音プロジェクト「R.シュトラウス交響詩チクルス」の第2弾である「R.シュトラウス:ドン・キホーテ、ティル・オイレンシュピーゲル&ばらの騎士」については、こう語っています。「「管弦楽部門」での最優秀CDに選んでいただけたということは、まさに私たちの演奏活動の成果を認識いただけたことの証左であり、とても重要なことと考えています。N響との録音プロジェクトを考えていた時、まず頭に浮かんだのはN響の持つ偉大な伝統、よく知られたドイツ的なサウンド、そしてそのサウンドを形作るに当たって大きな影響を及ぼしてきた指揮者たちの存在でした。ですから、私にとってR.シュトラウスのオーケストラ曲をN響と録音することは、極めて当然かつ論理的な選択でした。(・・・)N響とのシュトラウスの演奏を聴いて、今何の躊躇いもなく申し上げられるのは、録音としての成果が私の期待を遥かに上回るものである、ということでしょう。個々の楽員が自分のパートを緻密に弾きこなし、それが集積されて全体として磨き上げられた隙のない精緻な音楽を作り上げています。個人的に嬉しく思ったのは、N響の楽員のみなさんが演奏や解釈についての新たな提案や話し合いに非常に積極的であったことでしょう。これまでトライしたことがなかったようなアイデアを柔軟に受け入れてくれたことでしょう。私たちは素晴らしい「チーム」になったのです。」