マーヴィン・ゲイ

1939年4月2日生まれ~1984年4月1日没。享年44歳。マーヴィン・ゲイは60年代に名門Motownで人気シンガーになり、「悲しいうわさ (I Heard It Through The Grapevine)」やタミー・テレルとのデュエット曲「エイント・ナッシング・ライク・ザ・リアル・シング」などヒット曲を量産。1971年、歴史的な傑作『ホワッツ・ゴーイン・オン』を発表。美しい楽曲と緻密なアレンジで、ベトナム戦争や公害、貧困といった社会問題を取り上げた歌詞は苦悩を赤裸々に表現し、ニュー・ソウルの時代を切り拓きました。80年代にColumbiaに移籍して『ミッドナイト・ラヴ』を発表しましたが、1984年に実父に射殺されるという非業の死を遂げました。

 

アルバム『ミッドナイト・ラヴ』は実質的にラスト・アルバムとなってしまった名作。さまざまなトラブルを抱えたまま、ベルギーで隠遁生活を送っていたマーヴィンが、TR-808による打ち込みをそのサウンドの中心に据えた画期的な作品。そのミニマムにループされるトラックとしなやかな歌が調和した楽曲は高く評価され、翌年のグラミー賞も受賞しました。その後のR&B/ヒップホップに対しても大きな影響を与え続けている。

(2019年5月記)