20世紀マーラー演奏史上最大の金字塔。SA-CDシングルレイヤーで全集化。
マーラー:交響曲全集
レナード・バーンスタイン
Mahler: Complete Symphonies / Leonard Bernstein
SACDシングルレイヤー
1968年発売の14枚組LPボックスの外箱のイメージを再現
■品番 SACDシングルレイヤー9枚組:SIGC-32~40
■発売日: 2018年8月22日
■定価:22,500+税
■仕様:SACDシングルレイヤー 通常ジュエルケース 音匠仕様レーベルコート
■各ディスクは通常ジュエルケースに封入、別冊解説書と共にスリップケースに封入
■特記事項: 日本独自企画 完全生産限定盤
■レーベル: Sony Classical
■2007年アンドレアス・K・マイヤーのDSD音源を使い、シングルレイヤー用にカップリング 9枚組(非圧縮、1枚最大109分)
■レナード・バーンスタインによる第1回目のマーラー交響曲全集は、20世紀におけるマーラー演奏史に残る金字塔の一つ。グールドのバッハやストラヴィンスキー自作自演などと共に、ソニー・クラシカル・レーベルに残された最も重要な録音といえるでしょう。バーンスタインの生誕100年を記念して、2007年にアンドレアス・マイヤーによってDSDマスタリングされた音源をSACDシングルレイヤー9枚にまとめボックス・セットとして発売いたします。
1963年9月、マンハッタン・センターでの交響曲第2番の録音セッション
■1960年、マーラー生誕100年を記念してニューヨークで開催された「マーラー・フェスティヴァル」に際して録音された「第4番」を嚆矢に、1967年まで8年の歳月をかけて、ニューヨーク・フィル定期での演奏と並行して「第3番」(1961年)、「第5番」「第2番《復活》」(1963年)、「第7番《夜の歌》」「第9番」(1965年)、「第1番《巨人》」(1966年)、「第6番《悲劇的》」(1967年)の順でセッション録音が行なわれ、その間、1966年のロンドン響客演の折りに「第8番」が収録されました。この時点でこれら14枚分のLPとして発売された9曲の交響曲は「GMS 765」という特別なカタログ番号が付され、箔押し・ビニール・クロス貼り・アルバム式・シリアル番号入りの濃紺のボックス・セットに収められ、録音史上初の「マーラー:交響曲全集」の誕生を見ました。
参考 アメリカ初出LPボックスのアルバム(左)、アルバムの背にはられていたマーラーの肖像のメダル(右)
参考 アメリカ初出盤のマーラーの肖像をデザインしたLPレーベル(左)、アメリカ初出盤のシリアル番号を手書きしたステッカー(右)
■さらに1969年にバーンスタインがニューヨーク・フィル音楽監督を退任後、1970年代に「大地の歌」(1972年、イスラエル・フィル)と「第10番~アダージョ」(1975年)が録音され、より完璧な交響曲全曲録音が完成しました。今回のボックス・セットは、「大地の歌」「第10番~アダージョ」を含む交響曲全曲と、「第10番~アダージョ」の初出盤にカップリングされていたジャネット・ベイカーとの「亡き子をしのぶ歌」(1974年、イスラエル・フィル)を収録したものです。バーンスタインはこの後、1971~76年にかけて「大地の歌」を含む映像による交響曲全集、1985~88年にはマーラーと縁の深かった3つのオーケストラを使ったデジタル・ライヴ収録による8曲の交響曲(第8番、「第10番~アダージョ」、「大地の歌」が未収録で、それぞれ1974年・75年・65年の録音が充てられて全集化)を残していますが、この第1回目の全集にこそ、バーンスタインのマーラー音楽の使徒としての熱い使命感が溢れんばかりに込められており、21世紀となった今でもその鮮烈なメッセージを伝え続けています。
アメリカ盤初出LPボックスの箔押し部分
■バーンスタインが生前にオーソライズした3種類の演奏の中で最も若々しくしかもドラマティックな「第2番《復活》」、師ミトロプーロスの死の直後に録音され、深い感情に満たされた「第3番」、可憐なレリ・グリストの名唱が光る「第4番」、ニューヨーク・フィルの底力が発揮された「第6番《悲劇的》」「第7番《夜の歌》」「第9番」など、いずれも作品のキャラクターを明確に際立たせた名演奏ぞろいです。ニューヨークのフィルハーモニック・ホール、マンハッタン・センター、30丁目スタジオ、それにテル・アヴィヴのフレデリック・マン・オーディトリアムという録音会場において、当時のコロンビア・レーベルが誇った「360サウンド」によって細部まで明晰に収録された左右に大きく広がる立体感のあるサウンドは、今聴いても十分に新鮮で、マーラーの複雑なオーケストレーションの魅力を余すところなく伝えています。
■各ディスクにはアメリカ初出のオリジナルLPジャケット・デザインを採用し、収容ボックスには「GMS765」のデザインのイメージを再現。ライナーノーツには、個々の交響曲の初出時のライナー翻訳のほか各曲の歌詞対訳、「GMS765」の解説に掲載されていたバーンスタイン自身による有名なエッセイ「マーラー:彼の時代が来た」(1967年『ハイ・フィディリティ』誌掲載)、ロバート・セイビン「ニューヨークのマーラー」、ハンス・ファンテル「マーラー、人と音楽」、2009年に海外で全集ボックス化された際のティム・ペイジ「バーンスタインのマーラー」、エリック・ライディング「バーンスタインの転換点、マーラー」を掲載。
マーラーの肖像がプリントされたシャツを着てリハーサルに臨むバーンスタイン(1970年代)
【収録曲】
グスタフ・マーラー
DISC1
1.交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1966年10月4日&22日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
2.交響曲 第4番 ト長調
レリ・グリスト(ソプラノ)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1960年2月1日、ニューヨーク、セント・ジョージ・ホテル
1960年4月16日、マンハッタン・センターでのブルーノ・ワルターによる「大地の歌」のセッションを訪れたバーンスタイン
DISC2
3.交響曲 第2番 ハ短調 「復活」
リー・ヴェノーラ(ソプラノ) ジェニー・トゥーレル(メゾ・ソプラノ)
カレジエート合唱団(合唱指揮:アブラハム・カプラン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1963年9月29日&30日、ニューヨーク、マンハッタン・センター
DISC3
4.交響曲 第3番 ニ短調
マーサ・リプトン(メゾ・ソプラノ)
ジョン・コリリアーノ(ヴァイオリン)、ジョン・ウェアー(ポストホルン)
スコラ・カントルム女声合唱団(合唱指揮:ヒュー・ロス)
トランスフィギュレーション教会少年合唱団(合唱指揮:スチュアート・ガードナー)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1961年4月3日、ニューヨーク、マンハッタン・センター
1961年4月、マンハッタン・センターでの交響曲第3番のレコーディングでマーサ・リプトンと
DISC4
5.交響曲 第5番 嬰ハ短調
ジェイムズ・チェンバース(ホルン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1963年1月7日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
DISC5
6.交響曲 第6番 イ短調 「悲劇的」
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1967年5月2日&6日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
7.歌曲集「亡き子をしのぶ歌」
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]1974年10月、テル・アヴィヴ、フレデリック・マン・オーディトリアム
DISC6
8.交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」
レイモンド・サビンスキー(マンドリン)
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1965年12月14日&15日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
DISC7
9.交響曲 第8番 変ホ長調 「千人の交響曲」
エレナ・スポーレンベルク(ソプラノ[いと罪深き女])
ギネス・ジョーンズ(ソプラノ[かつてグレートヒェンといわれた、贖罪の女の一人])
ゲニス・アンニアー(ソプラノ[栄光の聖母])
アンナ・レイノルズ(アルト[サマリアの女])
ノーマ・プロクター(アルト[エジプトのマリア])
ジョン・ミッチンソン(テノール[マリア崇拝の博士])
ウラディミール・ルジャーク(バリトン[法悦の教父])
ドナルド・マッキンタイア(バス[瞑想の教父])
リーズ音楽祭合唱団 ロンドン交響楽団合唱団(合唱指揮:ドナル・ハント)
オービントン・ジュニア・シンガーズ(合唱指揮:シェイラ・モスマン)
ハイゲート・スクール少年合唱団(合唱指揮:エドワード・チャップマン)
フィンチレー児童音楽グループ(合唱指揮:ジョン・アンドリュース)
ハンス・フォーレンヴァイダー(オルガン)
ロンドン交響楽団
[録音]1966年4月18日~20日、ロンドン、ウォルサムストウ・タウン・ホール
DISC8
10.交響曲 第9番 ニ長調
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1966年12月16日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
11.交響曲 第10番 嬰ヘ長調より 第1楽章アダージョ
ニューヨーク・フィルハーモニック
[録音]1975年4月8日、ニューヨーク、30丁目スタジオ
DISC9
12.交響曲「大地の歌」
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
ルネ・コロ(テノール)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
[録音]1973年5月18日、20日&23日、テル・アヴィヴ、フレデリック・マン・オーディトリアム
以上、1~12: レナード・バーンスタイン(指揮)
1967年10月、「マーラー:交響曲全集」のLPアルバムを手にして喜ぶバーンスタイン。アルバムのボックスケースを持っている左の人物はプロデューサーのジョン・マックルーア、バーンスタインの右はフェリシア夫人、コロンビア・レコード社長クライヴ・デイヴィス
[オリジナル・レコーディング・プロデューサー]ジョン・マックルーア(2-12)、ジョン・マクルーア&トーマス・Z・シェパード(1)
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]フレッド・プラウト、エド・ミカルスキ、ヘルムート・コルベ、バド・グラハム)、ロルフ・シュレーダーおよびジョン・ゲリエール
[オリジナル・アナログ・マルチ・マスターからのトランスファー、リミックスおよびDSDマスタリング]アンドレアス・K・マイヤー
[ライナーノーツ]128ページの別冊解説書 レナード・バーンスタイン「マーラー:彼の時代が来た」(1967年『ハイ・フィディリティ』誌掲載)、ロバート・セイビン「ニューヨークのマーラー」、ハンス・ファンテル「マーラー、人と音楽」、ティム・ペイジ「バーンスタインのマーラー」、エリック・ライディング「バーンスタインの転換点、マーラー」、初出アメリカ盤の曲目解説、歌詞対訳付き
音匠仕様レーベルコート採用