ジェフ・ベック(本名ジェフリー・アーノルド・ベック、1944年6月24日生、2023年1月10日没、享年78)はイギリスの代表的ギター・レジェンドにして、史上最も偉大なギタリストと呼ばれ、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジとともに「世界三大ギタリスト」の一人として没後もなお世界中のギタリストの敬愛を集めるロック・アイコンだ。1944年6月24日イギリスのウエリントンで生まれた彼は、1965年にエリック・クラプトンの後釜としてヤードバーズに参加。映画『欲望』でのギター破壊シーンは有名だが、バンド脱退後1967年にロッド・スチュアートらと共にジェフ・ベック・グループを結成。その後B.B.A.(ベック・ボガード&アピス)を経て、1975年からソロとして活動。ギター・インスト・アルバムの名作『Blow By Blow』や『Wired』を発表。その変遷の中で究極のテクニックにより表現の幅を広げていく様は、まさに神業と言えるものだった。ファンとってのみならず、数多くのギタリスト達に影響を与える一方で尊敬も受け、ロック・ギターの革新者としての孤高の存在となった。グラミー賞はこれまでに17回ノミネート、1985年『フラッシュ』収録「エスケイプ」で最優秀ロック・インストゥルメンタル賞を受賞したのを皮切りに計8回受賞。ロックの殿堂は1992年にヤードバーズのメンバーとして、2009年にソロで再び殿堂入りを果たした。2023年1月10日急逝(享年78歳)。
ディスコグラフィ(カッコ内は原盤レーベル、- 以降は英米でのチャート実績)
1.主なアルバム
1968年 『トゥルース/驚異のブルース・ギター〜ジェフ・ベック登場(Truth)』 (Epic) – US 15位(ゴールド)
1969年 『ベック・オラ/ジェフ・ベック!(Beck-Ola)』(Epic) – US 15位(ゴールド)、UK – 39位
1971年 『ラフ・アンド・レディ(Rough And Ready)』(ジェフ・ベック・グループ名義) (Epic) – US 46位
1972年 『ジェフ・ベック・グループ(Jeff Beck Group)』(ジェフ・ベック・グループ名義) (Epic) – US 19位(ゴールド)
1973年 『ベック・ボガート&アピス(Beck, Bogert & Appice)』(ベック・ボガート&アピスとして)(Epic) – US 12位(ゴールド)、UK 28位
『ベック・ボガート&アピス・ライヴ(Live)』(ベック・ボガート&アピスとしてのライブ盤)(Epic)
1975年 『ギター殺人者の凱旋/ブロウ・バイ・ブロウ(Blow By Blow)』(Epic) – US 4位(プラチナ)
1976年 『ワイアード(Wired)』(Epic) – US 16位(プラチナ)、UK 38位
1977年 『ライヴ・ワイアー(Jeff Beck With The Jan Hammer Group Live)』(ヤン・ハマー・グループとのライブ盤)(Epic) – US 23位(ゴールド)
1980年 『ゼア・アンド・バック(There And Back)』(Epic) – US 21位、UK 38位
1985年 『フラッシュ(Flash)』(Epic) – US 39位、UK 83位
1989年 『ギター・ショップ(Jeff Beck’s Guitar Shop)』(テリー・ボジオ、トニー・ハイマスとの共演)(Epic) – US 49位
1991年 『ベッコロジー(Beckology)』(Epic/Legacy)(3枚組ベスト盤ボックス・セット)
1992年 『フランキーズ・ハウス(Frankie’s House(Original Soundtrack))』(ジェド・リーバーとの共演によるTV映画のサウンドトラック盤)(Epic)
1993年 『クレイジー・レッグス(Crazy Legs)』(ザ・ビッグ・タウン・プレイボーイズとの共演)(Epic) – US 171位
1999年 『フー・エルス!(Who Else!)』(Epic) – US 99位、UK 74位
2001年 『ユー・ハッド・イット・カミング(You Had It Coming)』(Epic) – US 110位
2003年 『ジェフ(Jeff)』(Epic)- US 122位
2006年 『ライヴ・ベック!(Live: B.B. King Blues Club & Grill, New York)』(ライブ盤)(Epic)
2007年 『ライヴ・ベック ’06(Official Bootleg USA ‘06)』(ライブ盤)(Sony)
2008年 『ライヴ・ベック3〜ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラブ(Performing This Week…Live At Ronnie Scott’s)』(ライブ盤)(Eagle Records)
2010年 『エモーション・アンド・コモーション(Emotion & Commotion)』(Atco) – US 11位、UK 21位
『ライヴ・アンド・エクスクルーシヴ・フロム・グラミー・ミュージアム(Live And Exclusive From The Grammy Museum)』(ライブ盤)(Atco)
2011年 『ライヴ・アット・イリディウム〜レス・ポール・トリビュート(Rock ‘n’ Roll Party (Honoring Les Paul))』(レス・ポールへのトリビュート・ライブ盤)(Atlantic) – US 54位
2015年 『Live+』(ライブ盤)(Rhino)- US 148位
2016年 『ラウド・へイラー(Loud Hailer)』(Atco) – US 41位、UK 27位
2017年 『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル2016(Live At The Hollywood Bowl)』(ライブ盤)(Eagle Vision)
2022年 『18』(ジョニー・デップとの共演)(Rhino)- US 185位、UK 38位
2.主なシングル
1967年 「ハイ・ホー・シルバー・ライニング(Hi Ho Silver Lining)」- UK 14位
「Tallyman」- UK 30位
1968年 「Love Is Blue」- UK 23位
1969年 「バラバジャガ(Goo Goo Barabajagal (Love Is Hot))」(ジェフ・ベック・グループ名義、ドノヴァンとの共演)- US 36位、UK 12位
1972年 「ハイ・ホー・シルバー・ライニング(Hi Ho Silver Lining)」(リイシュー)- UK 17位
1973年 「I’ve Been Drinking」(ロッド・スチュアートとの共演)- UK 27位
1985年 「ピープル・ゲット・レディ(People Get Ready)」(ロッド・スチュアートとの共演)- US 48位、UK 81位
1992年 「ピープル・ゲット・レディ(People Get Ready)」(再チャートイン、ロッド・スチュアートとの共演)- UK 49位
2007年 「Up To The Mountain」(ケリー・クラークソンとの共演)- US 56位
2014年 「No Man’s Land (Green Fields Of France)」(ジョス・ストーンとの共演)- UK 49位
* USでは、アルバム・シングル共にゴールド=50万枚、プラチナ=100万枚の売上によりRIAA(アメリカレコード協会)が認定。いずれも2023年5月現在。