ハワード・テイト
70年代にはいるとライヴなどの音楽活動だけでは妻子を食べさせていくことができず、故郷のフィラデルフィアで保険のセールスマンとして働くようになりました。そんな中、76年、彼の家が火事にあってしまいます。妻と子供二人は無事逃げ出せたものの、軽い知的障害のあるもう一人の子供が取り残され、再度の火の中に助けに戻りましたが、子供は助からず、本人も大やけどを負ってしまいます。退院後、彼はアルコールとマリファナに溺れ、奥さんとも別れてしまいます。その後、コカイン中毒になって8年間ホームレスの生活を続けることになります。彼のプロデューサーであったジェリー・ラゴヴォイや奥さんが彼の行方を探しても判らず、既に亡くなっているのではと探すのをあきらめてしまったほどです。1991年、彼に奇跡が起こります。皿洗いの給料をドラックに使い果たした彼に突然悪魔の幻影が映り、「これからは神からの警告に従え」とお告げをうけます。その場でコカインをやめたハワードは95年には牧師にまでなります。そして、運命の出会いが・・・。2001年の正月、テイトは元ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツのロン・ケネディーとニュー・ジャージーのスーパーマーケットで偶然出会います。そこで、再発された彼のアルバムが地元のラジオ局でオン・エアーされ、DJが自分のことを探していることを聞きます。ケネディーの計らいで、すぐにそのDJと食事を共にすることになり、それがきっかけとなって、その後、ラゴヴォイとも再会を果たすことになります。そしてラゴヴォイの誘いで、ジョージアにあるラゴヴォイのスタジオを訪れます(なんとスタジオに入ったのは30年振り)。まもなく、音楽活動を再開することになり、遂には31年振りのアルバム発売となったのです。